著者
井関 健太 矢口 勇一 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.101-108, 2008-11-20

本報告は,任意の対画像のピクセル最適対応を与える2次元連続DPを用い,少ない枚数の画像で精度のよい3次元形状が復元できることを示す.従来法が対象物体から連続的に観測した面像列における特徴点の対応系列を利用するのに対して,提案手法は画像集合の1枚の画像と任意の他の画像とのすべてのピクセル対応を利用する.ピクセル対応点が稠密に利用できるため,因子分解法によって3次元形状を復元する際,少数枚の画像から精密な形状復元ができる.ピクセル対応関係からメッシュ構造が得られる事を利用し,ドロネー三角網を定義する事なく密なテクスチャマッピングを施すことができる.これらのことを実験で示すとともに,従来法の典型であるKLT,SIFT+因子分解法を同一画像集合に適用し,比較実験も行った.これらの実験で提案手法が従来法より精密な3次元形状復元を行うことが分かった.
著者
小関 健太郎 森田 武史 山口 高平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4H3GS402, 2020 (Released:2020-06-19)

Linked Dataや知識グラフの観点から,知識の共有や意味内容に基づく処理の実現を目的としてさまざまな規模や領域のオントロジーが構築されている.これに伴って異なるオントロジーの統合とその利用が研究されているが,特にドメイン知識と一般知識の連携を目的として,教科オントロジーや法律オントロジーのようなドメインオントロジーと,日本語WikipediaオントロジーやYAGO等の大規模汎用オントロジーとの統合が注目されている.そこで本研究では,両者の統合における課題を考察し,信頼性や対象範囲のギャップに関する課題に対して,これらの課題を考慮したクラス階層の自動マージ手法を提案する.提案手法では,一方のオントロジーの知識を他方の知識に優先させる非対称な統合によって知識の訂正を行うことに加えて,普遍的・一般的な概念を体系化したオントロジーである上位オントロジーを導入することで,対象範囲によらず共通する上位階層での整合性の改善を図る.この際上位オントロジーの統一が必要となるが,上位階層を変更した大規模汎用オントロジーを新たに事前構築し評価を行った.
著者
関 健太郎 榎本 忠儀
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2013-AVM-81, no.1, pp.1-6, 2013-07-12

SHV 向けに動きベクトル検出処理速度を超高速化した帯状探索窓動きベクトル検出アルゴリズムを開発した。本アルゴリズムは 0 次~ 2 次探索で構成される。0 次探索は複数の候補点より最適な探索点を得る予備探索、1 次探索は帯状探索窓探索、2 次探索はダイアモンド探索である。本アルゴリズムを H264/AVC に準拠したソフトウェアエンコーダに実装し、6 種類の HDTV(High Definition TeleVision) 画像 (“Bronze with Credits”、“Ice Hockey”、“Whale Show”、“Tractor”、“Riverbed”、“Inter-section”) に適用し、画質、探索速度を評価した。その結果、本アルゴリズムは全探索法と遜色のない高画質を維持することができた。 “Bronze with Credits” で評価した本アルゴリズムは探索速度を FS の 204.53 倍、S-UMHS の 3.346 倍、EPZS の 1.727 倍、高速化することができた。
著者
井関 健太 矢口 勇一 大田 和寛 千葉 将人 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.363, pp.105-110, 2008-12-11

2次元連続DPアルゴリズムと因子分解法に基づく画像からの3次元形状を効率的に復元するシステムを実現した.2次元連続DPでは画像間の全ピクセルに対する非線形対応のマッチングが可能である.そのため,因子分解法において使用される計測行列を,画像集合の1枚と任意の他の画像とのすべてのピクセル対応から生成する事で,特別な計測機器やカメラパラメータを必要とせず,少数枚数の画像のみから3次元モデルを生成する事が可能である.一方,2DCDPによる計算コストがO(N^4)となり,計算速度とメモリサイズに関する問題がある.本報告ではこれらの問題に対処するために,2DCDP計算の並列化に基づく計算機環境を構築した.また,野外の大きな建築物である城郭を対象にし,効率的に形状復元を行うシステム実装した.大規模画像への3次元形状復元には,部分3次元形状のモザイキングにより実現する.今回構築したシステムが良好に動作する事を実験により示した.