著者
阪本 清美 坂下 誠司 山下 久仁子 岡田 明
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.119-128, 2017-02-25 (Released:2018-12-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1

We carried out experiments to investigate the relationship between display resolution and physiological and psychological state during the viewing of 4K and 2K content on a 65-inch 4K TV as a comparison between age groups. During viewing tests of 4K scenic content by participants in their 20s and 50s, psychological evaluation scores and NIRS, an index of nervous system activity, were significantly higher during 4K scenic content viewing than for 2K viewing. However, the effect of the display resolution for content comprising video images of fine objects such as food, jewels, watches, glass and fur, was limited compared to that for scenic content between age groups. Our results suggest that content viewing at 4K tends to cause psychological elation and a surge in brain activity, although the effects varied somewhat according to content, and these effects of display resolution on physiological and psychological state were found regardless of age groups.
著者
水科 晴樹 阪本 清美 金子 寛彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.10, pp.1640-1651, 2011-10-01

機器使用時のユーザの心理的ストレスを客観的に評価するために,心拍や皮膚導電率等の生体信号を用いる手法が提案されている.しかしそれらの手法には電極の装着等の煩わしさが伴うため,それ自体がストレスの原因となる可能性もある.その点において,眼球運動は非接触で計測可能であるため,ストレスの優れた指標になり得ると考えられる.本論文はそのための基礎的な知見を得ることを目的とし,多様な課題の遂行時における眼球運動を計測した.また,そのときの心理状態の主観評価も併せて行い,眼球運動の特性との対応を検討した.その結果,課題によって時間的な切迫感を与えた場合に,振幅の小さいサッカード眼球運動の分布における振幅の平均値と主観的な「焦り感」との間に正の相関が見られた.このことから,サッカード眼球運動の動特性が心理的ストレスの指標として利用できる可能性が示された.一方,課題の遂行に関連すると考えられる振幅の大きなサッカードの分布においては,眼球運動の動特性と心理状態との間に相関は見られなかった.このことから,心理状態は課題の遂行に関連しない振幅の小さい眼球運動により強く反映されると考えられる.
著者
水科 晴樹 村田 直史 阪本 清美 金子 寛彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J92-A, no.10, pp.677-689, 2009-10-01

機器使用時におけるユーザの心理的ストレスを客観的に評価することは,人間に優しいヒューマンマシンインタフェースを設計する上で重要である.しかし,従来提案されている心拍・脳波・皮膚電位等の生体信号をストレスの指標とする場合,電極の装着等の煩わしさが生じる.その点において,非接触で計測可能な瞳孔径は優れた指標になり得ると考えられる.また指標の汎用性を考慮すると,幅広い年齢層のユーザに適用可能なことが重要である.本論文ではその基礎的な知見を得るために,若年者と高齢者を対象に,多様な課題の遂行時における瞳孔径を計測し,そのときの心理状態の主観評価との対応を検討した.その結果,本研究で用いた3種類の作業負荷条件下においては,いずれの場合も負荷量の増大とともに瞳孔径変動量が増大した.また,タイムプレッシャーを与えた場合と聴覚刺激の識別難易度を操作した場合においては,心理的ストレスの要因となり得る「不安感」の主観評価と瞳孔径変動量との間に相関が見られた.瞳孔径変動に関しては,定性的には若年者と高齢者でほぼ同様の挙動が観察されたため,心理的ストレス指標として幅広い年齢層に適用できる可能性が示された.
著者
阪本 清美 青山 昇一 浅原 重夫 山下 久仁子 岡田 明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.25-27, 2009-02-12

本研究では家庭内視聴環境における視距離の違いが視覚疲労に及ぼす影響についての評価実験を2種類のコンテンツを使用して42インチで行った(実験1、実験2)。さらに、ディスプレイサイズの影響を探るため65インチの大型ディスプレイを用いて行った(実験3).これらの結果は、視覚疲労の観点から、適正視距離が165cmから220cmの中間距離に存在し、ディスプレイサイズに依存せず絶対視距離に関係する可能性があることを示唆していた.