著者
平沢 秀人 浅川 理 小山 恵子 高橋 祥友 渥美 義賢 熊倉 徹雄
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.811-814, 1994-10-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

症例は, 59歳男性, もの忘れ・性格変化を主訴に受診. 神経学的には眼症状を含め特に異常なく, 精神医学的には落着きのなさ, まとまりのない会話, 記銘力低下を主とした痴呆などを認めた. 血清, 髄液のTPHA陽性, 髄液の細胞数, 蛋白量増加, FTA-ABS陽性などから進行麻痺と診断. ペニシリン治療は, 2クール行ったが, 2クール目は大量療法を行った. 治療後, 髄液所見は改善, 軽度痴呆が残遺したものの精神症状も著しく改善した.
著者
高橋 祥友
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.8-14, 2008-03-01 (Released:2012-10-30)
参考文献数
14
著者
高橋 祥友
出版者
山梨医科大学医学会
雑誌
山梨医科大学雑誌 = 山梨医科大学雑誌 (ISSN:09120025)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.23-28, 1986

青木ケ原樹海は,自殺が多発する地域として有名であるが,これまでその詳細についての報告はなかった。昭和57年から59年の3年間における同地域での自殺未遂116例につき,山梨県警察富士吉田警察署の資料を基に情報を収集し分析することにより,同地域における現在の危機介入の実態を把握し,その改善に役立てる目的で今回の調査を実施した。青木ケ原樹海での自殺未遂について幾つかの特徴が見出されたが,そのなかでも特に次の点が注目された。1) 自殺既遂者数から推定される自殺未遂者数に比し,実際に保護下におかれる自殺未遂者数が極めて低い。2) 自殺未遂者中の男女比は2.9対1と一般に言われている傾向とは逆転していた。3) 他者に対する敵意の表出に乏しく自己の消滅や静かな死を望む傾向がみられた。4) 現時点における危機介入はほとんどが警察の手にゆだねられており,短時間のうちに家族のもとへ自殺未遂者を戻すことに終わっており,精神医学的介入は皆無に近かった。自殺未遂者が,将来既遂に終わる危険は,一般人口に比べてはるかに高く,現在までの警察主体の危機介入に加えて,今後積極的な精神医学的介入が必要と考える。
著者
赤澤 正人 松本 俊彦 勝又 陽太郎 木谷 雅彦 廣川 聖子 高橋 祥友 川上 憲人 渡邉 直樹 平山 正実 亀山 晶子 横山 由香里 竹島 正
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.550-560, 2010 (Released:2014-06-12)
参考文献数
37
被引用文献数
1

目的 わが国の自殺者数は,平成10年に 3 万人を超えて以降,11年に渡りその水準で推移しており,自殺予防は医療や精神保健福祉の分野に留まらず,大きな社会的課題となっている。本研究では心理学的剖検の手法で情報収集がなされた自殺既遂事例について,死亡時の就労状況から有職者と無職者に分類し,その心理社会的特徴や精神医学的特徴の比較•検討を通じて,自殺既遂者の臨床類型を明らかにし,自殺予防の観点から有職者ならびに無職者に対する介入のポイントを検討することを目的とした。方法 心理学的剖検の手法を用いた「自殺予防と遺族支援のための基礎調査」から得られたデータをもとに分析を行った。調査は,自殺者の家族に対して独自に作成された面接票に準拠し,事前にトレーニングを受講した精神科医師と保健師等の 2 人 1 組の調査員によって半構造化面接にて実施された。本研究で用いた面接票は,家族構成,死亡状況,生活歴,仕事上の問題,経済的問題等に関する質問から構成されていた。なお,各自殺事例の精神医学的診断については,調査員を務めた精神科医師が遺族からの聞き取りによって得られたすべての情報を用いて,DSM-IVに準拠した臨床診断を行った。本研究では,2009年7 月中旬時点で23箇所の都道府県•政令指定都市から収集された自殺事例46事例を対象とした。結果 有職者の自殺者は,40~50代の既婚男性を中心として,アルコールに関連する問題や返済困難な借金といった社会的問題を抱えていた事例が多かった。無職者では,有職者に比べて女性の比率が高く,20~30代の未婚者が多く認められ,有職者にみられたような社会的問題は確認されなかった。また,有職者では死亡時点に罹患していたと推測される精神障害としてアルコール使用障害が多く認められたのに対して,無職者では統合失調症及びその他の精神病性障害が多く認められた。結論 自殺予防の観点から,有職者に対しては,職場におけるメンタルヘルス支援の充実,アルコール使用障害と自殺に関する積極的な啓発と支援の充実,そして債務処理に関わる司法分野と精神保健福祉分野の連携の必要性が示唆された。一方で,無職者に対しては,若い世代の自殺予防に関する啓発と支援の充実,統合失調症と自殺に関する研究の蓄積の必要性が示唆された。
著者
高橋祥友
雑誌
防衛衛生
巻号頁・発行日
vol.50, pp.285-290, 2003
被引用文献数
1