著者
菊池 節子 鍬野 信子 佐原 昊 近藤 榮昭
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.337-340, 1987-12-20

会津の郷土料理、つと豆腐について、市販豆腐の包装方法と同様に包装し、5℃±5℃の冷蔵庫で保存してその保存性について検討を加えた。その結果、次のような知見を得た。1. 官能検査の結果、保存5日目に品質の劣化が認められた。2. つと豆腐の色は、保存により次第に黄味を帯びる傾向にあったが、品質劣化には大きな影響を与える因子とは考えられなかった。3. 食感は、官能検査結果では4日目から有意な差が認められたが、カードメーターによる硬さにおいて、差は認められなかった。4. つと豆腐浸漬液の吸光度は、日数の経過とともに大きな値を示し、日持ちの判定の一つの指標になるものと思われた。5. pHは、保存にともない低下する傾向を示した。
著者
芳賀 文子 小峰 洋美 近藤 栄昭 鍬野 信子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.225-234, 1984 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11
被引用文献数
4 3

酒石酸カリウム, クエン酸二カリウム, 塩化カリウムを添加した大根煮, ホワイトソースの調理食品, ならびにホワイトソースと同調味濃度の調味水溶液に対し, 官能テストを行い, K塩の調味効果について検討を試み, 次のような結果を得た。1) 試料に用いたK塩の味覚の特徴は, 酒石酸カリウムは塩辛味, 酸味, 苦味, 渋味いずれも弱く, クエン酸二カリウムは酸味が強く, 塩化カリウムは苦味が特に強かった。2) K塩を調味料として添加した大根煮では, K塩の味覚の特徴がストレートに感じられ, 全ての試料に有意の差がみられた。調味水溶液でも同様の傾向であった。しかし, ホワイトソースでは, 有意の差はなく, これらK塩の味の発現が抑制された。3) Kを必要とする患者に対し, 食事による補給の方法として, K塩を調理食品に添加する場合, 芳香性の食品, 油脂類, たん白質性食品を使用し, 不快味に対するマスク作用をはかったり, 呈味性の弱いK塩を用いたほうがよいように思われた。4) 塩化カリウムは, 塩辛味はあるが, 苦味が強く, 酒石酸カリウム, クエン酸二カリウムは塩辛味は弱く, 実験に供したK塩の食塩代替性は乏しかった。
著者
菊池 節子 鍬野 信子 佐原 昊 近藤 榮昭
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.337-340, 1987

We discussed about preservative properties of Tsuto-Dofu, the local dish in Aizu. Tsuto-Dofu was preserved at 5± 5°C in electric refrigerator. The quality of Tsuto-Dofu was evaluated by sensory test and instrumental analysis.<BR>The results obtained were as follows:<BR>1. The deterioration of Tsuto-Dofu was recognized by sensory test at the fourth day in the preservation.<BR>2. The color of Tsuto-Dofu became yellowish in the preservastion but this phenomenon didn't have influence on the quality judged by the sensory test.<BR>3. Significant difference of texture was recognized by the sensory test at fourth day but there is no significant difference in the hardness determined by curd-meter. Seemingly this came from that sensory evaluation of texture involved not hardness but the other factors.<BR>4. The absorbance of water, in which Tsuto-Dofu was soaked for the preservation, increased with the lapse of time, while the pH decreased on the contrary. From these results, it seems that the values of absorbance and pH are usefull as indices of deterioration.