著者
中川 裕 佐野 洋 鈴木 玲子 降幡 正志 上田 広美 匹田 剛 望月 源 田原 洋樹 原 真由子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

聴覚・音響音声学的な事実と音韻論的構造との相互関係を理解するために、広範囲の言語事例を使い、言語横断的比較の手法を用いながら、聴覚実験や音響分析によって新知見をもたらした。さらにその新知見を音韻構造との関連で解釈した。解釈の過程で、音韻素性理論に聴覚・音響的特性をどう位置づけるかという理論的問題を探求するための、多くの具体的手がかりを得ることができた。それと同時に、このプロジェクトで蓄積した、聴覚音声学的な新手法と新知見を用いて、言語学習の過程における第2言語(L2)の発音の諸問題に取り組み、実り多い議論を発展させることができた。
著者
益子 幸江 佐藤 大和 峰岸 真琴 降幡 正志 岡野 賢二
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、強調の機能をイントネーションがどのように表すことが可能かを、タイプの異なる複数の言語について、音響音声学的データに基づいて検討した。言語タイプとして、音の高低を用いる声調言語と高低アクセント言語、音の強弱を用いる強弱アクセント言語を取り上げた。声調言語ではイントネーションは通常は用いられないのに対し、他のタイプの言語ではイントネーションが用いられることがわかった。また、発話における声調のピッチパタンは声調ごとの典型的なパタンからの逸脱(調音結合)では説明できず、声調の組合せからなる形態統語論上の単位に付与される動的パタンと考えられることが明らかになった。