- 著者
-
菊池 節子
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
- 雑誌
- 栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.5, pp.251-260, 1985
福島県を会津, 県北, 県南, 浜通りの4地区に分け, それぞれの中心都市の小・中学生を対象に豆腐摂取の実態を把握する目的で調査を行った。内容は, 小・中学生には豆腐の嗜好について, その家庭の調理担当者には豆腐料理, 喫食の理由ならびに頻度および購入方法などについて調査を行った。結果は次のとおりである。<br>1) 豆腐の嗜好は, 好きが, 小学生66.9%, 中学生38.0%, ふつうが, 小学生27.8%, 中学生53.4%, 嫌いが, 小学生5.3%, 中学生8.6%であり, 小学生に好きと答えた人が多く, 小・中学生間に危険率1%で有意差がみられた。小・中学生の好きな豆腐料理は, 味噌汁, 麻婆豆腐, 冷奴, 湯豆腐などである。<br>2) 調理担当者の作る豆腐料理は, 味噌汁, 湯豆腐, 冷奴, 麻婆豆腐で約85%を占め, 炒り豆腐, 煮物, 白和え, 揚げ出し豆腐は, それぞれ6%以下であった。<br>3) 豆腐喫食の理由は, 栄養があるが約50%を占め, 豆腐は栄養的にすぐれた食品であると認識されていることがわかった。次いでおいしい, 好き, 調理が簡単, 経済的などの理由があげられた。<br>4) 豆腐料理の喫食頻度は, 小学生の家庭では, 週2回27.6%, 週3回25.6%, 中学生の家庭では, 週2回29.9%, 週3回27.1%で, 平均すると週2.9回であった。<br>5) 豆腐の種類別嗜好は, 地区平均では, 木綿豆腐59.6%, 絹ごし豆腐39.2%であった。しかし会津地区では, 木綿豆腐26.6%, 絹ごし豆腐68.8%で, 他地区との間に危険率1%で有意差がみられた。その他県北と県南, 県南と浜通り間にも危険率1%で有意差がみられた。<br>6) 豆腐の購入先はいずれの地区でもスーパーマーケットからの購入がほとんどで, 豆腐屋からの購入は少ない。また購入店の指定については, いずれの地区も指定していない家庭が多い。<br>7) 現在の豆腐に対する要望は, 固さ, 大きさ, 形, 包装について, 今のままでよいが約80%であったが, 固さにおいてもっと固く, 形において料理別にほしいという要望があった。