著者
杉本 直樹 多田 敦子 黒柳 正典 米田 祐子 尹 永淑 功刀 彰 佐藤 恭子 山崎 壮 棚元 憲一
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.56-62, 2008-02-29 (Released:2008-03-14)
参考文献数
6
被引用文献数
3 5

グレープフルーツ種子抽出物(grapefruit seed extract: GSE)は既存添加物名簿に収載されている天然添加物である.最近,GSEが食中毒の原因ウイルスとして重要なノロウイルスに対する不活化効果を有することが報告されて以来,食品業界で注目されている.一方,海外において,GSE中に合成殺菌剤である塩化ベンゼトニウム(BZT-Cl)または塩化ベンザルコニウム(BZK-Cl)が検出されることが報告されている.そこで,われわれは,わが国に流通しているGSE製品の実態を早急に確認するため,食品添加物(6社13製品),化粧品配合剤(10社16製品),GSE配合健康食品(4社5製品)および除菌・消臭スプレー(7社7製品)中のベンゼトニウム(BZT)およびベンザルコニウム(BZK)の存否についてNMRおよびLC/MSにより調査した.その結果,41製品中38製品よりBZT(食品添加物からBZT-Cl換算で最高39.1%)またはBZK(食品添加物からBZK-Cl換算で最高13.9%)が検出されたことから,わが国に流通するGSE製品の多くがBZTまたはBZKを含有している可能性が高いと考えられた.
著者
猪谷 富雄 藤田 琢也 玉置 雅彦 黒柳 正典 藤井 義晴
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.316-323, 1999-12-01
参考文献数
8

タデ科, カタバミ科, アカザ科, シュウカイドウ科, バショウ科の体内に比較的高濃度のシュウ酸塩を含むことが知られている植物種(以後, 本論文ではシュウ酸植物と記す)計53種を供試し, それらの乾燥葉から滲出する物質のレタス初期生育に対するアレロパシー活性をサンドイッチ(SW)法によって検定した。SW法では供試植物乾燥葉を0.5%寒天中に包理後, 検定植物の種子をその上に播種し, 20℃で3日後の幼根長と下胚軸長を測定し, その伸長程度(対照区比)によって供試植物のアレロパシー活性を評価した。その結果, ショウ酸植物にはアレロパシー活性に関して大きな種間差異がみられ, 特にカタバミ科とシュウカイドウ科Begonia属において最も活性が強く, ほとんどの種で乾燥葉からの滲出物がレタスの幼根伸長を90%以上抑制した。次に, アレロパシー検定に供試したシュウ酸植物のうち18種の総シュウ酸含量(水溶性および不溶性を含む)を測定し, 上記SW法における幼根長の対照区比との関係を検討した。その結果, シュウ酸植物の総シュウ酸含量には大きな種間差異が存在し, かつほとんどの植物種については総シュウ酸含量とそのレタスの幼根伸長の対照区比との間には有意な負の相関が認められた。従ってシュウ酸植物の示すアレロバシー活性の一因は体内のシュウ酸であることが示唆された。一方, 数種のシュウ酸植物については上記の相関関係から逸脱するものも存在したので, これら植物のアレロパシー活性には, 植物体中の総シュウ酸の化学的形態の違いや他の抑制物質が関与している可能性が推察された。
著者
杉本 直樹 多田 敦子 黒柳 正典 米田 祐子 尹 永淑 功刀 彰 佐藤 恭子 山崎 壮 棚元 憲一
出版者
[日本食品衛生学会]
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.56-62, 2008 (Released:2011-07-27)

グレープフルーツ種子抽出物(grapefruit seed extract:GSE)は既存添加物名簿に収載されている天然添加物である。最近、GSEが食中毒の原因ウイルスとして重要なノロウイルスに対する不活化効果を有することが報告されて以来、食品業界で注目されている。一方、海外において、GSE中に合成殺菌剤である塩化ベンゼトニウム(BZT-Cl)または塩化ベンザルコニウム(BZK-Cl)が検出されることが報告されている。そこで、われわれは、わが国に流通しているGSE製品の実態を早急に確認するため、食品添加物(6社13製品)、化粧品配合剤(10社16製品)、GSE配合健康食品(4社5製品)および除菌・消臭スプレー(7社7製品)中のベンゼトニウム(BZT)およびベンザルコニウム(BZK)の存否についてNMRおよびLC/MSにより調査した。その結果、41製品中38製品よりBZT(食品添加物からBZT-Cl換算で最高39.1%)またはBZK(食品添加物からBZK-Cl換算で最高13.9%)が検出されたことから、わが国に流通するGSE製品の多くがBZTまたはBZKを含有している可能性が高いと考えられた。
著者
杉本 直樹 多田 敦子 黒柳 正典 米田 祐子 尹 永淑 功刀 彰 佐藤 恭子 山崎 壮 棚元 憲一
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.56-62, 2008
被引用文献数
5

