著者
畠山 和利 松永 俊樹 巌見 武裕 大高 稿兵 佐々木 研 佐藤 峰善 渡邉 基起 髙橋 祐介 島田 洋一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1049, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】腹腔内圧は,腹腔構成筋群の同時収縮で増加し,支持性や強制呼気,排尿や排便に貢献するとされている。腹腔内圧の上昇には,横隔膜,腹横筋,骨盤底筋などが重要となり,支持性向上のための運動療法が積極的に行われている。この腹腔内圧は,脊柱に強い伸展モーメントが加わる際に不随意で上昇するとされており,スポーツなどの素早い動作や日常生活動作で腰部障害予防の観点から重要な因子といえる。これまでわれわれは,3次元体幹筋骨格モデルを作成し,前屈時における脊柱モーメントや体幹筋張力の変化,スクワット動作時の下肢を含めた解析など報告してきた。このモデルは体幹筋を詳細に再現したモデルであり,動作時の筋張力を算出することが出来る。本研究の目的は,3次元体幹筋骨格モデルを用いて腹腔内圧の有無により立位姿勢保持に必要な体幹筋筋力をシミュレーション解析することである。【方法】3次元体幹筋骨格モデルの作成健常な成人男性(31歳,身長1.74m,体重78.5kg)を対象にCT,MRIを撮像した。3次元骨格モデルは,Materialise社製MIMICSを用いてCT/DICOMデータから骨形状を抽出し作成した。作成した骨格モデルとMRI断層画像より抽出した筋を基に3次元体幹筋骨格モデルを作成した。筋骨格モデルの構築は,豊田中央研究所製EICASを使用した。モデルに構築した筋は,腹直筋,内外腹斜筋,腰方形筋,大腰筋,棘間筋,横突間筋,回旋筋,多裂筋,腰腸肋筋,胸腸肋筋,胸最長筋,胸棘筋,胸半棘筋である。各筋の断面積はMRIより算出した。また,各椎体間の可動性はモーメントに影響を及ぼすため,レントゲン写真で可動性を測定し,関節最終可動域で抵抗がかかるように設定した。また,MRI断層画像から腹腔体積を求めた。本モデルに用いた腹腔内圧値は健常者における日常生活動作時の平均値を用い30mmHgとした。またValsalva時の最大腹腔内圧はJ. Mensらの報告に基づき120mmHgとした。解析条件構築した筋骨格モデルで立位状態を反映させるため,3次元動作解析装置VICON MXで立位姿勢を計測した。対象は健常成人6名(平均身長170.5 cm,平均体重66.8 kg)で,直径6mmの反射マーカー計72個を脊柱および四肢に貼付した。計測した座標位置を3次元体幹筋骨格モデルに反映させ,立位保持時に発揮している筋力を算出した。得られた筋力値と筋断面積から導き出した最大筋力値より筋活動量を算出した。対象筋は腹筋群と脊柱起立筋群(腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋,棘筋,最長筋,腸肋筋)とした。腹圧なし,腹腔内圧30mmHg(以下,腹圧あり),valsalva時の腹腔内圧120mmHg(以下,Valsalva)の3条件とし,Kruskal-Wallis検定を用いて比較した。有意水準は5%未満とし,統計処理はSPSS ver.20を使用した。【結果】腹腔内圧の有無による腹筋群,脊柱起立筋群の筋活動量を算出した。静的立位時の筋活動量は,腹筋群で3群間に差がなかったが,脊柱起立筋群では腹腔内圧が増加するにつれ,筋活動量の減少がみられた。特に最長筋では,腹腔内圧なしで18.6±2.5%,腹腔内圧ありで15.2±3.2%,valsalvaで9.1±3.4%で有意に差が認められた(p<0.05)。また,腸肋筋は腹腔内圧なしで15.3±4.4%,腹腔内圧ありで13.6±2.4%,valsalvaで10.1±3.5%で有意に差が認められた(p<0.05)。【考察】脊柱アライメントは体幹伸展筋力の与える影響が大きく,われわれは体幹伸展筋力の低下が脊柱後弯を増強させることを報告した。今回の結果から,腹腔内圧の設定で姿勢保持に必要な体幹伸展筋力が減少する結果となった。これは腹腔内圧が体幹伸展筋力を補助し,体幹安定性を高めるといえる。本モデル上では,腹腔容積が変化しないため設定した腹圧が直接体幹に作用するが,生体では腹横筋や横隔膜,骨盤底筋などの筋力や筋硬度が必要となり,体幹の安定化に重要な役割を果たす。したがって,体幹の固定性を得るためには,あらゆる姿勢や動作で持続的な腹腔内圧を維持できる筋持久力や高い体幹伸展筋力が必要な際に腹腔内圧を高めるなどコントロールする能力が重要になると考える。本研究では腹腔内圧が体幹安定性を補助し,少ない筋活動量で姿勢を維持できることがシミュレーションにより導き出された。【理学療法学研究としての意義】腹横筋や横隔膜,骨盤底筋など腹圧をコントロールするトレーニングやコルセットの有用性が示された。日常生活上で,腹腔内圧の維持は重要な要素を占めることがシミュレーションにより算出された。
著者
佐藤 峰南 尾上 哲治
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.10, pp.575-578, 2010 (Released:2011-02-01)
参考文献数
17
被引用文献数
5 10

