著者
清水 政明 柿木 重宜 冨田 健次 川口 健一 岩井 美佐紀 春日 淳 田原 洋樹
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、現在日本における学習者人口が日々増加の一途をたどるベトナム語の学習成果を客観的に測定する基準を策定するべく、その検定試験の内容・形態・評価方法を確定するための基礎的研究を遂行した。ベトナム本国において教育・訓練省が策定する海外在住ベトナム人のベトナム語能力測定基準案等を参照し、ベトナム本国との連携関係を保持しながら徐々に改良・発展させることが可能な形態を有する検定試験の制定を目標とした。
著者
田原 洋樹 敷田 麻実
出版者
一般社団法人 日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.49-64, 2023 (Released:2023-10-01)
参考文献数
70

関係人口は、人口減少時代の新たな地域づくりの担い手として期待されているが、交流人口や定住人口との境界は曖昧である。そこで本研究では、関係人口の概念を整理し、交流人口が関係人口に変容するための要件やプロセスを明らかにした。仮説モデルを構築し、Webモニター調査のデータから、多重指標モデルによる共分散構造分析を行った。その結果、観光経験の自己拡大と現地交流が、地域関与意識の自己表現と利他心を醸成させ、地域への積極的な関わり意向を高めることを明らかにした。この結果から関係人口は地域関係者と協働し地域づくり活動にかかわることで、地域にとっての新たな主体になりえる存在であるとの見解を示した。
著者
田原 洋樹
出版者
立命館アジア太平洋研究センター
雑誌
APU言語研究論叢 (ISSN:24321370)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.10, 2017 (Released:2022-03-23)
参考文献数
8

ベトナム語には、比較言語学上で語族が異なるフランス語を起源とする語彙群がある。その数は、フランス植民地時代に入ってきた語、さらにはフランスからの独立後に取り込んだ科学技術語彙を中心におおむね1000語と考えられている。戦中戦後の社会変化や世界『英語化』の流れの中で、フランス語起源語を取り巻く環境は激変して、消滅した語もある。 本稿では、旧ベトナム共和国時代の言語動態を記憶する人々へのインタビューと、印刷物の分析によってフランス語起源語を抽出してリスト化し、使用環境や用法を考察した。
著者
中川 裕 佐野 洋 鈴木 玲子 降幡 正志 上田 広美 匹田 剛 望月 源 田原 洋樹 原 真由子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

聴覚・音響音声学的な事実と音韻論的構造との相互関係を理解するために、広範囲の言語事例を使い、言語横断的比較の手法を用いながら、聴覚実験や音響分析によって新知見をもたらした。さらにその新知見を音韻構造との関連で解釈した。解釈の過程で、音韻素性理論に聴覚・音響的特性をどう位置づけるかという理論的問題を探求するための、多くの具体的手がかりを得ることができた。それと同時に、このプロジェクトで蓄積した、聴覚音声学的な新手法と新知見を用いて、言語学習の過程における第2言語(L2)の発音の諸問題に取り組み、実り多い議論を発展させることができた。
著者
田原 洋樹
出版者
立命館アジア太平洋研究センター
雑誌
APU言語研究論叢 (ISSN:24321370)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.62, 2016 (Released:2022-03-23)
参考文献数
5

いわゆる『ベトナム戦争』は 1975 年 4 月に終結し、その後に南北統一国家としてのベトナム社会主義共和国が成立した。終戦、そして統一国家成立の一方で、ベトナム南部にあったベトナム共和国が消滅した。 このベトナム共和国で行われていたベトナム語と、現在のベトナム社会主義共和国のベトナム語には、語彙選択や「好ましいとされる話法」、および正書法に差異が認められる。 本稿は、主としてアメリカ・南カリフォルニアに居住するベトナム系住民の言語生活を観察することで得られた、旧ベトナム共和国のベトナム語『動態』について、わけても語彙レベルの考察を試みたものである。
著者
田原 洋樹
出版者
日本地域政策学会
雑誌
日本地域政策研究 (ISSN:13485539)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.84-93, 2021-03-31 (Released:2022-02-25)
参考文献数
27

The exodus from suburban urban areas is mainly due to the declining birthrate and an aging population, along with the outflow of young people to urban areas and large suburban commercial facilities. The situation is becoming increasingly serious due to environmental changes. Against this background, it is important to develop communities, preserve landscapes, and maintain local communities. Attention must be focused on place attachment as a psychological factor that has an important effect to this end. On the other hand, research on how place attachment is cultivated is still scarce, and thus, it is hard to say if it has been sufficiently verified. Therefore, in this study, the brewing process will be examined, focusing on “consumption behavior” in daily life as shown in the survey results. It is clear that the more people are in contact with the community, the greater is their attachment to the community.