著者
門脇 駿 攝待 尚子 長島 康雄
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.30-36, 2021 (Released:2021-03-30)

SARS-CoV-2ウイルス感染拡大により,免疫やウイルスへの関心が高まっている。人類の歴史を振り返ると,これまでもいくつものウイルスと共存してきた。今後,SARS-CoV-2と共存していかなければならないことも前提に考えると,義務教育段階で免疫やウイルスについて学び,知識を得ることが必要と考えた。中学校理科カリキュラムへの編入を見据え,本研究では,5つの単元でウイルス・免疫の扱いが可能であることを指摘した。さらに,1例として具体的な学習指導案を開発した。
著者
長島 康雄
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.281-284, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
4

新型コロナウイルスの感染拡大は,日本・世界に大きな影響を及ぼした.突然変異によって野生生物に由来するウイルスが今後も新たに出現することを前提にした理科教育を検討しなければならない.本稿では感染拡大の間接的な要因としてウイルスや免疫に対する科学的な知識の欠落の問題点を指摘する.そこで,ウイルスならびに免疫について義務教育段階で日本人全員が習得すべき内容としての位置づけた理科カリキュラムを検討した.過剰に恐れるのではなく,科学的な知見をふまえて正しく対処するための見識を持つための理科カリキュラムである.小学校理科カリキュラムとして「生物のスケール」という単元を導入し,最も微小な生物としてウイルスを扱うこと,中学校理科では「ヒトの体を守る仕組みとしての免疫」という単元,ならびに「生物に由来する災害としてEco-DRRの視点による災害対処」を導入することの有用性を指摘した.
著者
長島 康雄
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.42-47, 2016 (Released:2021-09-07)

仙台北西部の宅地造成地に隣接する二次林でソヨゴ群落の調査を行った。落葉層を取り除き,ソヨゴの稚樹が匍匐枝由来であることを確認し,ソヨゴ群落の中央部,辺縁部に1m×1mの調査区を3ヶ設置し,匍匐枝をトレースすると共に自然高とシュートの着葉数を調べた。その結果,シュートを2型に分けることができること,その2型で更新に果たす役割が異なっている可能性があることを指摘した。
著者
渡邉 剛央 長島 康雄
出版者
学校法人 関東学園大学
雑誌
関東学園大学紀要 Liberal Arts (ISSN:21878501)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.10-25, 2017 (Released:2017-09-11)
参考文献数
15

This article aims to clarify concrete contents of teachers' duties of care and the measures they should take in case of a natural disaster. The results of our analysis of certain case judgments, mainly the Okawa Elementary School case, reveal that teachers concretely bear the following duties of care in case of a natural disaster. Prior to the outbreak of a natural disaster, teachers bear the duties to establish crisis control manuals and train themselves to act according to the manuals. After the outbreak of a natural disaster, teachers must positively collect the information regarding the natural disaster and analyze it in order to anticipate the measures necessary to be taken for ensuring their students’ safety. Furthermore, after the outbreak of damage, teachers bear the obligation to rescue their students as and when a rescue operation is possible. To fulfill such duties, firstly, the range of teachers’ duties should be clarified. Then, it is indispensable for teachers to cooperate with the experts of the natural disaster.
著者
佐々木 敏紘 渡邊 直美 木幡 大河 長島 康雄
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
no.23, pp.31-37, 2014-03-31

学習指導要領が改訂され,「科学技術と人間」の内容で「放射線にもふれること」と明記された。義務教育における理科という単元で扱う場合に,中学1年から3年までの間に多くの指導場面が可能であることを指摘するとともに,それを実証する目的で,中学校第2学年の理科で放射線教育を取り上げた実践を行い,中学2年生における放射線教育に関する学習機会の可能性を論じた。
著者
攝待 尚子 長島 康雄
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
no.22, pp.45-53, 2013-03-31

これまで開発してきたフリーウェブサービスを活用した生き物調査や調査結果を活用した教材のノウハウを生かし,身近な生き物調査と調査結果を活用した授業実践を組み合わせて行った。小学校3年生を対象とするため,調査種や調査結果の提示の仕方などを厳選した教材を作成し,身のまわりの自然環境に関心を持つことをねらいとした授業を実践した。生き物分布図を活用した授業の実践により,これまで興味のなかった児童が興味を持って身近な生き物調査をしたり,身近な環境に関心を持ったりするなどの一定の教育的効果が示された。
著者
數本 芳行 長島 康雄
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-7, 2012-03-31

2011年3月11日に発生した2011年東北地方太平洋沖地震により,東北地方太平洋岸を中心に甚大な被害が生じた。国・地方自治体による復旧に向けての取り組みが進められインフラ等一定の復旧を終えたところである。ここでは,震災後に社会教育施設として仙台市科学館が取り組んできた復興支援等の実践の流れを記すと共に,成果と課題から科学館としての災害時や平常時における社会に対しての果たすべき役割について述べるものである。
著者
攝待 尚子 嶋 孝弘 長島 康雄
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
no.21, pp.37-43, 2012-03-31

台原森林公園の散策路でロードサイドセンサス法により鳥類分布調査を行った。結果,仙台近郊でみられる 29科51種のべ1333個体の鳥類が出現した。森林公園内を植生景観で区分し,分布の季節動態を調べると,冬期にかけて日当たりのよい落葉広葉樹への移動がみられた。台原森林公園は渡りの中継地として,数多くの留鳥の生息地として住宅地の中に残された緑地であり,広域では生態的回廊(ビオコリドー)の一部として重要な自然環境であると考えられる。