The magnetic fraction of a lower Norian claystone layer (ca. 5 cm thick) in a radiolarian chert succession within the Mino Terrane, Inuyama area, Central Japan, contains a large number of small euhedral to subhedral crystals of oxidized Ni-rich spinels. The stratigraphic position of this concentration of Ni-rich spinels is clearly indicated by a sharp increase in magnetic susceptibility at the claystone layer. These spinels are distinguished from typical igneous spinels by their high Ni and Fe3+ contents, and show large variations in composition. The textures and chemical compositions of the spinel crystals are similar to those of Ni-rich spinels at the Cretaceous-Paleogene boundary. The discovery of Ni-rich spinels in a lower Norian claystone suggests an important sedimentary record of an extraterrestrial impact in the Late Triassic.
著者
佐藤 峰南
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.124, no.12, pp.983-993, 2018-12-15 (Released:2019-03-15)
参考文献数
72
被引用文献数
1

地球科学の最も重要な発見のひとつである白亜紀/古第三紀(K/Pg)境界の白金族元素の異常濃集が報告されてから30年以上が経過した.それ以降,世界中のK/Pg境界層から白金族元素の異常濃集が検出されている.日本の付加体である三畳紀-ジュラ紀の層状チャートは,非常に遅い堆積速度(1000年で数mm以下)をもつ遠洋性深海堆積物であり,大陸起源物質の混入が少ないという特徴を持つ.層状チャートは,堆積速度が遅く,連続的な堆積物であることから,層状チャート中には地質時代を超えた地球外起源物質付加の記録が残されている.本稿では,日本の遠洋性堆積物中に保存された後期三畳紀の巨大隕石衝突による地球外起源物質の流入履歴について,地球化学データを用いてレビューした.層状チャート中の白金族元素およびオスミウム同位体の地球化学データは,隕石のタイプや種類を推定する上で非常に有用な情報を提供する.
著者
佐藤 峰華 岡 秀一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.144-160, 2009-03-01 (Released:2011-05-31)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

シラビソAbies veitchii,オオシラビソA. mariesiiの優占する日本の亜高山針葉樹林帯には,いわゆる縞枯れ現象wave-regenerationが発現する.これは,天然更新の一つのパターンであり,特に北八ヶ岳にはその広がりが顕著である.北八ヶ岳・前掛山南斜面における亜高山帯針葉樹林で,空中写真判読を行い,いくつかの更新パターンを検出した.さらに,その違いが何に由来するのかを検討するために,現地で林分構造,齢構造,ならびに土壌条件について調査を行った.その結果,成熟型更新林分,縞枯れ型更新林分,一斉風倒型更新林分,混生林型更新林分という構造と更新パターンを異にする四つの林分が識別された.これらの林分が出現する範囲はほとんど固定されており,縞枯れ型更新林分は,南向き斜面のごく限られた領域にしか生じていなかった.これらの林分の配列は土壌の厚さや礫の混在度ときわめてよい対応関係を持っており,縞枯れ現象を発現させる自然立地環境として,斜面の向き,卓越風向などとともに,土壌条件が重要な役割を果たしていることが明らかになった.
著者
佐藤 峰南
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

