著者
長谷川 彩香 高橋 知音
出版者
信州大学大学院教育学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要 = Annual letters of clinical psychology in Shinshu (ISSN:13480340)
巻号頁・発行日
no.19, pp.95-106, 2020-06

本研究では,評価懸念が強く自分の本一音を我慢して相手を気遣う傾向があると,親しい友人への援助要請に消極的な態度や抵抗感が高まるかどうか検討することを目的とした。大学生183名を対象に無記名の質問紙調査を実施した。調査では「親しい友人」を一人想起させ,その友人に対する被援助志向性と気遣いを測定した。その結果,評価懸念が高く自分の気持ちを我慢してまで相手を気遣う傾向にある人は,相手が親しい友人であっても援助要請に抵抗感をもつことが明らかになった。
著者
長谷川 彩子
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-55, no.8, pp.1, 2021-08-30

高度な ICT 技術が実システムに導入される一方で,それら技術の意図とユーザの認識・行動との間に齟齬があることが技術誤用の要因や技術普及の阻害要因となっている.ユーザブルセキュリティ・プライバシーと呼ばれる研究分野では,ICT 技術のセキュリティ・プライバシー側面に対するユーザの認識・行動を理解してその知見を実システムに反映する研究が行われている.当該研究分野は,セキュリティ・プライバシーの最難関国際会議における採択本数が増加するなど,その重要性が認識され存在感が増している.本講演では,当該研究分野の概要を紹介し,当該研究分野の技術が実システムや実社会を改善する可能性について議論する.また,講演者のこれまでの研究事例を通じて,当該研究分野の方法論を紹介する.具体的には,オンラインアカウントに対するユーザのプライバシー認識,およびフィッシング攻撃に対するユーザのセキュリティ行動に関する研究事例を取り上げる.
著者
坪根 恵 長谷川 彩子 秋山 満昭 森 達哉
雑誌
研究報告セキュリティ心理学とトラスト(SPT) (ISSN:21888671)
巻号頁・発行日
vol.2021-SPT-41, no.43, pp.1-8, 2021-02-22

学校教育におけるタブレット端末や PC 利用の普及に伴い,児童がパスワードを利用する機会は増加している.その一方で,国内では,パスワード教育に関する統一した指針がなく,小中学校で用いている教材や,教材内に記載されている項目やレベルは様々である.本研究は,国内で発行されている児童向けセキュリティ教材の実態調査を実施する.具体的には,教科書及び地方行政機関が独自に発行しているパスワード啓発資料を調査し,特にパスワード・プラクティスに関連する内容分析を行なった.調査の結果,(1) 教科書は出版社によって取り上げている項目は大きく異なり,パスワード・プラクティスをそもそも取り上げていない教科書もあれば,2021 年現在では既に推奨されていないプラクティスを未だ更新していない教科書も確認できた.(2) 児童向けパスワード啓発資料を作成している都道府県はわずか 7 県であり,各資料が取り上げている項目にも差がみられた.これらの結果は,教育機関が採用する教材によって内容に大きな差があること,およびその差が児童が得るセキュリティ知識の差につながることを示唆する.
著者
長谷川 彩香 高橋 知音
出版者
信州大学大学院教育学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要 (ISSN:13480340)
巻号頁・発行日
no.19, pp.95-106, 2020-06-01

本研究では,評価懸念が強く自分の本一音を我慢して相手を気遣う傾向があると,親しい友人への援助要請に消極的な態度や抵抗感が高まるかどうか検討することを目的とした。大学生183名を対象に無記名の質問紙調査を実施した。調査では「親しい友人」を一人想起させ,その友人に対する被援助志向性と気遣いを測定した。その結果,評価懸念が高く自分の気持ちを我慢してまで相手を気遣う傾向にある人は,相手が親しい友人であっても援助要請に抵抗感をもつことが明らかになった。