著者
CHO Heeryon 稲葉 利江子 石田 亨 高崎 俊之 森 由美子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.110, pp.1-8, 2006-10-25
被引用文献数
3

絵文字メッセージをやり取りして人間同士が意思疎通するには,コミュニケーションに参加している人間たちが同じ絵文字解釈(意味理解)を持たなければならない.絵文字コミュニケーションシステムの潜在利用者である日本と米国の子供たちが,同じ絵文字解釈を持つかを調べるために,システムで利用される120個の絵文字の意味を問うアンケート調査を行った.結果,ジェスチャー,色と性別,時間,空間,馴染みのもの,顔/表情の六つの領域に関係する19個の絵文字に対して,両国の子供が異なる解釈を持つことが分った.ここでは,多様な解釈を持つ絵文字を,絵文字コミュニケーションシステムでうまく利用するための方法として,絵文字の解釈語リストと頻度情報を利用し,たくさんの絵文字の中から検索語に関連する絵文字を検索する方法を提案する.提案手法は,絵文字の意味的なあいまい性を考慮した検索を実現し,文化的な解釈の差を扱う検索システムの土台となる.In order to establish mutual understanding during pictogram communication, humans exchanging pictogram messages must share common interpretation of pictograms that compose pictogram messages. Interpretations of pictograms may vary, however, according to individuals and sometimes according to culture. Through a comparative analysis of U.S.-Japan pictogram survey result on 120 community-created pictograms, we found that differences in interpretation exist between two countries on 19 pictograms with regard to gesture, color and gender, time, space, familiar things, and facial expressions. We address the retrieval of semantically ambiguous pictograms by proposing a pictogram retrieval method that utilizes interpretation words and their frequencies collected from the pictogram survey. Solving semantic ambiguity in retrieval is necessary prior to solving cultural ambiguity in retrieval.
著者
CHO Heeryon 稲葉 利江子 石田 亨 高崎 俊之 森 由美子
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.110(2006-ICS-145), pp.1-8, 2006-10-25

絵文字メッセージをやり取りして人間同士が意思疎通するには,コミュニケーションに参加している人間たちが同じ絵文字解釈(意味理解)を持たなければならない.絵文字コミュニケーションシステムの潜在利用者である日本と米国の子供たちが,同じ絵文字解釈を持つかを調べるために,システムで利用される120個の絵文字の意味を問うアンケート調査を行った.結果,ジェスチャー,色と性別,時間,空間,馴染みのもの,顔/表情の六つの領域に関係する19個の絵文字に対して,両国の子供が異なる解釈を持つことが分った.ここでは,多様な解釈を持つ絵文字を,絵文字コミュニケーションシステムでうまく利用するための方法として,絵文字の解釈語リストと頻度情報を利用し,たくさんの絵文字の中から検索語に関連する絵文字を検索する方法を提案する.提案手法は,絵文字の意味的なあいまい性を考慮した検索を実現し,文化的な解釈の差を扱う検索システムの土台となる.
著者
石田 憲幸 高崎 俊之 石松 昌展 石田 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.39-46, 2012-01-01

WikipediaはWeb上における有用な百科事典である.しかし,Wikipediaの記事数は言語によって大きく異なり,地域によってWikipediaを活用できる度合にも差が生じている.言語による知識の偏在を是正するために,Wikipedia記事を翻訳する活動がWikimedia財団とボランティアによって行われている.しかし,翻訳の際には,翻訳先言語に適した用語や表現を選択する必要があり,またそのためには,翻訳元言語の記事内容を十分に理解し翻訳を決定するための議論が必要である.この議論は,典型的には翻訳元言語と翻訳先言語を用いた2か国語(一般には多言語)による議論となる.その際,機械翻訳によって多言語の議論を支援することができるが,「翻訳されるべきでない部分まで翻訳される」「メッセージが往復することによって同一箇所が複数回翻訳される」といった問題が発生する.本論文ではそれらを解決する方法として,翻訳を行うべきでない部分の的確な選択と,その部分を説明する翻訳情報を付加するアルゴリズムを提案する.また,このアルゴリズムを実際にWikipediaの掲示板であるLiquidThreadsに実装し,効果の推定を行ったのでその結果を報告する.
著者
高崎 俊之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = THE JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFOMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.194-198, 2006-03-01
参考文献数
7
被引用文献数
3

世界の子供のための「つながり」を育むIT国際理解環境(Universal Playground)の構築を目指す研究開発型NPO活動を背景とし,絵文字を使って言語の違いを乗り越え,互いの文化を受容し合える国際コミュニケーションシステム「PictNet」が開発されている.これは,精密で最適な情報変換を目指した「多言語翻訳」ではなく,「Picton」と呼ばれる絵文字を用いた文化的独自性及び情報の冗長性を許容・促進する「互いの差異と類似の共有」というアプローチによるコミュニケーション支援手法である.
著者
稲葉 利江子 高崎 俊之 森 由美子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.640, pp.7-12, 2006-02-28

近年、多文化・多言語間でのコミュニケーションの重要性が注目されている。NPOパンゲアでは、世界の子供たちがインターネットを通して、言葉、文化、距離の違いを超えてつながりを感じられる環境を構築しようと、絵文字によりメッセージの交換ができる「コミュニケータ」の開発を行った。今回は、開発を行った「コミュニケータ」のユーザビリティ評価を小中学生を対象としたアクティビティの現場にて行った。そこで、子供たちのPCの利用率に関係なく使用できること、および、明らかとなった課題について報告する。