著者
松山 麻珠 池内 淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.2, pp.1-8, 2015-03-06

本稿では,校正を行う場面での読みにおける作業効率の差や校正者が受ける影響を測定するとともに,その要因を考察することを目的として二つの実験を行った.実験 1 では,24 名の被験者に対して,2 種類の問題を用いて実験を行い,校正作業の効率,正解率,主観評価いずれにおいても液晶ディスプレイに比べ,紙の方が優れていた.実験1の結果を踏まえ,その違いとなる具体的な要因を探るため,反射光と透過光の違いに着目した実験を 20 名の被験者を対象として実施した.その結果,誤り発見数・誤回答数・読書時間・主観評価について差は認められなかったものの,誤り発見数の平均値,校正作業の精度と再現率について反射光のほうが優位であった.
著者
西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-149, no.1, pp.1-8, 2012-07-12

本稿では,ポスト知識社会を見据えた,Creativity Miningという新しい創造活動支援のあり方を議論する.我々のような一般人がなにがしかの新奇なモノを創り出すことは容易ではない.しかしながら,それは我々が非創造的であるということを意味しない.我々は皆,潜在的に創造性を有している.ただ,持てる潜在的創造力を思い通りに発揮することができないか,あるいは潜在的な創造力の存在に気づいていないだけであると私は考える.すなわち,我々の多くは「非創造的」なのではなく「未創造的」であると言えよう.来るべきポスト知識社会としての「創造性社会(Creative Society)」を確立するために必要となる創造的人材を大幅に増員するためには,未創造的な人々の裡に深く埋もれたままの創造性を見いだし,その発揮を支援するための新たな技術の実現が不可欠である.すでに創造性支援技術が広く研究開発されているが,これらの技術は基本的に「既創造的」な人々を主たる支援対象としており,未創造的な人々には適用し難い.Creativity Mining技術は,未創造的な人々を支援対象とし,これらの人々が有する潜在的創造性を発見・発掘することを支援する.本稿では,筆者らの研究室でこれまでに開発された3つのシステムを事例として取り上げ,これらの事例がどのようにCreativity Miningシステムとして機能するかを論じ,Creativity Mining技術の要件について検討する. : This paper proposes a novel concept called “Creativity Mining” for Post-Knowledge Society. Even though it is quite difficult for general people to create novel things, that does not mean that we are not creative. We all potentially have creativity. We simply cannot manifest our potential creativity at will or are unaware of its existence. In this sense, perhaps we are not uncreative but not-yet-creative. To increase creative human resources to establish the coming “Creative Society” as a Post-Knowledge Society, we require new technologies for finding the buried creativity deep within not-yet-creative people and for supporting its manifestation. Although creativity support technologies have been widely studied, they have supported the creative activities of already creative people. They are not useful for supporting not-yet-creative people. In contrast, creativity mining technology supports not-yet-creative people to find and confirm their potential creativity. This paper illustrates three example systems developed at the author's laboratory and discusses how they work as creativity mining systems and their requisites.
著者
志水新 馬場哲晃 串山久美子 金石振
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-6, 2014-05-15

携帯電話,スマートフォンを初めタブレット端末等のパーソナルコンピュータは様々なユーザ層が利用するようになった.生活環境を取り巻く情報機器はユーザのライフスタイルに変化を生じさせている.このような背景の中,情報機器に必要なキーボードは元来プロのタイピストを対象に開発されたものであり,タイプライターにおける運用性やユーザエラーを考慮された入力設計方式では,習熟に長時間の練習が必要である.特に目の見えないユーザにとってその学習コストは一般ユーザよりも大きい.本研究では視覚障害者の中でも特に,キーボード初学者を対象とし,従来のキーボードや入力方式と比較し,学習コストの低いキーボードを開発することを目的とする.本稿では,プロトタイピングを通じ,入力方式の検証とユーザ体験の観察について報告する.開発したキーボードは 10 個の皮膜式ポテンショーメータを有し,50 音の平仮名入力が可能となる.その機能が視覚障害者にとってシンプルなプロセスで学習ができ,必要最低限の機能を有したキーボードであることをユーザ観察及びインタビューにより確認した.
著者
黒澤 敏文 志築 文太郎 田中 二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.7, pp.1-10, 2015-05-07

