著者
田邉 信男 阿部 宏史 氏原 岳人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.553-559, 2016-10-25 (Released:2016-10-25)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

「新しい公共」による取り組みが継続・発展するには、その担い手となるNPOなどが「継続的に活動できる団体の運営力」が重要である。また、協働によるまちづくりの現場でも、継続性を担保する仕組みやマネジメントの方法論が問題としてあげられてきている。このような問題意識のもと、本報告では、「新しい公共」の担い手として期待されている任意団体やNPOの団体で継続的に活動している活動主体に着目した。複数の文献から課題を整理し、アンケート調査を通じて、継続的な組織運営の課題の類型化や組織形態別の課題を定量的に分析した。また、分析結果の考察を通して、組織が継続・発展していくためのマネジメントの方策について検討した。
著者
阿部 宏史 谷口 守 新家 誠憲 岸田 康治
出版者
日本地域学会
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.185-201, 2004-10-30 (Released:2008-10-10)
参考文献数
27
被引用文献数
1

The first highway in Japan was opened in July 1963 between Ritto and Amagasaki with the length of 71km. The total length of highway in Japan reached 7, 236km in August 2003. The highway construction has become a crucial issue in the recent Government reformation under the sever conditions of Japanese economy and national finance.However, the provision of highway brings about various positive economic effects in the surrounding areas, such as the new location of industries, the rationalization of distribution systems, the promotion of tourism and the improvement of living conditions. It is obvious that the rapid growth of Japanese economy has been supported by the construction of highway network since 1960s. Therefore, a long-term impact analysis, which considers the changes in regional economic structures, passenger flows and commodity flows, is necessary to identify the exact outcome of highway construction projects.This paper aims to examine the long-term impact of highway network construction on the travel time between 46 prefectures in Japan and their effect on the inter-prefectural commodity flows. The outcomes of highway network provision have been measured with the changes in the shortest travel time by car between prefectures and the surplus for commodity flows induced by the improvement of travel time.The empirical study has been conducted for years 1975-2000. The main findings have revealed that the trunk highway construction during 1975-80 had brought about a significant improvement of travel time and surplus for commodity flows in the metropolitan regions. The improvement in local regions appeared after 1980s. The highest improvement for commodity flows had been achieved between 1995 and 2000 when the local highways connected to the trunk network. The fact has revealed that the formation of highway network in local regions is effective to improve the conditions of commodity flow in the whole nation.
著者
竹内 幹太郎 阿部 宏史 氏原 岳人 金野 裕一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.1039-1044, 2012-10-25 (Released:2012-10-25)
参考文献数
7

産業集積などの衰退により都市内部で発生しているエリアレベルの低・未利用地(例えば、空き工場群など)において、新たな店舗集積の形成を検討する際に有用な情報を提供するため、本研究では、用途転換の取り組みにより空き倉庫・事務所群を活用した新たな店舗集積が形成されている岡山市北区問屋町の卸商業団地を事例に、その特性を来訪者へのアンケート調査結果を用いて分析した。具体的には、まず、どのような来訪者が問屋町内の出店店舗にとって利点となる行動をするのかその関係性を分析した。そして、問屋町における出店店舗にとって利点となる行動の発生には、来訪者の"居住地"や"同伴者"の要素が総体的に関係しているとわかった。次に、既存店舗集積と比較して、問屋町が店舗集積としてどのように評価されているのかを分析した。その結果、問屋町は、中心市街地と郊外ショッピングセンターそれぞれにおける店舗集積としての"不足部分(自動車の交通利便性や店舗の魅力など)"を、同時に特長として有することで、都市内部における新たな店舗集積としての位置づけを見出していると考えられることが明らかになった。
著者
阿部 宏史
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.79-84, 1996

WITH THE PROGRESS IN URBANIZATION AND THE TREND TOWARDS A SOFTWARE- AND SERVICE-ORIENTED ECONOMY, THE VITALIZATION OF REGIONAL AND PREFECTURE CENTER CITIES IS NOW A MAJOR OBJECTIVE IN THE REGIONAL DEVELOPMENT PLANNING IN JAPAN. THIS PAPER AIMS TO IDENTIFY THE RECENT POLICY ISSUES ON THE DEVELOPMENT OF LOCAL CENTER CITIES IN JAPAN WITHIN THE CONTEXT OF INDUSTRIAL STRUCTURE. THE INDUSTRIAL STRUCTURE AND THE GROWTH DISPARITIES IN TWENTY-SIX JAPANESE CITIES WITH POPULATIONS OF MORE THAN 300,000 ARE EXAMINED BY APPLYING THE RATE-SHARE ANALYSIS AND THE MULTIPLE REGRESSION ANALYSIS FOR THE YEARS 1980-90.
著者
谷口 守 阿部 宏史 清水 健夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.661-666, 2001

コンクリート塊の落下など、新幹線は施設全体のリニューアルまで考慮すべき時期にあるが、その地域間交通に占める重要性という観点からの議論は乏しく、サービス途絶時の影響に関する冷静な議論がない。本研究では幹線旅客純流動調査のデータから、7カ所の想定ポイントで途絶した場合に生じる影響を、潜在的な航空旅客負荷に換算することで検討した。分析から潜在旅客負荷は大きく広範に及び、特定空港に集中するとともに、現状に比すれば地方部の負荷も大きいことが示された。また、実際に新幹線の途絶が発生した阪神大震災時の航空臨時便データとの比較から、実際のサービス提供が負荷の解消には至っていないことを明らかにした。
著者
阿部 宏史 谷口 守 中川 拓哉
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.653-659, 2001

本研究では, 岡山・東京間の空路利用促進に向けた課題を探るために, 岡山市と倉敷市の事業所を対象として, 東京への業務出張時の利用交通手段に関するアンケート調査を実施し, 航空便の利便性を中心とした利用者の意識を分析した。また, 空路利用促進策の一つとして, 岡山県内で要望の強い岡山空港での東京線ナイトステイの実施による運行ダイヤ改善が旅客増に及ぼす効果を推計するとともに, ナイトステイ実施後の利用促進課題についても検討した。まず, 評価意識の分析結果から, 岡山空港・東京線に対する評価では運行ダイヤの利便性に対するウエイトが高く, ナイトステイ実施によるダイヤの改善が評価の向上につながることを明らかにした。次に, ナイトステイ後の始発便への転換意向の集計結果から, 現在の交通手段からの転換率は30%-40%程度と推計され, ナイトステイは空路利用促進に効果が見込まれることを示した。また, 2000年10月のナイトステイ実施後の航空便利用状況から, 本研究による知見の有効性が検証された。