著者
益子 幸江 佐藤 大和 峰岸 真琴 降幡 正志 岡野 賢二
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、強調の機能をイントネーションがどのように表すことが可能かを、タイプの異なる複数の言語について、音響音声学的データに基づいて検討した。言語タイプとして、音の高低を用いる声調言語と高低アクセント言語、音の強弱を用いる強弱アクセント言語を取り上げた。声調言語ではイントネーションは通常は用いられないのに対し、他のタイプの言語ではイントネーションが用いられることがわかった。また、発話における声調のピッチパタンは声調ごとの典型的なパタンからの逸脱(調音結合)では説明できず、声調の組合せからなる形態統語論上の単位に付与される動的パタンと考えられることが明らかになった。
著者
澤田 英夫 岡野 賢二 藪 司郎 加藤 昌彦
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ビルマ語はチベット=ビルマ語派ビルマ語群に属する東南アジアの主要言語の一つで、12世紀にまで遡る大量の文字資料を持つ。本研究では、ビルマ語および隣接諸言語の碑文テキストを外注入力し、写真撮影調査で得られた碑文画像も参照しつつ電子コーパス化した。この碑文コーパスに基づき、ビルマ語の音韻・文法およびビルマ文字の体系の通時的研究を行った。また碑文コーパスとフィールド調査で得られた言語データに基づき、ビルマ語・ビルマ文字と周辺少数民族言語・文字の間の相互影響の研究、ならびに、ビルマ語群マル下位語群の祖語の再構に向けての研究を行った。現在、碑文コーパスのオンライン公開の準備に向けた作業を行っている。