著者
亀井 美玲 菊池 暢之 中城 正夫 高橋 良彰 秋月 真一郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.950-954, 2015 (Released:2015-11-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

症例は93歳,女性.呼吸困難感とめまいを主訴に来院し,心不全の診断で入院となった.入院時CTで左乳房腫大を指摘されたため当科紹介となった.視診では著明な左乳房腫大があり,触診では明らかな腫瘤は触知せず,pitting edemaを認めた.圧痛は認めなかった.超音波検査では皮膚皮下組織の肥厚を認め,C領域には良性病変とみられる低エコー域を認めるのみであった.心不全治療開始後6日目には心不全症状は改善したが,乳房腫大は改善なく,さらに発赤も認めた.炎症性乳癌を疑い,針生検と皮膚生検とを施行した.病理学的には悪性所見は認めず,真皮に毛細血管の拡張とリンパ球の軽度浸潤を認めるのみであった.心不全に伴う乳房浮腫と診断し心不全治療を継続したところ,2カ月経過した段階で左乳房浮腫は軽快した.炎症性乳癌との鑑別が困難であった心不全に伴う乳房腫大の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.
著者
高橋 良彰 伊崎 智子 飯田 則利
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.75-79, 2017-02-20 (Released:2017-02-20)
参考文献数
13

子宮腟溜血腫はまれな疾患で,外陰および腟の奇形により,第二次性徴発現時期に達してから発症することが多い.当科で子宮腟溜血腫を呈した2 例を経験したので報告する.2 例ともに11歳で間欠的腹痛を主訴に前医を受診し,卵巣囊腫茎捻転が疑われ当院紹介となった.症例1 は卵巣囊腫茎捻転の術前診断で緊急開腹術を施行したところ両側卵巣は正常であったが,子宮および膣内腔が血液で充満しており子宮腟溜血腫と診断した.外陰部診察で腟横中隔と診断し,開窓術を施行した.症例2 は外陰部診察で腟口の閉鎖を認め,術前に腟閉鎖と診断可能であった.術中診断は下部腟欠損症で,腟盲端部を腟入口部まで牽引吻合する単純再建術を施行した.2 例ともに順調に月経がみられている.年長女児でTanner 分類がII~III 度であるにもかかわらず初経発来がなく,間欠的な下腹部痛を訴える症例は子宮腟溜血腫を疑うことが大切である.
著者
大場 恵史 栗田 典之 栢森 豊 田島 雄二 高橋 良彰 野田 一郎 石田 康行 大谷 肇 柘植 新
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.1335-1340, 2002-12-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
17

Structural information of the styrene-ethylene glycol dimethacrylate (St-EGDM) cross-linked copolymers obtained by Pyrolysis-gas chromatography (Py-GC) was compared with those obtained by conventional dynamic mechanical analysis and swelling measurement. The monomer ratios of St/EGDM in the highly cross-linked polymers determined by Py-GC were in fairly good agreement with the monomer feed ratios, while those estimated indirectly by the conventional methods were considerably higher than the feed ratios. Furthermore, the St contents estimated by Py-GC for the polymer samples obtained in low conversion were found to be extremely lower than the feed ratios suggesting that the cross-linking domains would be formed at the early stage of the polymerization. These observations suggest that the network structures of the cross-linked polymers in this work would be inhomogeneous to a great extent mainly due to the potential presence of the cross-linking domains in which EGDM monomer units are localized.
著者
高橋 良彰 池松 龍介
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.120-123, 2006

ポリビニルアルコール (PVA) とポリアルギン酸ナトリウム (ALG) の混合系で, ALG組成を2.4, 9.1, 16.7 wt%と変化させたフィルム試料をキャスト, 乾燥後, 濃度の異なるCaCl<sub>2</sub>水溶液に浸漬して作製した相互侵入網目 (IPN) の力学的性質を引張り試験で検討した. ALGの架橋に由来するヤング率の増分&Delta;<i>E</i>は, ほぼすべてのALGモノマーがCa<sup>2+</sup>と結合するまでCaCl<sub>2</sub>水溶液の濃度の増加とともに単調に増加した. より濃い溶液に浸漬した場合, &Delta;<i>E</i>はほぼ一定となり, その値はALGの重量分率にほぼ比例した. 今回用いた重合度程度までのPVA/ALG混合系ではALGの重量分率20%弱までは組成比によってヤング率をある程度制御でき, またALGの架橋の程度はゲル化させるのに用いるCaCl<sub>2</sub>水溶液の濃度によってある程度は制御できることが明らかになった.
著者
高橋 良彰
出版者
山形大学
雑誌
山形大学歴史・地理・人類学論集 (ISSN:13455435)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.56-89, 2007-03-20

キーワード:旧民法典, 法例, 人事編, 取得編(続), 第一草案, 「家」制度形成