タッチスクリーンを持つ携帯情報端末の操作時における,スワイプ方向の頻度に基づいたタッチジェスチャ UI を示す.我々はまずユーザが携帯情報端末の既存 UI を操作している際におけるスワイプ方向を調査した.その結果,一部の UI を除き,ユーザが右手操作を行っている際には左上方向スワイプの使用頻度が少ない事が分かった.この結果を基に,我々は左上方向スワイプを,他の方向のスワイプとは異なるタッチジェスチャとして用いるタッチジェスチャ UI を設計した.評価実験の結果,提案 UI において,ユーザは左上方向スワイプを他方向へのスワイプと区別して実行できる事,更に左上方向スワイプの性能が既存 UI のボタン操作より有意に高く Bezel Swipe と同等である事も分かった.
著者
岩本 拓也 小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-152, no.19, pp.1-8, 2013-03-06

人間の愛着行動 (いわゆる 「いちゃいちゃ」 ) は,幸福感を得るためや相手との関係をより良いものにするために重要な行為である.愛着行動はデリケートな行動のためプライバシが確保された場所で行うのが一般的であり,公共の場では行われない傾向にある.公共の場では,周囲の目が障壁となるため,カップルは愛着行動を行うことが困難になると考えられる.そこで我々は,公共空間内での対面状況において,周囲に不快感を与えることなく愛着行動を行えるメディアの研究開発を進めている.本稿では,裏腹的愛着行動を伝えあう対面コミュニケーションメディアである 「ちんかも」 を提案し,その有用性をユーザスタディによって検証する. : "Acting cozy" is important for lovers to feel happiness and to improve their relationships much better. Many lovers desire to always act cozy. However, it is actually difficult to act cozy in a public space although they are together there. Whereas the ordinary research efforts have attempted to mainly support long-distance lovers, there are also several issues to be solved even for short-distance lovers. Accordingly, we have been studying a medium that allows the short-distance lovers who stay together to convey cozy actions even in the public space without disgusting people around them. This paper investigates what kind of cozy actions should be transmitted between the lovers being together in the public space.
著者
岩本 拓也 小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-150, no.16, pp.1-8, 2012-10-25

恋人間の愛着行動(いわゆる「いちゃいちゃ」)は,幸福感を得るためや相手との関係をより良いものにするために重要な行為である.恋人達の多くは,常に愛着行動をとりたいと願っている.しかしながら公共空間では,目の前にパートナーがいるにもかかわらず愛着行動を行うことができない.従来の恋愛支援技術の研究は,遠距離恋愛者を対象に研究開発が進められてきたが,近距離恋愛者に対しても支援すべき課題が残されていると考える.そこで我々は,公共空間内での対面状況において,周囲に不快感を与えることなく愛着行動を行えるメディアの研究開発を進めている.本稿では,このメディアの実現に向け,どのような種類の行動を伝え合うことが有効かに関する基礎的検証を行う. : "Acting cozy" is important for lovers to feel happiness and to improve their relationships much better. Many lovers desire to always act cozy. However, it is actually difficult to act cozy in a public space although they are together there. Whereas the ordinary research efforts have attempted to mainly support long-distance lovers, there are also several issues to be solved even for short-distance lovers. Accordingly, we have been studying a medium that allows the short-distance lovers who stay together to convey cozy actions even in the public space without disgusting people around them. This paper investigates what kind of cozy actions should be transmitted between the lovers being together in the public space.
著者
横山 正典 鈴木 啓太 木下 由貴 望月 崇由 山田 智広 櫻井 翔 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-5, 2015-05-07

異なる場所にいる人同士が同じ場所で対話しているかのような体験を実現する技術であるテレプレゼンスの研究が進められている.本稿では,人の非言語メディアを拡張することで F2F では生じ得ない心理効果を伴う遠隔コミュニケーションを実現する "超現実テレプレゼンス" を提案する.超現実テレプレゼンスの具体例として,視線の指向性の制御,Social Touch の心理効果の制御,Proxemics に基づく対面距離の制御を行うテレプレゼンスインタフェースを示し,今後の課題,想定される適用例,今後の展望について述べる.
著者
寺田 努 今井 淳南 村尾 和哉 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-8, 2015-05-07

