- 著者
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福家 真也
渡辺 勝子
酒井 久視
鴻巣 章二
- 出版者
- Japanese Society for Food Science and Technology
- 雑誌
- 日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.1, pp.67-70, 1989-01-15 (Released:2011-02-17)
- 参考文献数
- 28
- 被引用文献数
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かつお節のもつ特有の味の構成成分を解明する目的で,まずエキス成分の詳細な分析を行い,次の結果を得た. (1) 遊離アミノ酸としては,ヒスチジン(かつお節100g中1992mg,以下同様)が多量検出されたが,他のアミノ酸はいずれも50mg以下であった.イミダゾールジペプチドのアンセリン(1250mg)が著量含まれ,カルノシン(107mg)も比較的多量検出された.(ヒスチジンとアンセリンはそれぞれエキス窒素の26%および14%を占めていた.)加水分解により,ほとんどすべてのアミノ酸が著しく増加し,結合アミノ酸の合計量は2657mgに達した.核酸関連物質ではIMP (474mg)およびイノシン(186mg)が主要な成分であった.その他の窒素化合物としてはクレアチニン(1150mg)およびクレアチン(540mg)が著量存在したが,クレアチニンはかつお節製造中にクレアチンから生成したものと推定された.測定された窒素成分の窒素量(2140mg)のエキス窒素(2177mg)に対する回収率は98.3%に達し,エキス中の主要窒素成分の分布はほぼ完全に解明できたものと考えられる. (2) 無窒素成分のうち有機酸としては,多量の乳酸(3415mg)が検出され,その他にコハク酸(96mg),酢酸(52mg)など4種類が認められた.糖としては6成分が検出されたが,いずれも少量であった.無機イオンでは, Cl- (1600mg), K+ (688mg), PO4 3- (545mg)およびNa+ (434mg)が主な成分であった.