著者
鈴木(堀田) 眞理
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.676-682, 2016-04-10 (Released:2017-04-10)
参考文献数
10
被引用文献数
5

神経性やせ症や過食症などの摂食障害は,低栄養や自己誘発性嘔吐や下剤・利尿薬乱用に伴う合併症で救急診療を必要とする場合がある.「摂食障害救急患者治療マニュアル」「神経性食欲不振症プライマリケアのためのガイドライン」について概説し,救急でみられる症状と疾患,栄養アセスメント,内科的緊急入院の適応,重篤な合併症と治療,栄養療法,再栄養に伴う重篤な合併症であるrefeeding症候群の予防について述べる.
著者
鈴木(堀田) 眞理
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.676-682, 2016

<p>神経性やせ症や過食症などの摂食障害は,低栄養や自己誘発性嘔吐や下剤・利尿薬乱用に伴う合併症で救急診療を必要とする場合がある.「摂食障害救急患者治療マニュアル」「神経性食欲不振症プライマリケアのためのガイドライン」について概説し,救急でみられる症状と疾患,栄養アセスメント,内科的緊急入院の適応,重篤な合併症と治療,栄養療法,再栄養に伴う重篤な合併症であるrefeeding症候群の予防について述べる.</p>
著者
鈴木 (堀田) 眞理
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1006-1012, 2016 (Released:2016-10-01)
参考文献数
16

栄養学の知識は摂食障害の病態の理解と治療に必須である. 治療抵抗性の肥満やメタボリック症候群では過食性障害や夜食症候群の存在を疑うべきである. 1940年代に行われた健康人の半飢餓臨床試験では, 神経性やせ症に似た行動異常と精神的合併症と反動の過食が認められた. 飢餓が二次的な心理・行動変化をもたらすことは周知すべきである. 神経性やせ症患者では三大栄養素だけでなく, ビタミンや微量元素などほとんどの栄養素が不足する. 本症患者の体重1kgあたりの1日の必要エネルギーは健康人より多いので体重は増加しにくい. 成長期に発症した神経性やせ症では, 低身長は後遺症になりうる. 日本の神経性やせ症患者の約80%がビタミンD不足・欠乏で, 二次性副甲状腺機能亢進症を伴い, 骨粗鬆症や骨軟化症を合併する. 長期間の低栄養状態から摂食量が増加するときには反応性低血糖やrefeeding症候群に留意すべきである.
著者
小原 千郷 鈴木 (堀田) 眞理 西園マーハ 文 末松 弘行 鈴木 裕也 山岡 昌之 石川 俊男 生野 照子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.162-172, 2020 (Released:2020-03-01)
参考文献数
21

日本の一般女性における摂食障害の認識を明らかにすることを目的に, 病名の認知度と摂食障害に関する誤解や偏見に関するWEBアンケートを実施し, メディアからの情報入手が誤解・偏見に与える影響を検討した.回答者は4,107名の女性で, 平均年齢は27.0±7.4歳であった. 摂食障害を 「よく知っている」 が17.7%, 「ある程度知っている」 が43.5%, 「病名を聞いたことあるが, 症状などはよく知らない」 が27.8%, 「病名も聞いたことがない」 が6.5%であった. 病名の認知度は高い順から 「うつ病」 > 「拒食症」 ≒ 「過食症」 > 「子宮頸がん」 > 「摂食障害」 > 「統合失調症」 であった. 全般的にメディアからの情報入手が多いほうが摂食障害に対する誤解や偏見が少ない傾向にあったが, 摂食障害は 「ダイエットが一番の原因である」 「母親の育て方が原因である」 とする項目については, 特定のメディアからの情報入手があるほうが, そうであると考える人が多かった.
著者
鈴木 (堀田) 眞理
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1006-1012, 2016

<p>栄養学の知識は摂食障害の病態の理解と治療に必須である. 治療抵抗性の肥満やメタボリック症候群では過食性障害や夜食症候群の存在を疑うべきである. 1940年代に行われた健康人の半飢餓臨床試験では, 神経性やせ症に似た行動異常と精神的合併症と反動の過食が認められた. 飢餓が二次的な心理・行動変化をもたらすことは周知すべきである. 神経性やせ症患者では三大栄養素だけでなく, ビタミンや微量元素などほとんどの栄養素が不足する. 本症患者の体重1kgあたりの1日の必要エネルギーは健康人より多いので体重は増加しにくい. 成長期に発症した神経性やせ症では, 低身長は後遺症になりうる. 日本の神経性やせ症患者の約80%がビタミンD不足・欠乏で, 二次性副甲状腺機能亢進症を伴い, 骨粗鬆症や骨軟化症を合併する. 長期間の低栄養状態から摂食量が増加するときには反応性低血糖やrefeeding症候群に留意すべきである.</p>