著者
髙橋 広行 金谷 勉 高橋 広行 Hiroyuki Takahashi Tsutomu Kanaya
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.27-47, 2020-07-15

本稿は,衰退傾向にある我が国の地場産業や伝統的工芸品産業の活性化を検討するものである。その活性化のひとつの方法として検討したのが,地域の資源や既存技術を活用し,現在の消費者のライフスタイルに沿った,デザイン性の高い商品を開発していくことである。その目的を明らかにするために,まず,地場産業や伝統的工芸品産業が置かれている状況,および,クリエイティブやデザイン事業を得意とするセメントプロデュースデザインが取り組んできた「みんなの地域産業協力活動」の活動事例を説明した。その後,実際に地域との協業を通じて開発されてきた商品群の中で,より高い成果(販売実績)を産み出すための要件を明らかにするために,複数の要因の相互作用による組み合わせパターンを探る「fsQCA」(fuzzy set qualitative comparative analysis)によるデータ分析を行った。分析の結果,2つの組み合わせパターンが抽出された。主な組み合わせとしては,「熱意」と「企画提案の程度」,そこに「技術力(設備)」が組み合わされる場合,高い販売実績につながることが明らかになった。

2 0 0 0 OA 7.Sjögren症候群

著者
坪井 洋人 浅島 弘充 高橋 広行 廣田 智哉 住田 孝之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.10, pp.2507-2519, 2014-10-10 (Released:2015-10-10)
参考文献数
22
被引用文献数
1

Sjögren症候群(Sjögren's syndrome:SS)は唾液腺炎・涙腺炎を主体とし,様々な自己抗体の出現がみられる自己免疫疾患である.厚労省研究班で行われた全国疫学調査では,2010年1年間に全国の医療機関を受診したSS患者数は68,483人と算出された.さらに2,195例のSS患者の詳細調査では,平均年齢は60.8歳,男性と女性の比率は1:17.4,病型は一次性/二次性SSが58.5%/39.2%,一次性SSのうち腺型/腺外型は69.1%/24.7%(不明6.2%)であった.SSの診断基準として,国内で汎用されている厚生省改訂診断基準(JPN)(1999年),アメリカ・ヨーロッパ改訂分類基準(American-European Consensus Group:AECG)(2002年)と,最近提唱された米国リウマチ学会分類基準(American College of Rheumatology:ACR)(2012年)を,日本人SS患者の診断に関して,厚労省研究班で検証した結果,JPN基準はAECG基準,ACR基準よりも優れている可能性が示された.SSの治療に関しては,前述の全国疫学調査では,ステロイドは34.3%,免疫抑制薬は16.3%,生物学的製剤は3.1%,唾液分泌刺激薬は31.7%で投与されていた.近年,SSの新規治療戦略として,リツキシマブ(rituximab),アバタセプト(abatacept)といった生物学的製剤の使用が試みられている.産業医科大学,長崎大学,筑波大学で施行中の関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)合併二次性SSに対するアバタセプトのパイロット研究では,中間解析において,RAに加えてSS所見に対する有効性も示唆されており,今後の発展が期待される.