著者
久保田 真美 高山 成子
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
no.18, pp.23-35, 2017-03

This study sought to better understand the daily lives of elderly with dementia living alone by illuminating their daily life experiences and thoughts through interviews with the elderly and, furthermore, by illuminating the dangers and issues ssociated with living alone through interviews with care support specialists. Qualitative and inductive analyses were conducted of semi-structured interviews with 6 elderly persons and six of their respective care support specialists. Results showed that elderly with dementia had "a strong desire to continue living alone as themselves" and that those feelings were buoyed by "pride on past self-sufficiency" and "appreciation of the people supporting me." In their daily lives, they "were aware of their memory loss, but have a positive outlook" and "despite bitter experiences, devise ways to work around them". Nevertheless, though rarely admitted by the elderly themselves, daily-life dangers such as "seen as a fire hazard by those around them" and "responsive, rather than preventative medication management due to low awareness of danger (by both elderly people and their caregivers)," were observed.本研究の目的は、独居生活をしている認知症高齢者への面接によって、彼らの日々の体験と思いを明らかにし、さらに彼らを支援する介護支援専門員の面接によって独居生活における危険の問題を明らかにすることである。6人の認知症高齢者と彼らの担当介護支援専門員6名に半構成的面接を行い、質的帰納的に分析をした。その結果、認知症高齢者は【自分らしくありたいという独居継続への強い意志】を持っており、それは、【過去の人生の誇りに支えられた自律意識】と【自分を支えてくれている人達への感謝の思い】で支えられていた。彼らは日々の生活の中で【もの忘れを自覚しながら、前向きな姿勢】を保ち、【苦い体験をしながら生活の工夫を取り入れ】ていた。その一方で、本人はあまり言わないが、【周囲が危機感を感じている火の不始末】や【(両方の)危険意識が少なく、問題発覚後に対応している内服管理】という、危機をはらむ生活上の問題がみられた。
著者
高山 成子 水谷 信子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.46-55, 2001-08-31
被引用文献数
5 1

本研究の目的は中等度・重度痴呆症高齢者に残された現実認識の力を明らかにすることである. 65才以上のアルツハイマー型痴呆症高齢者5名を対象に, 研究者が生活の場でケアしながら対話した言葉を, 質的・帰納的方法で分析した.<BR>その結果, 彼らは「照れ笑い」「言い訳, 言い繕う」「自己決定する」と他者に気持ちや感情を表現する力と,「大笑いする」「繰り返し聞き返す」「気遣いをする」「口調を変えて主張する」「行動をリードする」と他者に働きかけて関係を作ろうとする力を示した.残された現実認識の力を示す中心的な概念は彼らが「他者を認識し,他者との相互作用がある」であった.<BR>本研究で明らかにされた痴呆症高齢者に残された力は, 看護者が痴呆症高齢者の残された力に眼を向けるための指標となり, また彼等の力を維持するための助けとなるかもしれない.
著者
高山 成子 菊池 美香 半田 陽子 磯見 智恵 麻生 佳愛 吉川 日和子 高柳 智子
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

4〜8月に、倉敷市の老人保健施設で、入浴拒否4事例、俳徊2事例、収集癖2事例を調査した。その結果、累積事例は、入浴拒否13、俳徊10、収集癖7で、総計30となり、目標であった各問題行動別8事例、延べ24事例を達成できた。分析結果は以下のとおりである。1.入浴調査:(1)拒否の理由は、数回の調査によってほぼ同一で、本人にとり意味のある理由と考えられた。(2)軽度認知症は風邪等納得できる理由、中等度は失見当識による「金がない」等の理由であった。(3)攻撃性は80%が「脱衣時」「お湯をかけられた」で起こっていた。(4)脱衣時の攻撃性は、無理に引っ張る、脱がせるで生じていた。2.徘徊調査:(1)俳徊目的は4タイプに分類され、各人2〜5タイプを有し、バラエテイに富む生活の現われと考えられた。(2)俳徊時の気持は肯定的と否定的があり、介入の必要性の判断として有効であった。(3)「集中する」「精神的安寧をもつ」「他者と関わる」「生理的欲求を満たす」で俳徊を中止した。3.収集癖調査:(1)収集物品は「今の生活に必要な」「大事なもの」であった。(2)物品の所有認識は、認知症重傷度と関連していた。(3)物品管理は「自分で保管できる場所」で、認知症が重度になるにつれ身近となっていた。(4)返却は、納得すれば返し、無理に取られそうになると興奮していた。分析結果を、9月に第36回日本看護学会で2題(入浴、収集癖)、国際アルツハイマー協会国際会議2題(入浴、俳徊)発表した。また、本学学術雑誌に、2論文(俳徊、収集癖)投稿した。本研究最終目標は、分析結果より介入方法を策定し、実践的介入を行なうことであった。が、分析過程で、認知症レペルによる違いがあるなどで調査事例追加が必要であったこと、介入方法は、十分な分析が必要であったことにより、計画を変更した。結果として、2月に研究代表者が入浴1事例に対し、1回目部分的介入、2回目研究代表者のみの介入を実施した。