著者
時下 進一 時下 祥子 政所 由美子 高橋 勇二 山形 秀夫
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.146, 2005

オオミジンコは溶存酸素量の低下に伴い血リンパ中のヘモグロビン量を増加させる。この発現制御は 哺乳類の低酸素誘導因子(HIF-1)のホモログであるARNT と HIF-1α により転写レベルで行われていることが示された。HIF-1による低酸素適応機構が生物に普遍的に存在すると考えられる。また抗 ARNT 抗体を用いた免疫染色の結果から、epipod が溶存酸素量の変化を感知している可能性が示唆された。ARNTおよびARNTとヘテロ二量体を形成するトラキアレスの胚における発現パターンから、 ARNT は低酸素応答以外にも様々なタンパク質と相互作用して環境応答に広く関与しているものと考えられる。
著者
岩崎 麻美 高松 信樹 功刀 正行 大沢 信二
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.158, 2003

群馬県四万湖の色彩測定,水質分析,呈色因子物質の分析を行い,四万湖の青色呈色因子について考察した。四万湖水中には二価の鉄イオンや銅イオン濃度が極めて低いことから,青色呈色の原因がこれらイオンによる光の吸収によるものではないと判断された。また,四万湖の懸濁物の赤外吸収スペクトル解析,蛍光X線分析,走査型電子顕微鏡による観察から,四万湖水中には,粘土鉱物の前駆物質であるアロフェンが存在しているこが確認された。アロフェン粒子の直径は約40nmであり,この粒子に太陽光の光があたることによりレイリー散乱が生じ,青色に呈色していると結論された。
著者
岩崎 麻美 高松 信樹 功刀 正行 大沢 信二
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.191, 2005

天然には、様々な環境下において青色を呈する天然水が存在している。青色天然水として知られている福島県裏磐梯の五色沼、群馬県中之条の四万湖および大分県別府の海地獄は共に青色を呈している天然水として知られている。青色天然水の呈色については1)鉄イオン, 銅イオンによる長波長光吸収機構2)微粒子による短波長可視光散乱機構 3)水そのものによる長波長光吸収機構が挙げられる。この3地点の共通点としては、硫酸酸性水にNaCl(食塩)型の温泉水が混合していることが挙げられる。本研究では水文学的調査、色彩学的調査および種々の呈色因子の同定から青色呈色がどのような物質により、どのような機構で生じているのかを解明することを目的とした。
著者
平林 公男 荒河 尚 吉田 雅彦 風間 ふたば 吉澤 一家 有泉 和紀 長澤 和也
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.176-176, 2005

山梨県四尾連湖において、1994年4月から2004年3月までの10年間、動物プランクトンネットによって、水深ごとにチョウ(Argulus japonicus)の浮遊個体数、齢別構成などを調査した。調査期間中、チョウ類が観察されたのは、2000年から2002年の3年間のみで、他の年には、全く発生していなかった。発生ピーク年は2001年で、196.3個体/tであった。夏期の水温の上昇とともに浮遊個体は多くなり、8月にピークが認められた。また、水深2m層で、個体数が多かった。
著者
養田 勝則 福原 晴夫
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.185-185, 2003

新潟県の砂丘湖の一つ長峰池において,沈水植物で優占するセキショウモ(Vallisneria asiatica)とイバラモ属3種,イバラモ(Najas marina),オオトリゲモ(N. oguraensis),ホッスモ(N. graminea)の分布と成長に関する関係を調べた.分布の水深限界はホッスモ,セキショウモで約250cm,イバラモ,オオトリゲモで約340cmであった。また,分布限界の相対照度はホッスモ,セキショウモで2-3_%,イバラモ,オオトリゲモで0.8-1%であった。4種について分布と底質の関係,成長時期の違いなどから種間関係を考察する。