本稿は,情報処理学会論文誌ジャーナルに投稿する原稿を執筆する際,および論文採択後に最終原稿を準備する際の注意点等をまとめたものである.大きく分けると,論文投稿の流れと,LATEXと専用のスタイルファイルを用いた場合の論文フォーマットに関する指針,および論文の内容に関してするべきこと,するべきでないことをまとめたべからずチェックリストからなる.本稿自体も LATEX と専用のスタイルファイルを用いて執筆されているため,論文執筆の際に参考になれば幸いである.
著者
小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-151, no.19, pp.1-8, 2013-01-25

これまで多くのコミュニケーションメディアは,同期同室状態の対面対話を理想として研究開発されてきた.それゆえ,距離や時間,デバイスの問題に着目したコミュニケーションメディアの開発研究が主流であるといえる.著者らは,今日までに,対面対話における 「話者交替」 や 「単一話題維持」 の暗黙的規則によるメッセージ交換の非効率性や,我々人間が 「大事なこと,印象深いことは簡単には忘れない」 , 「どうでもいいことはすぐ忘れる」 ように日常の多種多様な情報を自然と整理整頓する思考特性のような人間の内的制約や特性に着目したコミュニケーションメディアの研究開発を行っている.本稿では,人間の内側に着目したコミュニケーションメディアにより,どのようなコミュニケーションが実現するかを述べ,次世代のコミュニケーションメディアの可能性を議論する. : We used to develop many communication tools with idealizing face-to-face conversations in synchronous and sharing one room. Thus, a policy of developing communication tools is to solve some problems of distances, times and features of devices. We have focused on internal limitation and features of human and we have made some communication media as media which have a goal of solving inefficiency of face-to-face conversations because of implicit rules of conversations as turn-taking and maintaining same topic and which have a goal of realizing arranging some information in our mind naturally. In this paper, we report what we can communicate using our proposed communication media and we discuss possibilities of next-generation communication media based on internal properties of human.
著者
山田 彩加 長谷部 礼 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.20, pp.1-7, 2014-03-06

イラストを依頼するクライアントの多くはコンセプトを言葉によって表現する.その言葉からイラストレータが想像した画風のイメージをその場ですぐにクライアントと共有・調整することができれば,清書して提案する工程を省くことができる.しかし,イラストレータが言葉やスケッチで簡易的に表現しでも,クライアントに同じ画風の完成形を想像させることは困難である.そこで,本研究ではイラストレータの潜在的なセンスとクライアントの言葉との噛み合わせを可能とするために,イラストが依頼された場において,画風の創造・共有までを協同で行うことを支援する手法を提案する.
著者
生田 泰章 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2016-HCI-168, no.6, pp.1-8, 2016-05-26

文章作成過程において、執筆者は考えや思想の表出と表出内容の修正を繰り返し行う。その際、執筆者は不用と判断した本文の一部を棄却する。本稿では、棄却された本文の一部(棄却テキスト断片)を知的資源として捉え、棄却テキスト断片を収集可能な文章作成支援システムText ComposTerを提案する。Text ComposTerは、ユーザがカード状のエレメントに「作成対象の文章の一部を記入し、このエレメントを二次元平面上に配置することで本文を形成することができ、文章作成の上流工程から執筆者の文章作成を支援することができる。エレメントを配置するための二次元平面には、配置されたエレメントに記入された内容を本文に反映する領域と、反映しない領域が含まれる。Text ComposTerは、本文に反映しない領域に配置されたエレメントに記入されたテキスト断片を、後に知的資源として活用すべく収集する機能を有する。本稿においては、Text ComposTerを用いた実験を行い、有用性を確認することができた。
著者
才記 駿平 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2016-HCI-167, no.1, pp.1-8, 2016-03-01

プレゼンテーションを行う上で重要な要素として,聴衆の興味を引くプレゼンテーションスライドを作成する,というものがある.近年ではスライド中に面白い画像を配置しておくことによって,聴衆の笑いを誘う方法が使用される.しかし,プレゼンテーションに関係のある面白い画像を探す際には,様々なキーワードを用いて,試行錯誤しながら画像検索を行わなければならず,非常に手間がかかる.本研究では,スライド作成者が手軽に面白い画像を探し出せるようにするため,画像検索を行う際のキーワードの発想支援として 「謎かけ」 をもとにした多段階単語連想法を検討し,これを用いたプレゼンテーション用おもしろ画像検索支援システムを提案する.評価実験の結果,謎かけを元にした単語連想を用いることで,通常スライド作成者が行うキーワードの変換を支援することができる可能性が示唆された.また,プレゼンテーション用おもしろ画像検索支援システムによって,通常の画像検索ではすぐに得られないような画像をユーザーに提示することが可能となった.この結果,システム使用者がプレゼンテーション用の画像を検索する手間を減らすことができる可能性が示唆された.: Making catchy presentation slides is one of the important points of giving a presentation. Recently people often use funny images in presentation slides for this purpose. However, it is very complicated to find suitable funny images because it requires a lot of try-and-errors using various keywords. In this paper, we propose a “Nazokake” based multistage word association tool that supports generating keywords to retrieve suitable funny images. We conducted user studies and obtained possibilities that the proposed tool is effective to retrieve funny images.
著者
若尾 あすか 鈴木 真生 松村 耕平 野間 春生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-7, 2015-05-07

