著者
小澤 実奈 村田 伸 窓場 勝之 小西 佑磨 阪本 昌志 高橋 萌 吉田 安香音 安彦 鉄平 白岩 加代子 阿波 邦彦 堀江 淳 甲斐 義浩
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.179-183, 2016-01-31 (Released:2016-03-17)
参考文献数
18
被引用文献数
4 5

要旨:本研究の目的は,最適歩行と最速歩行の歩行パラメーターと下肢筋活動を比較し,それぞれの特徴を明らかにすることである。方法は,健常成人女性15名を対象に,歩行中の大腿直筋,大腿二頭筋長頭,前脛骨筋,腓腹筋内側頭の筋活動量を,表面筋電計を用いて測定した。なお,歩行パラメーターは歩行分析装置を用いて評価した。その結果,歩行パラメーター,筋活動においてすべて有意差を示した。さらに,最適歩行に比べ最速歩行の歩行率は歩幅よりも有意に増加し,立脚時間・両脚支持時間は有意に減少した。下肢の筋活動においては,最速歩行ですべての筋活動が2倍前後増加し,遊脚期の大腿直筋のみ約3倍増加した。以上のことから,歩行速度の増大には,歩行率の増加,立脚期の短縮が大きく関与し,また筋活動では前方への推進力としての役割が強い大腿直筋が大きく影響していることが示唆された。
著者
中島 彩 村田 伸 飯田 康平 井内 敏揮 鈴木 景太 中嶋 大喜 中村 葵 白岩 加代子 安彦 鉄平 阿波 邦彦 窓場 勝之 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.133-137, 2016-09-30 (Released:2016-10-22)
参考文献数
18
被引用文献数
1

本研究は健常成人女性14名を対象に,ヒールの高さの違いが歩行パラメータと下肢筋活動に及ぼす影響について検討した。ヒールなしおよびヒール高3cm と7cm 靴を着用した歩行中の歩行パラメータと下肢筋活動を計測した結果,歩行速度および歩幅とストライド長はヒールなし歩行に比べて,ヒール高7cm 歩行で有意に低下した。ヒールなし歩行とヒール高3cm 歩行のそれらの歩行パラメータには,有意差は認められなかった。両脚支持時間は,ヒールなし歩行に比べてヒール高3cm と7cm 歩行で有意に短縮したが,遊脚時間は後者が有意に増大した。下肢筋活動においては,測定した4筋すべてにおいて有意差が認められなかった。以上のことから,ヒール高3cm 以上で歩行中の立脚時間や遊脚時間に影響を与えるが,ヒール高3cm までであれば,歩行速度および歩幅やストライド長には影響が少ないことが示唆された。
著者
中村 葵 村田 伸 飯田 康平 井内 敏揮 鈴木 景太 中島 彩 中嶋 大喜 白岩 加代子 安彦 鉄平 阿波 邦彦 窓場 勝之 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-39, 2016-04-30 (Released:2016-07-29)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

本研究の目的は,歩行中のスマートフォンの操作が歩行に及ぼす影響を明らかにすることである。対象は,健常成人28名(男性16名,女性12名)とした。方法は,通常歩行と歩きスマホの2条件下にて,屋内で約20m の歩行路を歩いてもらい,そのうちの2.4mを測定区間とした。なお,測定機器には,歩行分析装置ウォークWay を用い,歩行パラメータ(歩行速度,歩幅,重複歩長,立脚時間,両脚支持時間,歩隔,足角)を比較した。その結果,歩きスマホは通常歩行に比べて,歩行速度,歩幅,重複歩長が有意に減少,立脚時間と両脚支持時間は有意に増加,歩隔は増加傾向を示した。以上のことから,歩きスマホでは,歩幅や重複歩長が短縮し,立脚時間や両脚支持時間は延長することで,歩行速度が低下することが明らかとなった。
著者
桐野 耕太 安彦 鉄平 川添 里菜 小澤 美奈 和田 真紀 白岩加代子 堀江 淳 阿波 邦彦 窓場 勝之 村田 伸
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.65-69, 2015-07-31 (Released:2015-09-01)
参考文献数
14

