著者
勝又 壮太郎 西本 章宏 ウィラワン・ドニ・ダハナ 飯野 純彦 井上 哲浩
出版者
日本マーケティング・サイエンス学会
雑誌
マーケティング・サイエンス (ISSN:21874220)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.26-52, 2016 (Released:2017-03-06)

本稿では,イノベーション普及理論に関するマーケティング分野のこれまでの進展と今後の展望について論じていく。とくに本稿では以下の 2 点を考慮する。第 1 は,マーケティング周辺分野のイノベーション普及研究について客観的かつ包括的なレビューを行うことを目指す点である。これまでのレビュー手法だけでなく,計量書誌学アプローチを導入し,計量的に論文を分類・分析していく。ただし,分析結果から得られた研究動向については,個別の論文や雑誌を取り上げ,具体的な議論を行っていく。第 2 は,得られた分類の結果を活用し,本誌にこれまで掲載された論文との関係を検討する点である。そして,日本におけるイノベーション普及研究のこれまでの成果と,今後の展開について議論していく。
著者
飯野 純彦
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.124-140, 2015-03-31 (Released:2020-05-26)
参考文献数
44

陳列された商品が多すぎるために,消費者が購買を延期したり,妥協選択を行うという傾向が見られる昨今,本稿では制御焦点理論を用いて,新たな妥協効果の軽減要因を提案する。近年,妥協効果の軽減要因として,タイムプレッシャーや決定延期オプションの存在などが見出されているが,今回,歯磨き粉と洗濯用粉末洗剤を対象に調査した結果,促進焦点に動機づけられた消費者には促進型カテゴリカル属性をシグナルし,予防焦点に動機づけられた消費者には予防型カテゴリカル属性をシグナルすることで,妥協効果が軽減されることが明らかとなった。