著者
小澤 実奈 村田 伸 窓場 勝之 小西 佑磨 阪本 昌志 高橋 萌 吉田 安香音 安彦 鉄平 白岩 加代子 阿波 邦彦 堀江 淳 甲斐 義浩
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.179-183, 2016-01-31 (Released:2016-03-17)
参考文献数
18
被引用文献数
4 5

要旨:本研究の目的は,最適歩行と最速歩行の歩行パラメーターと下肢筋活動を比較し,それぞれの特徴を明らかにすることである。方法は,健常成人女性15名を対象に,歩行中の大腿直筋,大腿二頭筋長頭,前脛骨筋,腓腹筋内側頭の筋活動量を,表面筋電計を用いて測定した。なお,歩行パラメーターは歩行分析装置を用いて評価した。その結果,歩行パラメーター,筋活動においてすべて有意差を示した。さらに,最適歩行に比べ最速歩行の歩行率は歩幅よりも有意に増加し,立脚時間・両脚支持時間は有意に減少した。下肢の筋活動においては,最速歩行ですべての筋活動が2倍前後増加し,遊脚期の大腿直筋のみ約3倍増加した。以上のことから,歩行速度の増大には,歩行率の増加,立脚期の短縮が大きく関与し,また筋活動では前方への推進力としての役割が強い大腿直筋が大きく影響していることが示唆された。
著者
高橋 萌黄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PC-169, 2021 (Released:2022-03-30)

本研究の目的は,第1に,SNS上で当事者が「メンヘラ」を語ることでどのように「メンヘラ」としてアイデンティティを確立しているのかを明らかにすることである。第2に,「メンヘラ」アイデンティティの在り方を明らかにすることである。第3に,多元的アイデンティティの新モデルを提案することである。動画中心のSNS上で「メンヘラカップル」がカップル間のルールを「掟」として示す動画を対象とし,会話分析を行った。「メンヘラカップル」が「掟」を紹介する過程で,「きついことを言ったら緩める」というパターンが繰り返されていることが示された。そのパターンはいくつかの手法に分類される。1つは,強圧的な言葉で「掟」を強調し,その後すぐに「周囲の理解」という視点から自分たちの行為の認められやすさを主張する手法であった。このように,当事者はSNS上で「メンヘラ」を語るとき,「変わっているけど変わりすぎないライン」を模索していた。「メンヘラ」と「普通の人」としての自己を同時に示すことで,社会からの受容を達成し,「メンヘラ」としてアイデンティティを確立していた。そこから多元的アイデンティティの新モデルの提案を目指した。