本研究の目的は,登山前後における大腿四頭筋の筋疲労について,筋力および筋活動量を用いて検討することである。対象は健常成人15名であった。測定は,登山前と登山後に最大努力下(100%MVC)での等尺性膝関節伸展時の筋力および筋活動量を計測した。さらに,4種類の負荷量(10%,30%,50%,70%MVC)別の筋活動量を測定した。測定値は,ハンドヘルドダイナモメーターを用いた筋力値と,筋電図を用いた大腿直筋,内側広筋および外側広筋の筋活動量とした。その結果,登山後に大腿四頭筋,特に内側広筋と外側広筋に筋疲労が生じる可能性が示された。この要因は,単関節筋である内側広筋と外側広筋が登山において繰り返し使用されたためと考えられた。
著者
林 勇樹 窓場 勝之 村田 伸 安彦 鉄平 井上 遼一 岡本 雄輝 澤田 貴大 村山 寛和 白岩 加代子 阿波 邦彦 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-17, 2017

<p>登山前のスクワット運動が,登山後の大腿四頭筋の筋疲労耐性に与える効果を検討した。対象は健常成人20名とした。登山2週間前に,登山と類似したスクワット運動を行う介入群(10名)と介入を行わないコントロール群(10名)に分類した。大腿四頭筋の筋活動をより強調させるため片脚にて実施した。登山前後に最大随意収縮の50%に相当する大腿四頭筋筋力を91秒間持続させたときの中間周波数を用いて筋疲労を評価した。測定筋は内側広筋,外側広筋,大腿直筋の3筋とし,コントロール群と介入群を比較した。その結果,コントロール群では,登山後に測定したすべての筋が登山前と比べ中間周波数の低下が早期に起こり,筋疲労が確認された。介入群は,単関節筋である内側広筋,外側広筋の中間周波数の低下は早期に起こらず,筋疲労は軽減された。これらのことから,登山前にスクワット運動を行うことで,筋疲労が軽減する可能性が示された。</p>
著者
中島 彩 阿波 邦彦 窓場 勝之 堀江 淳 村田 伸 飯田 康平 井内 敏揮 鈴木 景太 中嶋 大喜 中村 葵 白岩 加代子 安彦 鉄平
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.133-137, 2016

<p>本研究は健常成人女性14名を対象に,ヒールの高さの違いが歩行パラメータと下肢筋活動に及ぼす影響について検討した。ヒールなしおよびヒール高3cm と7cm 靴を着用した歩行中の歩行パラメータと下肢筋活動を計測した結果,歩行速度および歩幅とストライド長はヒールなし歩行に比べて,ヒール高7cm 歩行で有意に低下した。ヒールなし歩行とヒール高3cm 歩行のそれらの歩行パラメータには,有意差は認められなかった。両脚支持時間は,ヒールなし歩行に比べてヒール高3cm と7cm 歩行で有意に短縮したが,遊脚時間は後者が有意に増大した。下肢筋活動においては,測定した4筋すべてにおいて有意差が認められなかった。以上のことから,ヒール高3cm 以上で歩行中の立脚時間や遊脚時間に影響を与えるが,ヒール高3cm までであれば,歩行速度および歩幅やストライド長には影響が少ないことが示唆された。</p>
著者
小西 佑磨 村田 伸 窓場 勝之 阪本 昌志 杉森 信吾 山川 瑠奈 白岩 加代子 安彦 鉄平 阿波 邦彦 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.19-24, 2015-04-30 (Released:2015-06-18)
参考文献数
16

