著者
本間 行彦 高岡 和夫 與澤 宏一 片岡 是充 後藤 壮一郎 千丈 雅徳 水島 宣昭 辻 和之 今井 純生 水谷 保幸 角谷 憲史 恩田 芳和 新井田 榮路 新井 慎治 根岸 利幸 越前屋 幸平 藤田 克裕 宮本 光明 小関 利行
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.245-252, 1996-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

かぜ症候群に対する麻黄附子細辛湯 (株) ツムラ, TJ-127) の有用性を検討するため, 封筒法による総合感冒薬との比較試験を行った。対象はTJ-127群83例, 総合感冒薬群88例で, 性, 年齢, 発病から投薬までの期間など, 両群の背景因子に有意差はみられなかった。結果として, 全般改善度では, TJ-127群は中等度改善以上が81.9%であり,一方総合感冒薬群は60.3%であった (P<0.01)。また, 患者に各種症状の経過をかぜ日記として記載してもらい, それらを検討した結果, 発熱, 熱感, 全身倦怠感, せき・たんの各症状において, TJ-127群の方が総合感冒薬群より有意に短期間に消失することが認められた。安全性においてもTJ-127群に問題となるものは認められなかった。以上の成績から, TJ-127はかぜ症候群の治療に有用な薬剤と考えられた。
著者
渋谷 節子 斉藤 巌 菊池 浩光 高岡 和夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.55-65, 2006-01-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
19

われわれは1991年以降, 末期癌告知や余命告知後に失意や無力感に陥った癌患者に対して, 心理的介入として受容的なカウンセリングとサイモントンのイメージ療法にバイオフィードバック法を併用した.これまでイメージ療法を行った36名のアンケート調査では, イメージ療法の効果について, 「心身とも楽になった」23名(63.9%), 「症状が軽減した」17名(47.2%), 「生きる希望をもった」16名(44.4%), また治療意欲では, 「期待ができるので続けたい」18名(50%), 「積極的に治療したい」18名(50%)などの結果が得られた.心理テストでは17名のうち13名(76.5%)に抑うつが認められたが, イメージ療法後ではこのうち11名(84.6%)に抑うつの改善が得られた.これらの結果から, イメージ療法は末期癌患者に対する心理的介入として有効であることが示唆された.また, これらの療法が著効し, 癌性骨髄症から回復した末期癌患者についても併せて報告する.
著者
井藤 達也 高岡 和夫 竹本 功 秦 温信 井上 勝一 佐々木 健太郎 平野 剛 井関 健 菅原 満 宮崎 勝巳
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.47-52, 2002-03-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
13

The purpose of this study was to evaluate the distribution of CPT-11 and its active metabolite, SN-38, in pleural and pericardial fluid after intravenous administration.Two patients with lung cancer were treated with intravenous CPT-11 (60 mg/m2) on days 1, 8, and 15. The CPT-11 was detected in the pleural fluid 1.5 hr after the begining of intravenous infusion, and the level reached the maximum 24 hrs later. Similarly, the active metabolite SN-38 was detected in the pleural fluid 1.5 hr after the begining of intravenous infusion, and SN-38 concentration in the pleural fluid was almost as high as that in plasma 24 hrs later. These results suggest that intravenously administered CPT-11 may penetrate the thoracic cavity and may be metabolized to SN-38 there. The proportions of maximum concentrations of CPT-11 and SN-38 in the pleural fluid to the corresponding plasma levels were 20.4% and 28.5%, respectively. In addition, the AUCs of the lactone form SN-38 were much lower than those of the carboxyl form in the pleural fluid.CPT-11, SN-38 and SN-38 glucronide showed similar pharmacokinetics in the pericardium as that in plasma.