著者
大矢根 聡 宮城 大蔵 佐々木 卓也 村井 良太 井上 正也 多湖 淳 石田 淳 葛谷 彩 福島 啓之 長久 明日香
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

日本の国際関係研究においては理論・歴史間の対話が欠けており、相互刺激に基づく研究上の新たな展開は稀薄である。本研究では、過去および海外の対話状況を検討し、今日可能な理論・歴史対話の条件や方法を考察した。国際関係のマクロ理論の論争や合理的選択論の普及を背景に、理論・歴史対話は困難になっている。しかし日本やアメリカなどでは、理論を換骨奪胎しながらも利用し、歴史研究の対象や観念を転換した例がある。今日、理論的パラダイムを歴史研究に応用し、歴史から抽出したパターン自体を理論化するのは難しい。しかし理論上の基本的概念は、歴史的に吟味すべき課題を抱えており、また歴史的現象を再解釈する手がかりになる。