著者
青木 拓也
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.40-44, 2015 (Released:2015-03-27)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

プライマリ・ケアの質を評価する重要性は一層高まっており, 海外ではプライマリ・ケアの原理およびタスクに関する質指標が, 政策決定や医療提供者の質向上等に活用されている. 中でもプライマリ・ケアの原理を評価する上で, 患者中心性は重要な概念であり, 欧米では質評価尺度を用いた患者経験調査が実施されている. 残念ながら, 我が国での質評価に関する実効的な取り組みは現状では乏しいが, 先行研究によれば, 我が国で重要なプライマリ・ケアの原理は, 近接性, 包括性, 協調性, 時間的継続性, 良好な患者医師関係 (対人的継続性) , 地域志向性, 家族志向性と考えられる. 今後患者中心性を始め, 有効性や患者安全等, 複数の側面からの評価を通し, プライマリ・ケアの質的整備を推進していく必要がある.
著者
青木 拓也 廣江 圭史 鈴木 暁 平賀 篤 上出 直人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0934, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】脳卒中のリハビリテーションにおいて,患者教育は科学的にも意義が認められている(日本脳卒中学会,2015)。実際,脳卒中患者に対して教育的介入を行うことで,患者の生活の質が向上することが認められている(Karla, et al., 2004)。しかし,脳卒中患者に対する教育的介入の方法論は明確にされていない点がある。本研究の目的は,脳卒中患者に対する教育的介入の具体的方法論を構築するための基礎情報を得るため,自宅退院前の脳卒中患者が抱く在宅生活への考えや不安について,質的研究手法を用いて明らかにすることとした。【方法】対象は,回復期病棟入院中の脳卒中患者男性5名,女性4名とした。自宅退院直前に,自宅退院に際して抱いている生活への考え方や不安について半構造化面接を行い,面接内容をICレコーダーで録音した。録音内容は逐語録としてテキスト化しテキストマイニングを行った。具体的な方法として,まず分析用ソフトウェアKH coderにてテキストを単語に分解し,各単語の出現頻度を分析した。次に,各単語の出現頻度から階層的クラスター分析を行い,単語をクラスターに分類した。クラスターに分類した単語について,その単語が含まれる文脈からクラスターの名称と内容を,共同研究者と協議しながら決定した。なお,患者が抱く不安や考えには,性差が生じる可能性が高いため,分析は男女別に実施した。さらに,患者の基礎情報として,Function Independence Measure(FIM)を調査した。【結果】対象者の年齢は男性65.2±13.2歳,女性60.3±16.3歳,調査時FIMは男性118.8±12.9点,女性114.0±14.2点であった。クラスター分析の結果から,在宅生活への考え方や不安について,男性では「退院後の社会復帰に対する不安」,「退院後の生活習慣の見直し」,「障がいとともに生活をしていくという心構え」,「活動範囲の拡大への不安」,「入院生活からの解放感」,の5つのクラスターが得られた。一方女性では,「家族の協力に対する不安」,「入院生活からの解放感と不安」,「活動範囲の拡大への不安」,「食習慣の見直し」,の4つのクラスターが得られた。【結論】男女共通の考えや不安として,制限された入院生活から解放されることへの期待感や活動範囲が病院内から院外へ広がることへの不安が認められた。男性固有の考えや不安としては,社会復帰へは不安を持つ一方で,生活習慣の見直しや生活の心構えなど,前向きな考えを持つことが認められた。一方女性では,家族の協力に対する不安や食生活などの生活変化による自覚と不安など,これからの生活への不安を男性よりも抱えていた。脳卒中患者への教育介入では,患者が抱く生活への不安や考えを明確化したうえで,それらに応じた内容を実施することが重要である。
著者
青木 拓也
出版者
医療の質・安全学会
雑誌
医療の質・安全学会誌 (ISSN:18813658)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.393-398, 2022 (Released:2022-12-28)
参考文献数
31

Patient Experience(PX)は,医療サービスに関する患者の具体的な「経験」を意味する概念であり,Patient Satisfaction(PS)の進化形として,国際的に重要な医療の質指標に位置付けられている.PXの意義に関しては,すでに国内外で多くのエビデンスの蓄積があり,PXが,技術的な医療の質指標と正の関連を示すことに加え,アドヒアランス,セルフマネジメント,受療行動といった患者行動などにも影響を及ぼすことが報告されている.行政機関主導でPXの活用を推進する諸外国と比較し,日本のPX評価の取り組みは,これまで大きく遅れをとっていたが,近年日本でもPX尺度の開発研究やPXを用いた実証研究が活発化しつつある.今後日本でも,医療の質向上のため,幅広い領域かつ臨床・教育・研究の各方面で,PXの評価・活用を推進する必要がある.
著者
茂渡 悠介 酒井 幹夫 水谷 慎 青木 拓也 斉藤 拓巳
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.681-688, 2011-03-15 (Released:2011-06-15)
参考文献数
11
被引用文献数
3 3

Numerical approaches of the solid-liquid flows were not established so far. This is because the modeling of free surface and solid phase was difficult, furthermore the calculation cost might become excessive. In the present study, a new method is developed to simulate the solid-liquid flows involving the free surface. In this method, the solid-liquid flows were computed by combining the Discrete Element Method (DEM) and the Moving Particle Semi-implicit (MPS) method. This is called the DEM-MPS method. In the present study, the validation of the DEM-MPS method was performed in a solid-liquid flow involving free surface in a rotating tank. The angle of repose and solid distribution were compared between the simulations and experiments. The simulation results were in good agreement with those obtained by the experiment.