著者
米山 陽子 三星 沙織 黒瀬 真弓 平尾 和子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2022年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.12, 2022 (Released:2022-09-02)

【目的】近年、菓子類にも健康機能を付加するものが増えているが、米菓には少ない。本実験では、生活習慣病の予防に効果的でありながら、日本人の1日の摂取目標量が不足している食物繊維に注目し、糖質が主成分である米菓への水溶性食物繊維を添加することによる影響について検討した。【方法】既報の方法を用いて、国産米菓用うるち米をロール法粉砕した米粉(40メッシュ)に、水溶性食物繊維イソマルトデキストリン((株)林原)を5%および10%添加したせんべいを調製した。物性は,テクスチャー測定と破断特性測定(RE2-3305B:山電(株))を行い、実体顕微鏡((株)島津理化STZ-171)による組織観察も行った.官能評価は7段階評点法を用い、教職員専門パネル10~20名で評価した。【結果・考察】米粉にイソマルトデキストリンを10%添加すると、焼成前の生地は付着性が低下し、せんべいはコントロールに比べて破断応力およびもろさが大となった。せんべいの生地の硬さとせんべいの破断応力・もろさの間には、それぞれ危険率5%で有意の相関が認められた。実体顕微鏡による組織観察では、イソマルトデキストリンを添加したせんべいは組織が緻密で細かい気泡が多く観察された。官能評価では、試料間に有意の差はなくコントロールと同等の評価を示したが、自由記述においては、10%添加することにより、サクサク感やザクザク感などの好ましい食感を示す旨の記述がみられた。これらの結果より、せんべいの副原料の一つとしてイソマルトデキストリンを添加することは、新たな付加価値を付与するとともに、「高い旨」の栄養強調表示に相当する10%を添加してもコントロールと同等に製造できることが示唆された。
著者
升井 洋至 濱谷 風香 小泉 采音 黒瀬 真弓 渡邊 光
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】食物繊維は生活習慣病の予防に重要な役割を果たす成分として知られているが,現代の日本人の食物繊維摂取状況は,1日の摂取目標量に対して不足している。今回は,食品への水溶性食物繊維イソマルトデキストリン添加の調理品への影響について,テクスチャー測定,色差測定,官能評価による検討を実施した。<br><br>【方法】試料としては,レシピサイトを参考に作成した牛乳寒天,チーズケーキ,マフィン,マヨネーズを対象とした。食物繊維の栄養強調表示において「含む(3%)・高い(6%)」に相当するイソマルトデキストリン((株)林原)を添加した試料と未添加試料の三種類を作成した。テクスチャー測定はRHEONERⅡ(山電製,RE2-3305B,プランジャー直径20mm)により行った。色差測定は測色色差計(日本電色工業製,NE4000)により行った。<br><br>【結果及び考察】イソマルトデキストリン添加により色差測定では,チーズケーキ,マフィンで*a値が高くなり,焼き色がついた。物性測定では,無添加に対して,マフィンはかたくなったが,それ以外は軟らかくなった。官能評価では,牛乳寒天は添加によって,甘さ,飲み込みやすさが高い評価となり好まれる傾向を示した。マフィンでは,外観は高い評価となり,しっとり感,総合評価はやや評価が低くなった。牛乳寒天,チーズケーキ,マフィン,マヨネーズそれぞれで,イソマルトデキストリンを添加した試料であっても,無添加の試料に比して十分なものが作成できた。<br> 本実験により,イソマルトデキストリンの,幅広い食品への利用可能性が確認できた。
著者
安川 人央 中野 智彦 黒瀬 真 信岡 尚 井上 雅央
出版者
奈良県農業総合センター
雑誌
奈良県農業総合センター研究報告 (ISSN:18821944)
巻号頁・発行日
no.41, pp.29-33, 2010-03

シカ出没圃場におけるキャベツ栽培で、農地を効率的に活用するために、柵の設置の有無が耕起や移植にかかる作業時間と定植苗数に及ぼす影響並びに、肥料制限苗の定植直後のシカ被害軽減効果を調査した。キャベツの定植苗数は柵設置圃場に比べて柵未設置圃場で多く、耕起と定植に要した作業時間は、柵設置圃場に比べて柵未設置圃場で短かった。キャベツのシカによる被害には、食害と踏害があった。また、肥料制限苗の草丈および最大葉長は、慣行苗に比べて小さく、定植直後の食害株率は、春植えと秋植えの両作型ともに、慣行苗に比べて明らかに小さかった。さらに定植直後の踏害株率は、春植えと秋植えの両作型ともに、慣行苗に比べて小さい傾向が見られた。肥料制限苗のみを定植した場合、定植直後の食害株率はいずれの定植時期でも1%未満と小さかった。しかし、シカの出没が多い場合、少ない時期に比べて踏害株率が大きかった。これらから、シカ出没圃場において、キャベツ肥料制限苗を利用することで、慣行苗に比べてシカによる食害が軽減できることから、柵の設置を定植後に行うことが可能となり、柵設置圃場に比べ、耕起や定植時の作業性が良くなるとともに圃場全体を有効に活用できると考えられる。
著者
黒瀬 真之輔 佐々木 邦雄 角田 信昭 大屋 国益 小山 正信 池本 和人 東 良輝 内藤 正俊
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.527-531, 1980-01-10 (Released:2010-02-25)
参考文献数
10

Injuries to the thoracic and lumbar spine may result in severe instability with progressive neurologic defecit. Attention must be directed not only to restoring or improving neurologic function where possible, but also to promoting bony stability.We have carried out one stage decompression-stabilization procedure consisted of Harrington and anterior spinal fusion with anterior decompression in a total of 6 patients. All 6 of these with thoraco-lumbar spinal injuries had a neurogic defecit.The results have shown to be beneficial in restoring spinal alignment, allowing early mobilization of the patients, shortening rehabilitation, preventing the late complications of increasing deformity in all patients and recovering neurologic function in 4 cases with incomplete neurologic defecit.