本研究の目的は,安静時の血圧や脈拍を測定する際の適切な安静時間を明らかにすることである。対象は,K大学理学療法学科に所属する健常者27名であり,30秒椅子立ち上がりテスト後の脈拍や血圧の変化を終了直後から30秒ごとに5分間計測した。その結果,脈拍は2分後まで有意な低下を示し,それ以降は有意差を認めなかった。拡張期血圧は,5分間にわたり有意な変動は認められなかった。収縮期血圧は,運動負荷後一旦上昇し下降するパターン(以下,下降パターン:17名)と,運動負荷後一旦下降し上昇するパターン(以下,上昇パターン:10名)に分類された。下降パターンは,直後から2分後までに有意に低下し,それ以降有意差はなくなった。上昇パターンは,直後から30秒後まで有意に上昇し,その後4分30秒後までは有意な変動は認められなかった。5分後有意に低下し,運動負荷直後の数値に近づいた。以上のことから,血圧や脈拍の測定において,開始前の安静時間を設定する際は個々の変動パターンに合わせて安静時間を設定する必要性が示唆された。
著者
阿波 邦彦 堀江 淳 白仁田 秀一 堀川 悦夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.D3P2523, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】 Timed Up and Go Test(以下、TUG)は機能的移動評価として用いられることが多く、起立動作や歩行動作、方向転換を含む複合運動であるため多くの身体機能が影響する.慢性呼吸不全患者の運動機能評価に関する研究で、筋力評価、運動耐容能評価などは多くなされているが、機能的移動評価であるTUGはほとんど検討されていない.しかしながら、慢性呼吸不全患者の多くは高齢者であり、呼吸困難と運動不足による運動機能低下を呈していることがしばしば確認される.本研究では、慢性呼吸不全患者を対象にTUGが慢性呼吸不全患者において評価法の一つに成りえるのかを検討したので報告する.【対象】 対象は当院で呼吸リハビリテーションを実施している慢性呼吸不全患者21名(男性15名、女性6名)とした.平均年齢は77.1±9.2歳、標準体重88.7±11.1%、疾患の内訳として、COPD 11名、塵肺4名、肺結核後遺症3名、びまん性汎細気管支炎2名、気管支喘息1名であった.MRC息切れスケール(以下、MRC)はGrade 2が7名、Grade 3が9名、Grade 4が4名であった.なお、対象の選定においては、重篤な内科的合併症の有する者、歩行に支障をきたすような骨関節疾患を有する者、脳血管障害の既往がある者、その他歩行時に介助を有する者、理解力が不良な者、測定への同意が得られた者なかった者は対象から除外した.【方法】 測定項目はTUG、MRC、肺機能検査、呼吸筋力検査(最大吸気口腔内圧(以下、MIP)、最大呼気口腔内圧(以下、MEP))、上肢筋力として握力、下肢筋力として膝伸展筋力検査、6分間歩行距離(以下、6MWD)、The Nagasaki University Respiratory ADL questionnaire(以下、NRADL)とした.【結果】 TUG測定結果について、全対象者では8.1±2.3秒であった.MRC 2では5.7±0.6秒(n=7)、MRC 3では9.4±2.1秒(n=9)、MRC 4では9.2±1.4秒(n=5)であった.MRC別比較においてMRC 2とMRC 3(p=0.01)、MRC 4(p=0.04)の間に有意差が確認された.また、TUGと身体機能の関係において、MRC 2.9±0.8(r<0.000、p=0.740)、MIP 54.7±29.4cmH2O(r=0.018、p=-0.510)、MEP 80.5±37.5cmH2O(r=0.004、p=-0.600)、膝伸展筋力検査23.0±10.5kgf(r=0.006、p=-0.576)、6MWD 320.0±117.3m(r<0.000、p=-0.719)、NRADL連続歩行距離6.7±2.7(r=0.002、p=-0.634)であった.他の項目では有意な相関は確認されなかった.【まとめ】 TUGとMRC息切れスケール、6MWDとの間に相関を認めたことで、TUGは慢性呼吸不全患者の機能的移動能力を反映することが示唆された.またMRC別比較を行い、MRC 2とMRC 3、4との間に有意差が確認されたことから、重症慢性呼吸不全患者の機能的移動能力の評価としては、より鋭敏に反応する評価であると考えられた.これらよりTUGが慢性呼吸不全患者において評価法の一つに成りえることが示唆された.
著者
阿波 邦彦 堀江 淳 長江 真弥 村田 伸 林 真一郎 今泉 裕次郎 市丸 勝昭 直塚 博行 白仁田 秀一 江越 正次朗 堀川 悦夫
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Db1202-Db1202, 2012

