著者
小林 仁 長谷川 祥子 森 達也 長江 惣吉
出版者
公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

南宋の都・杭州出土の曜変天目をはじめとした出土資料の考察を通して、天目茶碗の中国での位置づけを再検討するとともに、出土品や伝世品の科学分析調査や再現に取り組む陶芸家との学術交流を通して、天目研究に新たなアプローチを試みた。とりわけ、藤田美術館所蔵の国宝曜変天目に対して世界で初めて科学分析調査を行い、釉薬には基本的に鉄やマンガン以外の重金属類が用いられていない点などを科学的に明らかにし、曜変の斑文や虹彩(光彩)の発生メカニズムに関する新知見を得ることができた。なお、本研究はNHKのETV特集でも大きく紹介された。
著者
長谷川 祥子 下村 孝
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.552-560, 2013 (Released:2015-02-13)
参考文献数
100
被引用文献数
5 5

これまで,多くの研究が,植物が人の心身に及ぼす影響に関する知見を多く蓄積してきた。我々は,身近な自然として,室内に持ち込まれた植物に焦点をあて,その心理・生理的影響に関する研究を概観し,知見を整理した。室内植物がもたらす心理・生理的影響は,オフィス環境を端緒として,医療環境や教育環境など様々な空間を想定して,調査されてきた。その結果,室内植物がストレスや疲労を軽減し,リラックス状態に導くなど,人の心身に有益な役割を果たすことが明らかにされてきた。そして,植物の量や設置方法のみならず,人と植物との関わり方が植物の効用に及ぼす影響が検討されるまでになっている。これらの知見の整理から,室内植物に対する人の認知度合いが植物の効用に及ぼす影響などを今後の検討課題として抽出した。
著者
内川 隆志 阪本 是丸 加藤 里美 成澤 麻子 長谷川 祥子 山田 正樹 大橋 美織 笹木 義友 三浦 泰之 山本 命 宇野 淳子
出版者
國學院大學
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

公益財団法人静嘉堂文庫に収蔵されている松浦武四郎旧蔵古物資料約900点の整理が完成した。本研究は近代初期において松浦武四郎に代表される当時の好古家達が蒐集対象とした古物(文化財)の内容を直裁的に示すと共に、明治4(1871)年の太政官布告である「古器旧物保存方」の示す保存すべき器物の内容とも一致することを明らかにした。また、箱書きや文書の翻刻によって古物をとりまく人的ネットワークの実態を明らかにした。