著者
植田 信太郎 黒崎 久仁彦 太田 博樹 米田 穣
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

2500年前から2000年前にかけて古代中国の人類集団の遺伝的構成が大きく変化したことを示した我々の先の研究成果を発展させるため、黄河中流(中原)の3000年前ならびに3500年前の遺跡から出土した古人骨のDNA分析をおこなった。その結果、(1) 3500年前から3000年前にかけても変化が起きていたこと、(2) 3500年前と現在の人類集団の遺伝的多様性には違いがみられないこと、が明らかになった。
著者
黒崎 久仁彦
出版者
東邦大学
雑誌
東邦醫學會雜誌 (ISSN:00408670)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.262-263, 2005-07-01

医師法では医師の異状死届出が義務づけられているが,異状死に関する具体的な判断基準がいまだに確立されていないこともあり,実際の医療現場において相当数の安当性を欠く異状死取扱いが行われている。近年,医療行為に関連した死亡例について,どこまでが異状死であるかの解釈を巡って医学界内で論議を呼んでいるが,このような医療関連死に立会った医師は,医療上のミスの有無だけではなく,患者家族の十分なインフォームド・コンセントが得られているかという点も考慮した上で,異状死届出の必要性を判断しなければならない。最近の医療関連死の増加に伴い,医学的および法的にこれらの症例を適切に処理することができる中立的専門機関の早急な設立が期待される。