【はじめに、目的】 COPDの骨格筋筋力低下は、全身持久力、ADL、健康関連QOLの低下、予後にも影響している。今回、外出に制限が生じ始める6分間歩行距離400mをもとに、大腿四頭筋筋力を体重で除した体重支持力指数(WBI)のカットオフ値を求めた。そして、そのカットオフ値でCOPD患者を2群に分け、身体機能、身体能力、ADL、健康関連QOLの比較をすることでWBIのカットオフ値の有用性を検討した。【方法】 対象は、研究の参加に同意が得られた男性COPD患者116名であった。平均年齢は74.4±8.7歳、BMIは20.6±3.8、%FEV<sub>1.0</sub>は50.8±23.6%であった。なお、対象の選定は、歩行に支障をきたすような骨関節疾患、脳血管障害や重篤な内科的合併症の有する者、理解力が不良な者、測定への同意が得られなかった者は対象から除外した。主要測定項目はWBIとした。副次測定項目はmMRC息切れスケール、呼吸筋力検査(PImax、PEmax)、握力、片足立脚時間、5m最速歩行時間、Timed Up and Go Test(TUG)、30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)、6分間歩行距離(6MWD)、漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT)、長崎大学呼吸ADL質問票(NRADL)、健康関連QOLはSt George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)とした。予後指標はupdated BODE indexとした。統計学的解析は、外出に制限が生じ始めるWBIのカットオフ値を6MWD-400m以上群と未満群に分け、ROC曲線にて分析した。また、分析されたWBIのカットオフ値でWBI高値群と低値群に分け、2群間にて副次測定項目の比較をStudents' t-testで分析した。なお、帰無仮説の棄却域は有意水準5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は、佐賀大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施し、ヘルシンキ宣言に沿った研究とした。なお、対象には研究の主旨、方法、同意の撤回などについて文書を用いて口頭にて説明したうえで同意を得て実施した。【結果】 外出に制限が生じ始めるWBIのカットオフ値は54.7であった。なお、ROC曲線下面積は0.798、感度は0.735、1-特異度は0.348であった。WBI高値群とWBI低値群における副次測定項目の比較は、mMRC息切れスケール(1.8±1.0vs2.3±1.0、p=0.008)、PImax(85.1±35.3vs56.0±28.8cmH<sub>2</sub>0、p<0.001)、PEmax(82.4±37.5vs54.4±32.1cmH<sub>2</sub>0、p=0.001)、握力(33.5±7.2vs 25.5±7.8kg、p<0.001)、片足立脚時間(67.0±42.0vs 22.7±30.2秒、p<0.001)、5m最速歩行時間(2.9±0.9vs3.9±1.5秒、p=0.001)、TUG(6.0±1.8vs9.1±4.6秒、p<0.001)、CS-30(18.3±4.5vs13.4±5.0回、p<0.001)、6MWD(416.7±110.6vs281.0±139.4m、p<0.001)、ISWT(411.9±170.4vs247.3±149.5m、p<0.001)、NRADL(78.7±20.3vs63.9±26.7点、p=0.001)、updated BODE index(3.7±3.0vs7.4±4.8、p<0.001)に有意差が認められた。しかし、SGRQ(39.3±17.5vs45.9±18.1、p=0.06)には有意差は認められなかった。【考察】 COPD患者における外出に制限が生じ始めるWBIは中等度の予測能を認めた。WBI低値群は、WBI高値群よりも各身体機能、身体能力、ADL、予後指標において有意に低値を認めた。これは先行研究と同様の結果であった。しかし、健康関連QOLに有意差は認められなかった。その原因として、健康関連QOLには筋力などの身体機能以外にも不安や抑うつなどの精神的症状も関与しているためと考えられる。今回の研究では、外出制限を6MWDの測定値で検討しているため、想像の域を脱していないことである。そのため、今後の課題は外出制限の具体的な設定や患者背景を検討してゆく必要がある。【理学療法学研究としての意義】 本研究は、外出に制限を生じ始めるWBIのカットオフ値を推定する一つの指標となりうる可能性が示唆された。しかし本研究では検討課題も多く残された。そのため今後も研究を重ねていき臨床の場面にて活用できるような指標に展開したいと考える。
著者
岩瀬 弘明 村田 伸 阿波 邦彦 松尾 奈々 山﨑 康平 米山 智彦 小松 直正 重田 裕子 窓場 勝之
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.163-167, 2013 (Released:2013-05-24)
参考文献数
22

本研究の目的は,高齢入院患者を対象に,異なる歩行速度における下肢筋力の貢献度を明らかにすることである。方法は,入院中の高齢患者13名を対象に,光学式歩行分析装置を用いて最速歩行と最大低速歩行の歩行パラメーターを計測した。また下肢筋力の代表値として,大腿四頭筋筋力と足把持力を評価した。歩行条件別に下肢筋力との関連を検討した結果,足把持力は最大低速歩行時の歩行率,歩幅,重複歩距離,立脚時間,遊脚時間との間に有意な相関が認められた。一方,大腿四頭筋筋力は最速歩行時の歩行率,立脚時間,遊脚時間との間に相関を示す傾向が認められた。最速歩行時の足趾把持力および最大低速歩行時の大腿四頭筋筋力は,すべての歩行パラメーターと有意な相関は認められなかった。これらの知見から,足把持力は最大低速歩行時の姿勢の安定化に関与している可能性が示された。一方,大腿四頭筋筋力は,身体を前方へ進める推進力としての役割が大きいことが推察された。