著者
高橋 明彦
出版者
上智大学大学院STUFE刊行委員会
雑誌
Stufe (ISSN:02852551)
巻号頁・発行日
no.4, pp.33-48, 1984-10-01
著者
福井 貴也 高橋 明彦
出版者
東京大学大学院経済学研究科
雑誌
経済学論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.2-40, 2017-07-01 (Released:2019-04-22)
参考文献数
15

本稿では,ニューラルネットワークを用いた深層学習に基づく投資手法を考察する.特に,損失関数の特定化により様々な投資手法を構築できることに着目し,その例として,資産リターン(収益率)の時系列を入力し,教師付き深層学習(Supervised Deep Learning, SL)によるアノマリー検出を投資判断に活用する手法と,収益最大化に基づく投資判断を深層強化学習(Deep Reinforcement Learning, RL)により求める方法を示す.また,各資産のリターンに関する学習結果を,複数資産を対象とするポートフォリオ運用についても活用する.さらに,現実の市場データを用いた検証を行い,対象資産が同じであっても,月次/日次リターン等の入力データの種類,学習手法の選択,投資期間中の再学習の有無,ネットワークの層数,中間層のユニット数等の外生的に設定する項目により投資パフォーマンスが大きく異なることを例示する.なかでも,RLに基づく投資判断が,ポートフォリオ運用において相対的には安定して良好なパフォーマンスを示すことが明らかとなる.
著者
樋口 博也 高橋 明彦
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.113-118, 2005-08-25
被引用文献数
2 14

新潟県上越市のアカヒゲホソミドリカスミカメ個体群について, 野外雌産下卵の休眠卵率の季節的な推移を調査するとともに, 休眠卵産下を誘起する環境要因についても検討を行った.22℃, 25℃, 28℃, 31℃, 34℃の5段階の温度と, 9L-15L, 10L-14L, 11L-13D, 12L-12D, 13L-11D, 14L-10D, 15L-9D, 16L-8Dの8段階の光周期を組み合わせた条件下で卵から飼育し, 羽化した雌の産下卵の休眠卵率を調査した.卵からの飼育温度が25℃の場合, 本種が休眠卵を産下する臨界日長は13時間と14時間の間にあった.しかし, 飼育温度が28℃, 31℃, 34℃と高くなると, 短日条件であっても休眠卵率が低下した.したがって, 本種雌は幼虫期からの飼育温度が28℃以上の高温であれば, 短日であっても非休眠卵を産下するようになると結論できた.休眠卵を産下している雌を31℃, 11L-13D条件下で個体飼育すると, 飼育開始5日後から非休眠卵を産下する雌数が増加したことから, 本種雌は, 5日程度高温を経験すると非休眠卵を産下する個体も現れるようになると考えられた.1999年から3年間, 野外雌を定期的に採集し産下卵の休眠卵率を調査した.1999年, 2001年9月に採集した雌が産下する卵の休眠卵率は, 時間の経過とともに高くなったが, 2000年については, 20日に採集した雌の産下卵の休眠卵率は7.4%と極端に低下した.2000年9月の上越市の平均気温の推移を見ると, 13日から平均気温で25℃を越える暑い日が4日連続していた.20日に採集した雌が休眠卵を産下せずに非休眠卵を産下した要因の一つとして, この数日間にわたる高温が関与している可能性が考えられた.
著者
石本 万寿広 佐藤 秀明 村岡 裕一 青木 由美 滝田 雅美 野口 忠久 福本 毅彦 望月 文昭 高橋 明彦 樋口 博也
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.311-318, 2006-11-25
参考文献数
34
被引用文献数
2 15

水田内におけるアカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長を調査する手段として既に確立されているすくい取り法の代替手段として,合成性フェロモントラップの有効性を評価した.トラップは両面に粘着物質を塗布した粘着トラップを使用し,誘引源として合成性フェロモン0.01mgを含浸させたゴムキャップを粘着板上辺の中央部に設置した.粘着トラップは,イネの草冠高かそれよりやや低い位置に設置すると捕獲効率が高かった.そこで,2005年6月に,粘着トラップを新潟県上越市・長岡市,富山市の各水田2筆の中央部,イネの草冠高に設置し,誘殺される雄数を毎日調査した.また,約5日間隔でトラップの位置を中心に捕虫網ですくい取りを行い,成虫数の推移を調査した.すくい取り調査で,地域,品種を問わず6月中旬から7月上中旬にかけて成虫が発生し,7月中旬に減少し,その後,出穂期の早い品種で成虫の増加傾向が早くなり8月中旬までには減少するという成虫の発生消長が明らかとなった.水田内に設置した粘着トラップの誘殺雄数の推移は,概ねすくい取り調査での雄数の推移とよく似たパターンを示した.したがって,水田内で本種のモニタリング手段としてフェロモントラップが利用できる可能性を示唆している.