著者
加賀 豊仁 尾田 紀夫
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.48, pp.37-46, 2005-03
被引用文献数
1

栃木県では、大田原市羽田地内、大田原市滝岡地内、矢板市山田地内及び匿名のA生息地の4ヵ所の水路又は沼にミヤコタナゴの生息が確認されている。ミヤコタナゴ生息地の物理的、化学的環境は異なり、保全事業の実施にあたってもそれぞれの特性に応じた対応が必要である。羽田生息地は環境省により保護地に指定されているが、水源である羽田沼は周辺開発や飛来する水鳥の影響等により富栄養化が進み、底泥の堆積も顕著になっている。ミヤコタナゴ生息水路に流入する懸濁物質は緩流部を中心に堆積し、ミヤコタナゴ産卵母貝であるマツカサガイの生息域を減少させ、ミヤコタナゴの生息そのものを阻害する可能性がある。また、アンモニア態窒素をはじめとする栄養塩類は水生植物の植生変化を惹起し、水路形態の変化につながる可能性が推察される。本水域においては定期的な水質測定が実施されておらず、その現況把握とともに季節変化の把握によりミヤコタナゴ生息環境の保全を検討することが必要である。このため、水源の羽田沼流出部及び生息地水路の数地点において水質の流程変化及び季節変化を調査した。
著者
土居 隆秀
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.47, pp.111-117, 2004-03

本試験では、イワナ、ヤマメ、ニジマス成魚を対象にキャッチ&リリースを行った時の釣られ易さや死亡状況等に関する試験研究を実施し、魚種間におけるリリース後の生残性と釣獲状況について調査を行った。各魚種間で比較すると、単独の魚種に比べて混養区では死亡率が高まり、特にニジマスでは、2倍以上の死亡になることが分かった。イワナ、ヤマメでは、釣獲による一度の釣上げによる死亡率の増加が、またニジマスでは、未釣獲魚の大幅な減少(35%→4%)と釣獲を繰り返すことによる死亡数(率)の増加が確認された。キャッチ&リリース行為は、現実的に釣獲率を増加させるものであり、資源を維持するための有効な手段になりうると考えられた。
著者
武田 維倫 糟谷 浩一 福冨 則夫 土居 隆秀 室井 克己 加藤 公久 室根 昭弘 佐藤 達朗 花坂 泰治 長尾 桂#北村 章二
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.45, pp.3-12, 2002-03 (Released:2013-10-08)

栃木県中禅寺湖では、平成7年に密放流によると思われるコクチバス(Micropterus dolomieu) が県内で初めて確認された。本種は北米原産の肉食魚であり繁殖力が強く、さらには冷水域や河川にも生息可能であることから我が国の内水面漁業や在来種に悪影響を与える事が懸念されている。そこで本種の効果的な駆除方法を確立することを目的として、平成7年から平成12年の間、毎年4月から9月にかけて本種の生態調査と駆除方法の検討を行った。期間中に捕獲したコクチバスは96尾、確認した産卵床は46個であった。捕獲方法の内訳は水中銃で33尾、地曳網で31尾、巻網で22尾、釣りで9尾、刺網で1尾であった。また、実際に産卵が行われた産卵床は10個であった。年度毎にみると、捕獲尾数、産卵床確認数ともに平成8年が最も多かった(42尾、18個)が、平成12年には捕獲尾数1尾、確認された産卵床数1個のみとなり駆除の効果が表れているものと思われた。捕獲魚の胃内容物のうち最も多く確認されたのはヨシノボリ(Rhinogobius sp. )とスジエビ(Palaemon paucidens)であったが、漁業対象種であるヒメマス(Oncorhynchus nerka)及びホンマス(Oncorhynchus sp. )の稚魚も発見された。コクチバス及びその産卵床は水温が12℃以上になる5月下旬から確認され始め、産卵床は水深1.3~4mの範囲で付近に障害物のある遠浅の砂礫地につくられる例が多かった。以上の結果から、中禅寺湖では水温12℃以上になる期間中に地曳網、巻網、水中銃を地形に合わせて使い分けて駆除を行うのが効果的であると考えられた。
著者
土居 隆秀
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.47, pp.84-89, 2004-03

