著者
大賀 圭子 杉田 誉子 関 顕洋 本多 輝行 川口 源太
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
pp.26.e6, (Released:2021-07-31)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

医薬品の安全性監視活動は,すべての医薬品に対して実施する通常の医薬品安全性監視活動と,製品特異的な安全性検討事項に対して実施する追加の医薬品安全性監視活動からなる.通常の医薬品安全性監視活動の中においてシグナル管理は重要な部分であり,欧米では当局から規制およびガイダンス文書が発行されている.医薬品リスク管理計画の充実のため 2018年より活動を開始した日本医療研究開発機構(AMED)医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan:RMP)研究班は,欧米のガイドラインおよび関連文献をレビューし,その考え方をまとめた.欧米のガイドラインにはシグナル管理の原則と手順に加えて,シグナル検出・評価の方法や実施において考慮すべき点,責任分担,当局内での活動結果の公表手順も記載されており,製薬企業を含めた公共に対する透明性が図られている.研究班では考え方をまとめるにあたって,まずは日本語のシグナル関連用語の定義一覧を作成した.また,これを基にシグナル検出からリスク特定に至る一連の活動を概念レベルで取りまとめるとともに,今後の日本のシグナル管理の在り方について考察した.
著者
山沖 和秀 天野 晶夫 今鷹 耕二 関 顕 藤井 潤
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.444-449, 1985-10-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
13

眼球雑音 (Ob) の頻度と臨床的意義を, 40~88歳 (平均63歳) の1050例の患者を対象とし検討した.Obは, 43例 (4%) に認め, 特に70歳以上では8%と高率であった.Obは過半数で両側に聴取し, 日内・日差変動が大きかった.Obを心音計で記録できた例で, 臥位下肢挙上, 紙袋内再呼吸, 対側頚動脈圧迫, 亜硝酸アミル吸入を試み, いずれも, 70%以上で雑音が増強した。不整脈でもObの強さが変動する例があった.60歳以上のOb33例では, 脳梗塞・一過性脳虚血発作33%, 虚血性心疾患36%, 間歓性破行24%, 高血圧48%, 耐糖能異常56%に認め, 頚部, 大腿動脈の血管雑音聴取率, X線的動脈石灰化合併率も含め, いずれもOb例で有意に高率であった.以上から, 眼球の聴診は, 老年者において, 神経学的診察法としてのみならず, 全身性動脈硬化の評価にも有用と考えられた.
著者
正岡 元 関 顕生 岸場 清悟 近堂 徹 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.161-166, 2009-02-26

近年,LinuxやFreeBSDなどUnix系OSの配布などで,BitTorrentをはじめとしたP2P型のファイル共有ソフトウェアが利用されている.P2P型のファイル共有プロトコルでは,ノードのアドレス変更や切断にある程度対応するための仕組みが含まれている.しかし,多くのノードが移動している場合など,アドレスが頻繁に変更される場合,転送効率が低下し,高速なネットワークであってもその帯域を十分利用できない.一方,ネットワークを移動してもセッションを中断することなく通信を継続できる技術として移動透過通信がある.移動透過通信を利用しP2P型ファイル配布を行うことで,ファイル転送の速度向上を実現することができる.本稿では,移動透過通信を利用した場合のP2P型ファイル配布時間を測定することにより,多くのノードが頻繁に移動する環境におけるファイル配布方式について評価する.