- 著者
-
馬上 謙一
- 出版者
- 一般社団法人 日本質量分析学会
- 雑誌
- Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.5, pp.219-221, 2016-10-01 (Released:2016-10-15)
- 参考文献数
- 6
北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門地球惑星システム科学分野地球化学研究グループでは,太陽系の起源と進化の解明を目指しています.そのため,光学顕微鏡,電子顕微鏡,X線分光法,質量分析法などの手法を駆使して,地球内外の物質を正確に分析し,解析しています.この結果,全く新しい惑星や太陽系の起源や生い立ちが詳しくわかってきました.また,地球内外物質からこれまで読み取られていなかった全く新しい情報を獲得するため,物質を解析する新しい方法(分析法,解析装置,合成装置)の設計・開発も同時に行っています.また,これら一連の研究の中に,現在まで認知されていない自然法則や現象が潜んでいて,それを発見できれば一層楽しいと考えています.現在筆者が使用している質量分析装置は非常に小さな領域(μmからnmスケール)の希ガス同位体を測定するためのスパッタ中性粒子質量分析装置(Sputtered Neutral Mass Spectrometer; SNMS)です.この装置の開発の経緯やどのような分析ができるのかを紹介させていただきます.