著者
沼尻 了俊 宮川 愛由 神田 佑亮 中尾 聡史 藤井 聡
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.141-151, 2015 (Released:2015-12-27)

In elections, the nation is required to judge candidates or parties which have the ability to lead the country or regions toward a good direction. However, in some elections, it seems that the factors extraneous to the ability, such as name value or popularity, have enormous influence to the support attitude or voting behaviour. This study performed questionnaire survey in Sakai city, Osaka prefecture in order to examine the effect of the media which serves information regarding elections to people. As a result, positive correlations has been shown between the contact tendency of media and TV programs which emphasise atmosphere or image and the positive attitude towards candidates or parties. The contact tendency is stronger in Japan Restoration Party, Osaka Restoration Association, and other related candidates.
著者
田中 皓介 神田 佑亮 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集H(教育) (ISSN:18847781)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.39-57, 2015 (Released:2015-06-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1

現在および将来の日本のために行われる公共事業をはじめとした公共政策を,適切に計画・実施するためには,社会についての適正な現状認識が不可欠である.一方で,政策決定に大きな影響力をもつ国民世論は,教育の影響を受けることが想定される.そのため,適切な事業の円滑な実施に向け,教育の現状を明らかにすることに意義があろう.そうした認識のもと本研究では,日本の現状を巡る認識について,現代社会についての見方や考え方の基礎を養うことを目的とする中学校公民の教科書を対象に,関連する記述を網羅的に抽出し,既存の文献を参考にしつつ,その内容について考察を行った.分析の結果,公共事業に関し,直接的に印象的かつネガティブな内容が掲載されている点,財政についての知識教育が現実と乖離している点などの問題が明らかとなった.
著者
大室 ひな 神田 佑亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_835-I_845, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
9

我が国の航空政策は1980年代から規制緩和として運賃設定の自由化等が進められてきた.2000年以降はLCCと呼ばれる新規航空会社の参入等が積極的に進められてきたが,その影響を定量的に評価した研究は少なく,特に2000年以降の影響は明らかとなっていない.本研究では2000年までの影響を評価した既往の研究をベースに,2000年以降の規制緩和の影響について,レガシーキャリアのネットワーク,正規運賃,路線距離と運賃の関係,モデル分析による実効運賃水準の時系列変化等に着眼点し,航空会社の収益状況 とあわせて定量的に分析することを目的とする.分析の結果,2000年以降,レガシーキャリアの正規運賃の上昇,地方路線網の衰退などの負の影響が明らかとなった.また,正規運賃の上昇に反し,実効運賃水準の上昇が確認されない結果も得られた.
著者
田中 皓介 神田 佑亮 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_373-I_379, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
9
被引用文献数
3 5

先の東日本大震災からの復興や,高い確率でその到来が予測されている首都直下型地震及び東海・東南海地震等に対する防災・減災の観点からしても,公共事業の重要性は近年一層高まっていると考えられる.そうした公共事業の実施に当たっては,国民世論並びにそうした世論形成に影響を及ぼし得るメディアの報道が重要であるといえる.ところがそうした主要なメディアの一つである新聞の報道が公共事業に対し批判的な傾向であることが示唆されている.ついては本研究では,大手新聞社の公共事業に対する批判的な報道の傾向を分析し,その背景について考察を加えることとした.
著者
中村 陸哉 神田 佑亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.II_241-II_251, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
12

COVID-19の感染拡大による外出自粛に伴い,移動需要が急激に低下している.我が国の公共交通業界は収入が大きく落ち込み,公共交通サービスの提供の継続が困難な状況に直面している.公共交通の受けた影響の規模を把握するために,経営状況への影響度を多面的に把握する必要がある.本研究では,全国の上場交通事業者が開示する決算資料を集計し,営業収益や営業利益・損失の推移,雇用調整助成金の受取状況を分析した.その結果,交通事業者の危機的状況は加速しており,赤字・減収に対する支援も不十分であることが示された.
著者
田中 皓介 稲垣 具志 岩田 圭佑 大西 正光 神田 佑亮 紀伊 雅敦 栗原 剛 小池 淳司 佐々木 邦明 佐々木 葉 Schmöcker Jan-Dirk 白水 靖郎 泊 尚志 兵藤 哲朗 藤井 聡 藤原 章正 松田 曜子 松永 千晶 松本 浩和 吉田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.129-140, 2021 (Released:2021-06-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2

