著者
長尾 大道 小林 直樹 深尾 良夫 冨澤 一郎 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.47, 2012 (Released:2012-03-28)

大地震が起こった際には、それによって励起された波動が電離層内を伝搬していくことが、観測的に示されている。著者はこれまでに、固体地球‐大気結合系1次元モデルのノーマルモードを利用した数値シミュレーションにより、2008年に起こった岩手・宮城内陸地震によって励起された気圧変動を説明することに成功した。本研究では同じ手法を用いることにより、やはり同地震の際に菅平のHFドップラー観測で捉えられた電離層の上下変動を、中性大気を伝搬する音波波動として理解できることを示した。講演においては、他の地震の場合に得られたさらに多くの観測点で得られたHFドップラーデータを総合的に解析することにより、大地震によって励起される大気変動の時空間構造を包括的に理解することを目指す。
著者
長尾 大道 樋口 知之
出版者
統計数理研究所
雑誌
統計数理 = Proceedings of the Institute of Statistical Mathematics (ISSN:09126112)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.257-270, 2013-12

要旨あり環境リスクと統計解析 -データ基盤構築と解析-原著論文
著者
長尾 大道 中野 慎也 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第59回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.173, 2010 (Released:2011-01-21)

2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震による微気圧変動が、震源域から400km以上離れたCTBT夷隅微気圧観測点で検出された。この音波波形は、適切な固体地球と大気の1次元結合モデルおよび断層モデルを設定することにより、30秒以上の長周期帯では十分に説明できることが分かっている(Nagao et al. [2008])。本研究では、データ同化の手法を用いてこれらのモデルパラメータの事後分布を精密に推定し、地震データとは異なる情報を持つと考えられる微気圧データが、固体地球科学にどのような貢献をもたらすことができるかを検討する。具体的には、地震と微気圧の観測波形および固体地球-大気モデルのノーマルモードから求めたシミュレーション波形とを、粒子フィルタ法およびMCMC法を組み合わせたハイブリッド法により比較し、モデルパラメータの事後分布を推定する。特に微気圧データを含めた場合と含めない場合とで比較し、微気圧データが震源パラメータの事後分布に与える影響を調べる。