本研究は,ショップやショールーム,体験型交流施設などが集まる複合型商業施設への来訪者に対して周遊行動を誘導することを目的とする.複合型商業施設ではその施設内にある様々なテナントに足を運ばせることで全体としての利益向上を図っている.しかし,行き慣れた施設内においては,来訪者の行動の定型化が原因となり,来訪者の新しいニーズを生み出しにくい問題がある.子ども連れの来訪者に注目すると,目的としている場所以外に行く時間的な余裕が持ちにくい問題もある.我々は,それら問題を解決するため,スマートフォンを用いた宝さがしゲームを開発した.ユーザは用意された宝を見つけるために施設全体を歩き回る.それによって,ユーザは施設に関して新たな気づきを得る.ユーザは,宝の在処を示すヒントと宝に近づくと得られる通知のヒントを手がかりに,様々な店舗に隠された宝を探す.いくつかの宝にはミニゲームによる楽しみを付与して参加意欲を高める工夫をした.開発したゲームを用いたイベントを 3 月 29 日にグランフロント大阪内ナレッジキャピタルで開催されたワークショップフェスの一環として一般の参加者を対象に開催した.その結果,子どもとその子どもと一緒に参加した大人が施設全体を周遊する行動を促すことができた.
著者
小倉 加奈代 田中 唯太 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-148, no.20, pp.1-8, 2012-05-25

本稿では,大皿料理のように,共食者が料理を共有する共食場面において,しばしば見られる「遠慮のかたまり」という状況がどのような状況かを明らかにすべく,大皿上の料理の残量が最後の一個,最後の一口に近づくにつれ,食事をしている人々の取り分け行動にどのような特徴,変化がみられるのかに着目した分析,考察を行った.その結果,食事開始中盤から終了前にかけて,取り分け行動の停滞,停止が起こり,その停滞,停止直後に起こった取り分け行動が短い間隔で 2,3 度連続して起こることがわかった.この,停滞→取り分け行動の活発化という流れが「遠慮のかたまり」につながる最後の一個に向けての準備行動である可能性があることがわかった. : In this paper, we try to analyze serving food to reveal a situation of “the last on piece of food”. When we analyzed video data of table talks with some platters, we focused on serving food for each platter and for dining table. As a result, we confirmed situations of suspending serving foods from middle stage to end often occurred. In addition, we found after suspending serving food, serving food occurred continuously for short time span. A series of suspending and activating serving food is important for us to handle a situation of “the last one piece of food”.
著者
鎌田 和樹 渡邉 俊哉 渋沢 進
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.13, pp.1-8, 2015-05-07

高齢者が要介護状態に陥る原因の一つに認知症がある.拮抗体操は両手足で左右別々の動きをするもので,認知症を予防するための健康行動の一つである.健康行動の指導者は高齢者の数に対して不足しており,指導者の負担を減らすような支援システムが求められている.他方で Kinect は人体の関節を認識でき,導入も手軽なことから体操支援システムに適している.筆者らは以前の研究において,深度センサを利用し体操指導機能とリズムゲーム機能を備えた拮抗体操支援システムを作成した.このシステムでは,Kinect の手先の認識が難しいことから一部の拮抗体操の認識率が劣っていた.そこで今回,Kinect v2 を用いて拮抗体操支援システムを改良し,認識精度の評価実験を行うとともに,高齢者を対象に主観評価実験を行った.その結果,若者を対象にした実験からシステムの認識精度の向上が確認された.また,高齢者の体操の認識精度が若者より低かったが,主観評価実験から高齢者の体操参加を促すのに体操システムが有用であることが分かった.