1. 主要元素および微量元素組成分析:これまでの研究により,三畳紀後期遠洋性堆積物中に隕石衝突の痕跡が記録されていることが明らかとなった(Onoue, Sato et al., 2012; Sato et al., 2013).そこで,三畳紀後期隕石衝突よって引き起こされた可能性のある古海洋環境変動を明らかにするため,隕石衝突層準およびその上下の層状チャートを1枚ずつ採取し,主要元素および微量元素濃度の測定を東京大学工学部にて行った.その結果,生物生産に関する示すシリカ(Si), カルシウム(Ca)ストロンチウム(Sr),バリウム(Ba)の濃度が,イジェクタ層の直上で急激に低下していることが明らかとなった.同様の結果は,白亜紀/古第三紀(K/Pg)境界でも報告されており,隕石衝突による海洋環境の変化に伴う石灰質・珪質プランクトンの生産性の低下を示している可能性が示唆された.2. 論文執筆:これまで見つかっている日本の遠洋性堆積物中に記録された4セクションのイジェクタ層を用いて,白金/イリジウム(Pt/Ir)比,ルテニウム/イリジウム(Ru/Ir)比,クロム/イリジウム(Cr/Ir)比から,三畳紀後期隕石衝突の衝突隕石の種類がコンドライト隕石であるとする論文を執筆し,投稿準備中である.3. 国内外における研究成果発表:AGU fall meeting(サンフランシスコ)および日本地球惑星科学連合大会(千葉),日本地質学会(鹿児島)において,三畳紀後期隕石衝突による海洋環境の変動の可能性について,研究成果を発表した.
著者
木元 裕介 佐竹 將宏 菊谷 明弘 皆方 伸 中澤 明紀 岩澤 里美 佐藤 峰善 若狭 正彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.51-57, 2015 (Released:2015-07-31)
参考文献数
32

【目的】大腿四頭筋へのダイナミックストレッチングとスタティックストレッチングを実施した後の、膝屈曲可動域および膝伸展筋力の変化を検討した。【方法】健常成人男女18名を対象に、ダイナミックストレッチングを行う介入、スタティックストレッチングを行う介入、ストレッチングを行わず安静を保つ介入(安静)を行った。ダイナミックストレッチングは、つかまり立位をとり1回6秒(10回/分)のゆっくりとした速度で12回行う方法とした。【結果】ダイナミックストレッチングおよびスタティックストレッチングは、同様に膝屈曲可動域が有意に増加した。しかし、スタティックストレッチングにおいてのみ膝伸展筋力が有意に低下した。安静は全てにおいて有意な変化がなかった。【考察】1回6秒を12回行うダイナミックストレッチングは、理学療法場面において有益な方法となり得る可能性があった。
著者
成海 洋輔 石川 宏典 上松 和義 戸田 健司 佐藤 峰夫
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.2P098, 2008

近年、(オキシ)ナイトライドは、白色LED用蛍光体の母体材料や可視光応答型の光触媒材料として注目され精力的に研究がなされている。AMON (A = アルカリ金属、M = Si, Ge)は層状構造を持つ化合物であり、応用用途として蛍光体や光触媒などが考えられる。光触媒の分野では、d 10電子状態の元素をもつ(オキシ)ナイトライドにおいて水の完全分解が報告されている。本研究では、d 10電子状態をとるGe 4+ を含むNaGeONを光触媒として選択し、NH3雰囲気中で合成を試みた。また合成した試料の光触媒特性評価として水分解を行なった。
著者
森田 裕一 酒井 慎一 中川 茂樹 笠原 敬司 平田 直 鏡 弘道 加藤 拓弥 佐藤 峰司
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.89-105, 2009

The Autonomous Cooperative data Transfer Protocol (ACT protocol) is one of the data transfer protocols based on UDP/IP developed for the Metropolitan Seismic Observation network (MeSO-net). It has a robust re-send function to prevent data from being lost in the Internet route. Moreover, it also has a function to adjust the data transmission rate considering the quality of the Internet route and the load on the data-receiving system. If the Internet route is too busy to send all data, the transmission rate from the observation station is decreased automatically to ease the Internet traffic jam, and data that cannot be sent because of the limitation on the transmission rate are stored at each station. After conditions recover, the stored data are sent automatically at an increasing transmission rate and gradually catch up with real-time data. The transmission rate is decided by data transmission equipment at the station using pre-loaded algorithms, not at the data center. Therefore, the load at data center equipment is not so high even if the equipment receives data from hundreds of stations. We describe an overview of the ACT protocol, flow charts, and data format used in the protocol. We also demonstrate that the ACT protocol is very powerful for the vast size of the seismograph network composed of several hundred stations. The ACT protocol is generally applicable and can be used for data transmission systems in other scientific fields.
著者
木股 文昭 石原 和弘 植木 貞人 内田 和也 小山 悦郎 佐藤 峰司 鈴木 敦生 高山 鐵朗 竹田 豊太郎 辻 浩 寺田 暁彦 中坊 真 浜ロ 博之 平野 舟一郎 松島 健 宮島 力雄 森 済 八木原 寛 山本 圭吾 渡辺 秀文
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.35-43, 1999-04