本県在来の水産資源であるイワナ(ニッコウイワナ型)、ヤマメ、カジカについて、地域遺伝子の保存を考慮した増殖計画(人工種苗の放流水域の選定指針)を策定するために、在来個体群(地域遺伝子集団)の生息分布を調査した。利根川水系思川の各支流(北から順に粟野川、思川、永野川の主要3河川)について調査を行った。イワナの在来個体群の生息する可能性は極めて低く、まったく生息しないか、生息したとしても極めて狭い範囲に少数単位で隔離されている可能性のあることが想定された。ヤマメの在来個体群はいないものと考えられた。那珂川でのカジカの放流実績はなく、各河川に生息している個体は全て在来個体群であると推定された。

1 0 0 0 OA ウグイの養殖

著者
岩本 光一 叶木 彦治
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-16, 1983-01 (Released:2013-10-08)
著者
石嶋 久男
出版者
[栃木県水産試験場]
巻号頁・発行日
no.41, pp.3-12, 1998 (Released:2013-10-08)

1. 中禅寺湖漁協の増殖事業により採捕されたヒメマス,ホンマスの尾数の周期性判定のためコレログラム解析を行った。両種とも周期性は見られなかったが,ホンマスは減少していることがわかった。2. ヒメマスとホンマスの関係を明らかにするために,採捕年次毎及び対応する回帰線はどの次数がもっとも当てはまりがいいか検討した。ヒメマスとホンマスの関係は,1年後のホンマスの採捕尾数(同一年級群)との間が一番高い負の相関を示した。3. ヒメマスとホンマスの関係を表すモデルとしてロトカ・ボルテラの競争系を用いて,両種の関係を同一年級群同士で考察した。平衡点(交点)付近は一方からは遠ざかり,他方からは近づく鞍部点となり一方の種が絶滅することを示したが,1年前のホンマスの資源量によっては共存の可能性があることが示唆された。4. 漁獲は,アイソクラインの各々の直線を下方へ平行移動させる働きをしている。今回の推定では,両種が強い漁獲圧を受けて著しく減少した最後の段階での資源量を用いた。それ故に,解禁当初の両種の資源量はもっと多く,それが漁獲減耗,その他の減耗(自然死亡,捕食など)により平衡点(交点)が低い位置に平行移動したと考えられた。5. 中禅寺湖に生息するブラウントラウトなどの捕食魚の役割は,ヒメマス,ホンマスの関係を調整する役割をしていることが予想され,漁獲の強弱,各種の捕食魚の資源量によって平衡点の位置(K1、K2、交点)に向けて,常にダイナミックに変動していると考えられた。6. 1975~81にかけて採捕されたヒメマス,ホンマスの体長から数量的にヒメマスの回帰の主群は3年目,ホンマスは,4年目と考えて良いものと思われた。7. 同一年に放流されたヒメマス,ホンマスが種内,種間とでどのような関係にあったのか推察するため3,4年後の採捕尾数と両種の放流尾数及び翌年の放流尾数を説明変数として相関を求めた。ヒメマスでは相関がなかったが,ホンマスでは同じ年および翌年に放流されるヒメマス放流尾数の方が強く作用することが至竣された。8. 採捕されたホンマスの尾数(z軸)及び同じ年級のヒメマス放流尾数(x軸)並びに翌年のヒメマス放流尾数(y軸)をベクトルで表し,面プロットするとヒメマス放流尾数100万尾付近で大きくホンマスの採捕尾数が落ち込むことが示された。ホンマス資源回復の方策として1)放流魚の確保2)再生産力の活用3)稚魚の成育の場としての河川の保全が考えられた。
著者
石嶋 久男
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.41, pp.3-12, 1998-03