本稿ではCOVID-19の蔓延および政府からの社会経済活動自粛要請に伴う,人々の意識行動への影響を把握することを目的にWebアンケート調査を行った.その結果,感染・死亡リスクを,現実の数倍~数千倍過大に評価している様子が明らかとなった.また,接触感染対策として効果的な「目鼻口を触らない」の徹底度合いが他の対策に比べて低く,周知活動の問題点を指摘した.さらに,緊急事態宣言に対する65%以上の支持率や,「家にいる」ことについて,「ストレス」を感じる以上に「楽しい」と感じる人が多いこと,行動決定のために参考にするのはキャスターや評論家や政治家よりも「専門家の意見」の影響が大きいことなどが明らかとなった.
著者
神田 佑亮 松村 暢彦 藤原 章正
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.463-468, 2010-10-25
参考文献数
5
被引用文献数
3 1

本稿では新エネルギー整備基金の確保を目的とした環境地域通貨流通スキームの構築と併せて、市民を対象としたMMを連携して実施し、環境、まちづくり、交通行動面での効果を評価した。環境地域通貨は、市内の加盟店舗で利用可能なクーポン券であり、新エネルギー発電施設整備基金の確保と市民の割引サービス、地元商店街活性化の両立を目指している。このスキームと市民を対象に適度なクルマ利用を促すモビリティマネジメントを連携して実施した。運用開始後3ヶ月で約130冊の環境地域通貨が流通し、総額の約3割の利用があった。地域活性化の面では、大規模店舗から地域の中小店舗への来訪意図の変容や、購入した店舗とは別の店舗を訪れ利用するといった回遊効果が確認された。交通行動の変容効果の観点では、環境地域通貨を利用した買い物により、買い物時の交通手段も自動車から徒歩や自転車等に転換する意図が見られた。環境面では、MMとの連携実施によりCO2削減効果に相乗効果が見られることが確認された。これらの結果から、両立が難しいと考えられる低炭素まちづくりと地域活性化の共存可能性について1つの方向性が示された。
著者
田中 皓介 神田 佑亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_1-I_7, 2013
被引用文献数
2

公共事業は,良質な生活空間や,自然災害に対して安心・安全な国土の構築に大きく寄与している.ところが近年,公共事業に対するネガティブなイメージが流布され,公共事業に対する批判的な雰囲気の中で,国民の支持が得られにくい状況に追い込まれ,事業の遅延や中止,予算削減に直面している.そこで本研究では,そうしたネガティブイメージの是正に資することを目的とし人々の抱くイメージについての追跡調査を行った.特に,2012年12月には,笹子トンネルでの崩落事故や,第46回衆院総選挙など,公共事業に直接・間接に関わる重大な出来事があった.こうした出来事の半年前の6月下旬,および直後の12月下旬において,公共事業に係る言葉に対するイメージについての追跡調査を行い,その変遷を分析した.
著者
伊藤 昌毅 諸星 賢治 太田 恒平 森山 昌幸 神田 佑亮 藤原 章正
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.I_1465-I_1475, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
15

2018 年に発生した西日本豪雨の被災地では多くの道路や鉄道が寸断され,住民や訪問者の移動に困難が生じた.バスや鉄道などは運行を確保にできる限りの手を尽くしたが,Web や乗換案内アプリケーションでは正確な案内が出来ておらず,公共交通の利用は困難であった.本論文では,災害時に公共交通情報を地域住民や訪問者に届ける方法を論じ,西日本豪雨における実践を通じて有効性を示す.情報を一箇所に集約することは災害時には現実的ではないため,それぞれの交通事業者が出来る範囲で情報発信を行い,乗換案内などからリンクを張るという自律分散的な情報提供を実現した.時刻表通りの運行が困難な状況で役に立つバス運行実績情報や代行バスの位置情報といったリアルタイム情報を提案手法でまとめ,総合的な交通情報の把握を可能にした.
著者
夏山 英樹 神田 佑亮 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F5(土木技術者実践) (ISSN:21856613)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.14-26, 2013 (Released:2013-06-20)
参考文献数
16
被引用文献数
5

