著者
本山 美由紀 小野 玲 井上 順一朗 牧浦 大祐 三輪 雅彦 黒坂 昌弘 宇佐美 眞 黒田 大介
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.711-715, 2010

〔目的〕本研究の目的は食道癌患者の術前と退院時における倦怠感,心理状態,QOLの変化について検討し,さらに倦怠感と心理状態およびQOLの相互関係について検討することである。〔対象〕食道再建術を施行した食道癌患者20名。〔方法〕倦怠感,心理状態(抑うつ,自覚ストレス),QOLについて質問紙を用いて評価した。術前と退院時の比較についてpaired t testを用い,倦怠感と心理状態およびQOLとの相互関係についてはPearsonの積率相関係数を用いて検定した。〔結果〕倦怠感は術前から退院時かけて強くなっていた。抑うつ,ストレス,QOLに関しては術前から退院時まで有意な変化が認められなかった。相互関係については,倦怠感と自覚ストレス,倦怠感とQOLに相関関係が認められた。〔結語〕倦怠感,心理状態,QOLを評価することは,患者の状況を十分に把握し,心理面に配慮したリハビリテーションを実施する上で重要であると考えられる。<br>
著者
黒田 大介 御手洗 容子 小野 嘉則
出版者
鈴鹿工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

L-605合金はその優れた高温強度および高温耐酸化性から人工衛星に搭載される一液触媒式スラスタの構成材料として使用されている。しかしながら、本合金をN_2およびNH_3の存在する高温環境中に暴露した場合には著しい劣化が生じることが問題となっている。本研究では、Nを含む環境中で熱処理したL-605合金のミクロ組織、力学的特性などを評価し、L-605合金の劣化機構の解明を試みた。N_2ガス雰囲気中で1173Kの温度で86.4ks以上の熱処理を施したL-605合金では硬くて脆いCr窒化物およびW炭化物の析出が認められた。また、L-605合金の力学的特性は熱処理時間の増加にともない低下した。これらの結果から、L-605合金の劣化にはCr 窒化物だけでなくW炭化物が寄与していることを明らかにした。
著者
森本 大樹 川崎 健太郎 高瀬 至郎 神垣 隆 生田 肇 黒田 大介 黒田 嘉和
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.1617-1622, 2006 (Released:2011-06-08)
参考文献数
40
被引用文献数
5 4

症例は51歳の女性で, 右下腹部痛を主訴に当科を受診した. 右下腹部に圧痛を認めたが, 腹膜刺激症状は認めなかった. 血液検査では軽度の炎症所見を認めるのみであったが, 腹部超音波検査で右下腹部に腫大した虫垂と思われる所見を認めたため, 急性虫垂炎と診断し緊急手術目的にて同日入院となった. 開腹すると, バウヒン弁よりやや肛門側の上行結腸の腸間膜対側にピンホール様の孔と膿瘍を認め, その腸間膜側は穿通して間膜内に膿瘍形成をしていた. 腸管内腔に細い棒状の異物を触知したため異物誤飲による消化管穿孔と診断し, 回盲部切除術, 腹腔洗浄ドレナージを行った. 異物は爪楊枝であった. 急性腹症の診察においては, 異物誤飲の可能性を念頭におく必要があると思われた.
著者
黒田 大介
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.T21-T24, 1987-03-05
被引用文献数
9 5

環境分析技術協議会会員33機関による作業環境中の有機溶剤測定法の共同実験を行った.2〜3成分の溶剤蒸気を合む合成試料8種類を調製し,これを活性炭管法で採取したものを分析試料とした.4回の実験でメタノール,酢酸エチル,メチルエチルケトン,ベンゼン,トルエン,パラキシレンの6成分の活性炭管での回収率を調べた結果,メタノール,メチルエチルケトンでは平均20%と56%でかなり悪いが,他の成分はいずれもほぼ完全に回収できた.又,活性炭管に採取した試料は1週間後でも変化せず保存性はすべての成分について良好であった.GC分析における誤差要因として検量線の変動を検討し,特に試料注入量の変動と偏りが大きいことを確かめた.更にマイクロシリンジを用いた標準液調製法の精度を検討して良好な結果を得た.