著者
力丸 宗弘 高橋 大希 小松 恵 石塚 条次 清原 玲子 山口 進 高橋 秀彰
出版者
秋田県農林水産技術センター畜産試験場
巻号頁・発行日
no.25, pp.75-83, 2011 (Released:2013-10-08)

比内地鶏は一般的なブロイラーより官能評価が良好である。本研究では,鶏肉のおいしさに影響する要因を特定するため,比内地鶏とブロイラーのもも肉における一般成分,遊離アミノ酸,イノシン酸,脂肪酸組成の分析および官能評価を行った。比内地鶏とブロイラーを同じ日にふ化し,(1)8週齢ブロイラー区,(2)22週齢ブロイラー区,(3)22週齢比内地鶏区の3区を設定した。比内地鶏とブロイラーを同じ環境下で飼育し,8および22週間同じ飼料を給与した。8週齢ブロイラー区は22週齢比内地鶏区より遊離アミノ酸とグルタミン酸含量が有意に高かった。22週齢比内地鶏区は8週齢ブロイラー区よりインシン酸含量が有意に高かったが,22週齢比内地鶏区と22週齢ブロイラー区に有意な差は認められなかった。これらの結果からイノシン酸含量は肉用鶏間の違いよりむしろ日齢(週齢)間の違いを反映していることが示唆された。一方,アラキドン酸含量は比内地鶏とブロイラーとの間で有意な差が認められた。また,「蒸し肉」あるいは「スープ」の官能評価においても22週比内地鶏区は22週ブロイラー区より有意に味,うまみ,こくみ,後味が強く,嗜好性が高かった。これらの結果からアラキドン酸が比内地鶏のおいしさに関与している可能性が示唆された。しかしながら,比内地鶏のアラキドン酸含量とおいしさとの関与を解明するためには更なる研究が必要である。
著者
高橋 秀彰
出版者
関西大学外国語学部
雑誌
関西大学外国語学部紀要 = Journal of foreign language studies (ISSN:18839355)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.59-72, 2012-03

Luxembourg has unique characteristics in terms of language policy where three languagesare officially used, viz. Luxembourgish, French and German. All of them are compulsorysubjects at schools and the last two are the languages of instruction. Luxembourgish is theonly national language of Luxembourg standing for its national identity and is a mothertongue for most Luxembourgers. As French and German are also the official languagesrespectively in France and Germany, it is important for Luxembourg to keep the balancebetween these languages in order to keep an adequate distance from its big neighbors. Thisis the reason that mastering all of the three languages is important for Luxembourgers.Although learning two languages besides one’s mother tongue is a spirit of the EU language education policy, it is by no means easy to acquire three languages. For Luxembourgers whose mother tongue is Luxembourgish, a Germanic language, it requires much effort to be proficient in French which belongs to the Romanic language family. As Luxembourgish is linguistically very close to German, this is used as a major language of instruction at the first stage of the elementary school education, which is arduous for children of the immigrants because most of them are from Romanic countries such as Portugal and Italy. We may recall here that more than 40% of the pupils at schools are with a Romance language background and they are not familiar with Germanics. This is one of the reasons for their high repetition rate at schools. In this study, after observing some historical and legal background of trilingualismin Luxembourg, I shall be examining some ideal characteristics of the trilingualismbrought about by political decisions and increasing problems of language education atschools.
著者
力丸 宗弘 石塚 条次 高橋 秀彰
出版者
秋田県農林水産技術センター畜産試験場
巻号頁・発行日
no.21, pp.57-64, 2006 (Released:2012-12-06)

