著者
橋本 治 三橋 博巳
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第23回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.129, 2012 (Released:2013-07-08)

資源化施設では、火災予防を目的とした不燃ごみの散水、水噴霧による湿潤化が行われている。湿潤化された不燃ごみ中に含まれる廃棄リチウム電池は、水濡れによる発火危険性が増すことが考えられる。本研究は、湿潤不燃ごみ中のリチウム電池が処理工程で破損した場合の危険性について、処理工程を模擬した破断、衝撃試験を行ない危険性の評価を行った。試験結果から、湿潤不燃ごみ中で水にぬれたリチウム電池の危険性は、乾燥状態に比べ高くないことがわかった。
著者
三橋 博巳
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.37-56, 1982-03
被引用文献数
2

第19次南極地域観測隊に参加して, 昭和基地主要部の実在高床式建物(観測棟・電離棟)周辺に形成されるスノードリフトの形態ならびに吹溜量について測定を行った。また主に強風時を対象とし, 建物近傍での粗度長やべき指数を求め風速鉛直分布特性の検討を行った。実測結果から次のことが得られた。(1)高床式建物周辺に形成されるスノードリフトの形態は, 建物周辺にウィンドスクープを形成し, 風下側の形態は鋭い稜線を持つ馬蹄型となった。また1年間の吹溜量を風下側測定区間で求めると, 観測棟では78.3m^3,電離棟では181.7m^3となった。(2)風速鉛直分布特性は比較的対数則に従った。対数則より求めた粗度長Z_0は10^0&acd;10^<-4>(m)の範囲で平均値は2.2×10^<-2>(m)となった。べき指数αは1/2.9&acd;1/7の範囲で平均値は1/4.9となった。
著者
三橋 博巳
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.287-295, 2003-05-15
被引用文献数
9 10

近年,雪国では大スパンの建物や超高層建築物などが増えており,建物の屋根上雪荷重や吹きだまりによる積雪の評価が設計上重要である.そこで模型雪を用いた風洞実験(吹雪風洞実験)が,その性状や評価を行なう手段として用いられている.ここでは,吹雪風洞実験の概要と吹雪風洞実験について実際の建物への応用例を中心に紹介する.
著者
半貫 敏夫 三橋 博巳 佐藤 稔雄
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.120-130, 1985-03

南極氷床上に建設された観測用建物は, ほとんどの場合耐雪構造体の中に配置され, これら全体が雪面下にある。他方, みずほ基地では掘削した雪洞の中に建物を配置する方式を採っていて, ここでは雪面下の建物を雪圧から保護するための本格的な耐雪構造体はなく, 部分的に雪洞の形を保つための支保工が施されているにすぎない。小規模な基地ではこのみずほ方式が魅力的である。本論文では, この雪洞型の基地をつくる場合の難点である雪洞建設について一つの省力化試案を提出した。それは雪面下で雪洞を掘削するかわりに, 貯雪柵の組み合わせや簡易耐雪構造体を用いて雪面上に建てた建物周辺を覆い, このまわりに雪を積もらせて雪洞にしようというものである。この雪洞建設方法の実現の可能性を確かめるために, 軽量で取り扱いが簡単な網を素材にした貯雪柵の防風, 貯雪性能に関する予備的な風洞模型実験を行った。その結果, 網の防風, 貯雪性能はその充実率φによって大きく影響されるが, 適切な網を選択すれば貯雪柵として十分に役立てられるという感触を得た。現在さらに実験精度を吟味した風洞模型実験を継続している。