1. 中禅寺湖漁協の増殖事業により採捕されたヒメマス,ホンマスの尾数の周期性判定のためコレログラム解析を行った。両種とも周期性は見られなかったが,ホンマスは減少していることがわかった。2. ヒメマスとホンマスの関係を明らかにするために,採捕年次毎及び対応する回帰線はどの次数がもっとも当てはまりがいいか検討した。ヒメマスとホンマスの関係は,1年後のホンマスの採捕尾数(同一年級群)との間が一番高い負の相関を示した。3. ヒメマスとホンマスの関係を表すモデルとしてロトカ・ボルテラの競争系を用いて,両種の関係を同一年級群同士で考察した。平衡点(交点)付近は一方からは遠ざかり,他方からは近づく鞍部点となり一方の種が絶滅することを示したが,1年前のホンマスの資源量によっては共存の可能性があることが示唆された。4. 漁獲は,アイソクラインの各々の直線を下方へ平行移動させる働きをしている。今回の推定では,両種が強い漁獲圧を受けて著しく減少した最後の段階での資源量を用いた。それ故に,解禁当初の両種の資源量はもっと多く,それが漁獲減耗,その他の減耗(自然死亡,捕食など)により平衡点(交点)が低い位置に平行移動したと考えられた。5. 中禅寺湖に生息するブラウントラウトなどの捕食魚の役割は,ヒメマス,ホンマスの関係を調整する役割をしていることが予想され,漁獲の強弱,各種の捕食魚の資源量によって平衡点の位置(K1、K2、交点)に向けて,常にダイナミックに変動していると考えられた。6. 1975~81にかけて採捕されたヒメマス,ホンマスの体長から数量的にヒメマスの回帰の主群は3年目,ホンマスは,4年目と考えて良いものと思われた。7. 同一年に放流されたヒメマス,ホンマスが種内,種間とでどのような関係にあったのか推察するため3,4年後の採捕尾数と両種の放流尾数及び翌年の放流尾数を説明変数として相関を求めた。ヒメマスでは相関がなかったが,ホンマスでは同じ年および翌年に放流されるヒメマス放流尾数の方が強く作用することが至竣された。8. 採捕されたホンマスの尾数(z軸)及び同じ年級のヒメマス放流尾数(x軸)並びに翌年のヒメマス放流尾数(y軸)をベクトルで表し,面プロットするとヒメマス放流尾数100万尾付近で大きくホンマスの採捕尾数が落ち込むことが示された。ホンマス資源回復の方策として1)放流魚の確保2)再生産力の活用3)稚魚の成育の場としての河川の保全が考えられた。
著者
糟谷 浩一
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.42, pp.38-38, 1999-03

利根川の支流である鬼怒川,渡良瀬川のサケ資源の維持回復を図るため,サケ稚魚の孵化放流試験を行った。平成9年12月17日,福島県真野孵化場からサケ発眼卵(積算水温340℃)2万粒を移植し,3月19日の稚魚放流が終了するまで,卵の孵化率,生産尾数,飼育環境等を調べた。孵化までの死卵数は214粒で,99%の孵化率であった。また,孵化から放流までの稚魚の斃死数は98尾で稚魚生残率は99%であった。卵の移植から放流までの生残率は98%であった。生産した稚魚19,600尾は,3月15日に鬼怒川,3月19日に渡良瀬川に放流した。
著者
武田 維倫
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.44, pp.38-38, 2001-03

利根川の支流である鬼怒川、渡良瀬川のサケ資源の維持、回復を図るため、サケ稚魚の孵化放流試験を行った。平成12年12月21日、福島県真野川孵化場からサケ発眼卵(積算水温366℃)5万粒を移植し、3月25日の稚魚放流が終了するまで、卵の孵化率、生残率、飼育水温を調べた。孵化までの積算水温460℃で孵化が始まり、516℃まで続いた。孵化率は97%であった。稚魚の生残率は99%であった。生産した稚魚48,350尾は3月10日に渡良瀬川、3月25日に鬼怒川に放流した。放流尾数は渡良瀬川15千尾、鬼怒川33千尾であった。
著者
手塚 清 土居 隆秀 吉田 豊
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.48, pp.147-149, 2005-03

カジカ資源についての基礎情報を得るため、今回は荒井川におけるカジカの生息状況について調査した。平成15年12月10日鹿沼市南西部を流れる荒井川本流およびその支流の一部から8地点を選び調査を行った。電気ショッカーで採捕されたカジカは81尾であり、単位時間漁獲努力あたり24。42尾/時、単位面積あたり0。0365尾/m2採捕された。その体長および体重は広範囲に分散していることから、順調に資源の再生産が行われているものと思われた。
著者
中村 智幸 手塚 清 大友 時夫
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.42, pp.84-84, 1999-03

那珂川の天然アユ資源を適正に管理するためには,再生産状況を把握する必要がある。そこで,アユ仔魚の流下状況を調査した。仔アユは10月1日から11月26日にかけて採集された。採集数が多かったのは10月下旬から11月上旬にかけてで,この頃が流下の盛期だったと考えられる。総流下数は約2,177万尾と算出された。昨年の推定値は約249万尾であったことから,昨年に比べて今年の流下数は多かったと考えられた。