グレープフルーツ種子抽出物(grapefruit seed extract: GSE)は既存添加物名簿に収載されている天然添加物である.最近,GSEが食中毒の原因ウイルスとして重要なノロウイルスに対する不活化効果を有することが報告されて以来,食品業界で注目されている.一方,海外において,GSE中に合成殺菌剤である塩化ベンゼトニウム(BZT-Cl)または塩化ベンザルコニウム(BZK-Cl)が検出されることが報告されている.そこで,われわれは,わが国に流通しているGSE製品の実態を早急に確認するため,食品添加物(6社13製品),化粧品配合剤(10社16製品),GSE配合健康食品(4社5製品)および除菌・消臭スプレー(7社7製品)中のベンゼトニウム(BZT)およびベンザルコニウム(BZK)の存否についてNMRおよびLC/MSにより調査した.その結果,41製品中38製品よりBZT(食品添加物からBZT-Cl換算で最高39.1%)またはBZK(食品添加物からBZK-Cl換算で最高13.9%)が検出されたことから,わが国に流通するGSE製品の多くがBZTまたはBZKを含有している可能性が高いと考えられた.
著者
黒柳 正典 梅原 薫 柴田 和利 砂山 玲子 遠藤 深春 佐藤 裕子 白須 直美 上野 明
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.36, pp.9-16, 1994-09-20

Although much attention has been given to cell differentiation inducers as new types of anti-tumore agent, only a few studies has been reported on differentiation inducers from plant sorces. Therefore, we have searched for naturally occouring substances which induce differnciation of leukemia cells. From Condurango Cortex (Marsdenia condurango) (Asclepidaceae) and Periplocae Cortex (Periploca sepium B.) (Asclepidaceae), many kids of pregnan derivatives and some cardenolides. From withania (Withania somnifera) (Solanaceae) (using Indian market withania and withania cultivated at the medicinal plant garden of this university), more than thirty kinds of withanolides were isolated. From Physalis alkekengi (Solanaceae), physalin and neophysalin derivatives were isolated. Structural elucidation of these 60 kinds of steroid derivatives were carried out by means of spectral methods, especially using NMR spectroscopy including H-H COSY, H-C COSY, HMBC, NOE technics. These steroidal derivatives were tested on cell differentiatio inducing activity against mouse myeloid leukemia (M1) cells. Many kinds steroid derivatives showed the activity. Of these active compounds, some kinds of withanolids, 27, 33, 34 and 35 having 4β-hydroxy-5β,6β-epoxy-2-en-1-one structure of AB ring, showed potent differentiation inducing activity.
著者
杉本 直樹 黒柳 正典 加藤 貴史 佐藤 恭子 多田 敦子 山崎 壮 棚元 憲一
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.76-79, 2006-04-25 (Released:2008-08-04)
参考文献数
12
被引用文献数
4 17

天然ガムベースとして使用されるサンダラック樹脂は,既存添加物名簿収載品目リストに「ヒノキ科サンダラック(Tetraclinis articulata (VAHL.) MAST.)の分泌液からエタノール抽出により得られたもので,主成分はサンダラコピマール酸である.」と記載されているが,成分組成について十分に検討されていない.そこで,サンダラック樹脂中の主要成分について検討し化合物1, 2, 3を単離し,スペクトルデータよりそれぞれサンダラコピマール酸,サンダラコピマリノール,4-エピデヒドロアビエチン酸と同定した.また,サンダラック樹脂製品中のサンダラコピマール酸をHPLCにより定量した結果,含有量は11.6%であった.
著者
猪谷 富雄 藤田 琢也 玉置 雅彦 黒柳 正典 藤井 義晴
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.316-323, 1999-12-28 (Released:2009-12-17)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2 2

タデ科, カタバミ科, アカザ科, シュウカイドウ科, バショウ科の体内に比較的高濃度のシュウ酸塩を含むことが知られている植物種 (以後, 本論文ではシュウ酸植物と記す) 計53種を供試し, それらの乾燥葉から滲出する物質のレタス初期生育に対するアレロパシー活性をサンドイッチ (SW) 法によって検定した。SW法では供試植物乾燥葉を0.5%寒天中に包埋後, 検定植物の種子をその上に播種し,20℃で3日後の幼根長と下胚軸長を測定し, その伸長程度 (対照区比) によって供試植物のアレロパシー活性を評価した。その結果, ショウ酸植物にはアレロパシー活性に関して大きな種間差異がみられ, 特にカタバミ科とシュウカイドウ科 Begonia 属において最も活性が強く, ほとんどの種で乾燥葉からの滲出物がレタスの幼根伸長を90%以上抑制した。次に, アレロパシー検定に供試したシュウ酸植物のうち18種の総シュウ酸含量 (水溶性および不溶性を含む) を測定し, 上記SW法における幼根長の対照区比との関係を検討した。その結果, シュウ酸植物の総シュウ酸含量には大きな種間差異が存在し, かつほとんどの植物種については総シュウ酸含量とそのレタスの幼根伸長の対照区比との間には有意な負の相関が認められた。従ってシュウ酸植物の示すアレロパシー活性の一因は体内のシュウ酸であることが示唆された。一方, 数種のシュウ酸植物については上記の相関関係から逸脱するものも存在したので, これら植物のアレコパシー活性には, 植物体中の総シュウ酸の化学的形態の違いや他の抑制物質が関与している可能性が推察された。