著者
山室 真澄 鑪迫 典久
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

市販の柔軟剤4製品を最適化した方法で分析した。各社ともほぼ同じ香料を組み合わせて使用していた。同じ方法で千葉県の人工河川の河川水を使って分析したところ、標準試薬にある12成分のうち10成分の人工香料が検出された。このことから、最適化した方法で環境水中の香料成分を検出できることが分かった。環境水にマイクロカプセルの形で拡散している場合、環境水を濾過して懸濁物を接触する二枚貝がマイクロカプセルを取り込んでいる可能性がある。そこで西日本の汽水湖沼および首都圏の感潮河川で漁獲されたヤマトシジミを提供いただき分析したところ、柔軟剤から検出された香り成分と似た組み合わせで人工香料が検出された。
著者
鑪迫 典久 寺崎 正紀 山岸 隆博 堀江 好文 山室 真澄 石橋 弘志 山本 裕史
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

化学物質の新たな存在形態となりうる、マイクロカプセルを介した化学物質の環境中動態、野生生物の蓄積および生態影響について明らかにする。マイクロカプセルとは、芯材に様々な化学物質を封入した微細な粒子状物質を指す。カプセルに封入された化学物質は、化学物質本来の化学構造から推定される環境動態とは異なる動きを示す。よってその動態解明は新たな研究分野として重要である。本研究ではマイクロカプセルの水環境中での拡散・環境動態および水生生物に与える影響を明らかにし、さらに揮発性・難水溶性の化学物質を内包したマイクロカプセルを合成し、カプセル化した場合としない場合とでの生物影響の差を調べる。