比内鶏の遺伝的多様性を明らかにするため、秋田県農林水産技術センター畜産試験場(以下、「秋田畜試」) で維持している比内鶏集団と秋田県声良鶏・比内鶏・金八鶏保存会(以下、「保存会」) の比内鶏集団について、マイクロサテライトマーカー24座位を用いて、両集団の遺伝的多様性を調査した。その結果、秋田畜試集団では、24マーカー座位全てにおいて多型性を示す一方、保存会集団では23マーカ一座位が多型性を示し、1座位は単型性であった。1座位当たりの平均対立遺伝子数は、秋田畜試集団が3.67個、保存会集団が3.58個、平均ヘテロ接合率は、秋田畜試集団が0.439、保存会集団はO.385であった。これらの結果から、保存会の比内鶏は維持集団の規模が試験場に比べて小さいため、遺伝的多様性が失われる傾向にあることが示唆された。また、秋田畜試と保存会の比内鶏集部間の遺伝距離はO.104であり、同一の集団から分化した遺伝的に非常に近い集団であることが示唆された。
著者
力丸 宗弘 石塚 条次 小松 恵 高橋 秀彰
出版者
秋田県農林水産技術センター畜産試験場
巻号頁・発行日
no.22, pp.56-60, 2008 (Released:2012-12-06)

秋田比内地鶏のDNA識別手法を確立するため、マイクロサテライトマーカーを用いて秋田比内地鶏の父親となる比内鶏の遺伝的特性について調査を行った。秋田県農林水産技術センター畜産試験場で維持している比内鶏160検体について調査した結果、5つの常染色体マーカー(ABR13、ABR277、ABR500、MCW298、MCW327)、5つのZ染色体マーカー(ABR89、ABR241、ABR311、ABR633、ADL250)において、それぞれ一つの対立遺伝子に固定していた。すなわち、比内鶏とのF1個体では、比内鶏で固定している10個のマーカーの対立遺伝子が必ずセットで検出されなければならないことがわかった。固定した遺伝子型を示した単型性マーカーの割合を常染色体、Z染色体別に比較すると、常染色体マーカーでは92個中5個(5.4%)、Z染色体マーカーでは22個中5個(22.7%)であり、常染色体よりZ染色体において、比内鶏に特徴的なマーカーが存在することが示唆された。これらのことから単型性マーカーの割合や生産形態を考慮すると、秋田比内地鶏のDNA識別には、Z染色体マーカーの方が常染色体マーカーよりも有効であることが示唆された。
著者
高橋 秀彰 桧垣 博章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.363-368, 2006-02-17

モバイルアドホックネットワークにおけるオンデマンドルーティングプロトコルでは、送信元移動コンピュータから送信先移動コンピュータまで経路探索要求メッセージRreqを配送することが必要である。多くのルーティングプロトコルにおいて、フラッディングによる実現がなされている。これに対して、各移動コンピュータが隣接移動コンピュータの位置情報を用いることによってRreqのコピーを必要としないFACEプロトコルが提案されているが、検出される経路のホップ数が大きくなる問題がある。本論文では、FACEプロトコルを拡張し、各部分平面の辺に沿ってRreqのコピーを時計回り、反時計回りに配送することにより、より短時間に経路を検出し、Rreq配送経路に含まれる移動コンピュータのみで構成される最小ホップ数の経路を計算する拡張FACEプロトコルを提案する。評価実験の結果、FACEプロトコルに対して、Rreqの配送時間を約46%に短縮し、検出経路長を約29%に縮小することが明らかになった。拡張FACEプロトコルは、Rreqの配送にFACEプロトコルの約2倍の制御メッセージ数を要するものの、フラッディングと比較して十分に少ないメッセージ数で経路検出が可能である。In an on-demand routing protocol for mobile ad-hoc networks(MANETs), it is required for a route request message Rreq to transmit from a source mobile computer to a destination one. Here, flooding is widely used. In FACE protocol, no flooding is used and each mobile computer depends on location infomation of neighbour mobile computers to determine a mobile computer to which it forwards an Rreq.However, a hop count achieved by FACE protocol is much larger. In order to solve this problem, the authors propose an extended FACE protocol where copies of an Rreq are transmitted in clockwise and counterclockwise around each devided surface and a shorter transmission route is detected.In our simulation results, the proposed protocol detects 46% shorter routewith twice messaages of FACE protocol, however, the required messages are much less than flooding.