1998年以降, 火山活動が活発化している岩手山火山において, 火山活動に伴う地殻上下変動とその圧力源を議論する目的で, 水準路線を設置し, 1998年7, 9, 11月に精密水準測量を実施した。1998年9月3日, 水準測量実施中に, 直下でM6.1の地震が発生し, 20cmに達する断層運動を水準測量で検出した。岩手山南麓ではこの4ヶ, 月間に4cmに達する山側隆起の上下変動が観測され, その圧力源は岩手山西方に深さ3km前後と推定される。Earthquake swarm is observed around the Iwate-san Volcano, Northeast Japan since 1998. The leveling route with distance of 36 km was set up around the volcano and the precise levelings have been repeated to discuss the crustal deformation four times in July, September, September and November in 1998. When the precise levelingis doing in September 3, 1998, earthquake of M6. 1 was occurred close to the volcano. One leveling team was making leveling in the epicenter area, Re-levelings were repeated since the next day of the earthquake, and coseisimic deformations of 20 cm are detected along the leveling route. However the precursor of the vertical movements is not recognized in the leveling data made just before the earthquake. Uplift of the Iwate-san Volcano is observed and which amounts to 4 cm in the period of July to November in 1998. The pressure sources of the vertical deformations are estimated to be under the west side of the volcano with depth of 3 kim, which is the almost the same location of the pressure estimated by GPS measurements and the DInSAR (Differential Interferometric SAR).
著者
小松 隆一 高取 郁子 佐藤 峰 高木 史江 花田 恭
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.26-30, 2005

目的:ニカラグァ国グラナダ県の若者のHIV関連の問題について調査の実施を支援し、関係者に対する働きかけを行った。<br>方法:グラナダ県の中等学校在学の10代後半の生徒に性行動調査を実施した。調査参加校は教育セクターの協力により選ばれた。<br>結果:689名が調査に参加した。16歳男子では33.3%、女子は7.2%、18歳ではそれぞれ48.1%と18.5%に性経験があり、性交経験者のうち、過去1年間に性交をした割合は男子で66.4%、女子で80.0%となった。金銭授受のない性行為でのコンドーム使用は、男子の28.2%、女子の13.3%だった。<br>考察:調査結果からは、現状とニーズの情報が得られ、保健と教育セクター及び当事者である生徒代表らの討議により、保健と教育セクター間の連携促進の契機となった。行動調査は、地域住民や行政のセクターを越えた支援を得るのに有効と考えられる。今後、保健と教育の連携を促進しニーズを満たす一方、ピア・グループの能力を高め、より効果的な対策が目指されている。
著者
森田 裕一 酒井 慎一 中川 茂樹 笠原 敬司 平田 直 鏡 弘道 加藤 拓弥 佐藤 峰司
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
地震研究所彙報 (ISSN:00408992)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.89-105, 2009

The Autonomous Cooperative data Transfer Protocol (ACT protocol) is one of the data transfer protocols based on UDP/IP developed for the Metropolitan Seismic Observation network (MeSO-net). It has a robust re-send function to prevent data from being lost in the Internet route. Moreover, it also has a function to adjust the data transmission rate considering the quality of the Internet route and the load on the data-receiving system. If the Internet route is too busy to send all data, the transmission rate from the observation station is decreased automatically to ease the Internet traffic jam, and data that cannot be sent because of the limitation on the transmission rate are stored at each station. After conditions recover, the stored data are sent automatically at an increasing transmission rate and gradually catch up with real-time data. The transmission rate is decided by data transmission equipment at the station using pre-loaded algorithms, not at the data center. Therefore, the load at data center equipment is not so high even if the equipment receives data from hundreds of stations. We describe an overview of the ACT protocol, flow charts, and data format used in the protocol. We also demonstrate that the ACT protocol is very powerful for the vast size of the seismograph network composed of several hundred stations. The ACT protocol is generally applicable and can be used for data transmission systems in other scientific fields.