現在日本では,地域主権改革の名の下,地方出先機関原則廃止の流れが存在している.また,民主党が掲げる「コンクリートから人へ」のスローガンにより,公共事業は縮小傾向にあり,それに伴い地方建設業もまた縮小傾向にある.しかし,先に起きた東日本大震災で復旧活動を主導したのは,今まさに廃止が論じられている地方整備局であり,その活動の先頭にいたのは地元建設業者である.本研究では,関係資料や関係者の証言に基づき,特に地方建設業に着目し,発災直後の対応として行った「くしの歯」作戦や関連する道路啓開・復旧作業の全容を改めて物語描写し,その物語描写に基づき,地方整備局を中心とした地方建設業界の防災対応力に関する基礎的な知見,ならびに,今後の防災対応を踏まえた行政制度設計に資する基礎的な知見を得ることを目的とする.
著者
尾高 慎二 神田 佑亮 西ノ原 真志 飯野 公央 谷口 守
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_753-I_760, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
15
被引用文献数
2

松江都市圏では,平成19年度から職場モビリティ・マネジメント(MM)を5年間継続的に実施してきている.また,平成21年度からは市民全体の取り組みとして「ノーマイカーウィーク」へと発展させてMMを展開している.本稿では,職場MMの継続効果として,交通現象面へ与える集計的効果,「まつエコ宣言(職場交通プラン)」策定による意識・行動変容に与える効果,取り組みの継続・定着状況によるまちづくり意識へ及ぼす効果の3つの観点から職場MMの継続実施効果を明らかとするものである.これらの結果,ノーマイカーウィーク実施中のみならず,通常時の交通量も減少すること,まつエコ宣言によりノーマイカーへの取り組みが活性化されること,取り組みの継続意向の高さや定着により,まちづくり意識に影響があることを示唆している.
著者
相知 敏行 山中 英生 北澗 弘康 神田 佑亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_909-I_916, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
11
被引用文献数
5

自転車通行環境整備モデル地区等の整備が進む中で,自転車サインには多様な試みが見られるが,走行する自転車からの視認性への配慮が十分とは言えない状況にある.本研究では,走行中に計測が可能なアイマークレコーダーを用いて自転車運転中の多様なサインに対する注視特性を分析し,効果的な自転車通行空間でのサインの使い方を検討した.この結果,サイン種別毎の注視分析から,架空看板は注視している距離が長く,遠方からのみ注視されるため,交差点部での設置に適しており,看板柱は遠方で気づき,近くで内容を把握していることから文節部の設置に,路面表示は注視距離が近づくにつれて注視される割合が高くなり,視認性が比較的良好であり,路線内の連続設置が効果的であることが分かった.
著者
夏山 英樹 神田 佑亮 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.14-32, 2014 (Released:2014-10-20)
参考文献数
31

我が国では地域主権改革の名の下,地方出先機関原則廃止の流れや,「コンクリートから人へ」のスローガンにより,公共事業は最近まで著しい縮小傾向が続き,それに伴い地方建設業もまた縮小傾向にさらされた.しかし東日本大震災で復旧活動を主導したのは,まさに廃止が論じられている地方整備局であり,その活動の先頭にいたのは地元建設業者である.本研究では関係資料や関係者の証言に基づき,特に国土交通省の地方支分部局の1つである地方整備局に着目し,発災直後の対応として全国の地方整備局が被災地へ派遣したTEC-FORCEやリエゾンの活動を物語描写し,それに基づき地方整備局を中心とした地方建設業界の防災対応力に関する基礎的な知見,並びに今後の防災対応を踏まえた行政制度設計に資する基礎的な知見を得ることを目的とする.