著者
尾高 慎二 神田 佑亮 西ノ原 真志 飯野 公央 谷口 守
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_753-I_760, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
15
被引用文献数
2

松江都市圏では,平成19年度から職場モビリティ・マネジメント(MM)を5年間継続的に実施してきている.また,平成21年度からは市民全体の取り組みとして「ノーマイカーウィーク」へと発展させてMMを展開している.本稿では,職場MMの継続効果として,交通現象面へ与える集計的効果,「まつエコ宣言(職場交通プラン)」策定による意識・行動変容に与える効果,取り組みの継続・定着状況によるまちづくり意識へ及ぼす効果の3つの観点から職場MMの継続実施効果を明らかとするものである.これらの結果,ノーマイカーウィーク実施中のみならず,通常時の交通量も減少すること,まつエコ宣言によりノーマイカーへの取り組みが活性化されること,取り組みの継続意向の高さや定着により,まちづくり意識に影響があることを示唆している.
著者
飯野 公央
出版者
島根大学
雑誌
経済科学論集 (ISSN:03877310)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.51-63, 2002-03-31

デフレの深刻化とともに、職を失う人が急速に増えている。総務省によれば、2001年7月に完全失業率(季節調整値)が5%を超え、10月には5,4%と過去最悪の水準を更新した。さらに、グローバル化による産業の空洞化、不良債権処理の本格化と過剰債務を抱えた企業の破綻、情報技術(IT)不況など、変化の荒波が雇用の基盤を突き崩し、人員整理の波は幅広い業種に及んでいる。本格的な高失業時代の到来を前に、日本中が雇用不安に怯えている。13;政府は雇用情勢の悪化に対応するため、(1)規制改革を柱とする雇用創出(受け皿整備)、(2)求人と求職者の条件のずれから生じる雇用のミスマッチの解消、(3)セーフティーネット(安全網)の整備等からなる「総合雇用対策」決めた。しかし、内容的に即効性はあまり期待できず、企業や労働団体の一部からは、ワークシェアリング(仕事の分かち合い)で当面をしのぐことが具体的に議論されはじめている。13;ところで、雇用状況の悪化は、地方部ではさらに深刻な状況となっている。山陰地方でも建設関連や縫製業を中心に大型倒産が相次ぎ、しかも、受け皿として期待されていたIT産業もアメリカのIT不況の影響からその機能を果たし得なくなっている。2001年10月の島根県の有効求人倍率はO,68と過去最低を記録し、今後、小泉政権の構造改革が進めば、地方の「痛み」はさらに拡大し、地域経済の底割れや地域社会の崩壊すら現実のものとなりかねない。13;そこで本稿では、このような状況の下で急速に悪化を続けている島根県の雇用状況を概観するとともに、小泉構造改革の推進が、今後の島根の雇用状況にいかなる影響を与えようとしているのかについて検討する。
著者
飯野 公央
出版者
島根大学法文学部
雑誌
経済科学論集 (ISSN:03877310)
巻号頁・発行日
no.27, pp.119-131, 2001-03

世界中で急速に拡大した。日本においても北海道栗山町の「クリン」、滋賀県草津市の「おうみ」、愛媛県関前村の「だんだん」なと全国40カ所を越える地域で(実験的)導入あるいは導入が検討されている。そして島根県松江市でも2000年7月末から地域通貨、まつえ『だがぁ』の運用が開始されている。13; そこで本稿では運用開始後5ヶ月を経たまつえ『だがぁ』倶楽部の活動を紹介しながら、地域通貨の課題と可能性について考えてみたい。