著者
齊藤 信夫
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.94, no.5, pp.647-653, 2020-09-20 (Released:2021-04-01)
参考文献数
19

インフルエンザワクチンを毎シーズン連続して接種するとワクチン効果が減弱するかもしれないという議論がある.我々は,過去の感染を考慮したうえでこの現象を検討する臨床疫学研究を行った.その結果,9~ 18 歳の若年者において,連続接種者のワクチン効果は当該シーズンのみ接種したものに比べ,優位に低いことが示された.また,ワクチン効果は過去のワクチン接種回数に用量依存的に低下していた.この現象は,ワクチン株間の抗原差が小さく,ワクチン株と流行株の抗原差が大きくなった場合(抗原変異)に若年者におこりやすい可能性があり,更なる検討が必要である.
著者
西園 晃 アハメド カムルディン 齊藤 信夫 山田 健太郎 鈴木 基 グエン キューアン パカマッツ カウプロッド エリザベス ミランダ
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

東南アジアにはイヌ肉を食する文化があり、感染犬とその食肉の取り扱いに伴う狂犬病感染リスクが想定されるが、実態は全く知られていない。3年間の計画で、ベトナム、フィリピンでのイヌ肉取り扱いによる非定型狂犬病曝露の可能性、リスク因子の解析を行った。その結果、これらの国では動物咬傷に依らずイヌ肉を食するまたはその肉を扱うことで、狂犬病ウイルスに感染する非定型的な感染様式が存在することが明らかになった。特にベトナムのイヌ食肉市場従事者の中には、イヌからの咬傷曝露歴や狂犬病ワクチン接種歴がないにもかかわらず狂犬病ウイルスに対する抗体を有し、微量のウイルスの曝露による不顕性感染が成立したと考えられた。
著者
齊藤 信夫
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

インフルエンザ流行防止策として学級閉鎖の効果を解析するため、閉鎖状況の情報収集を行ったが、解析に十分な閉鎖回数、期間がみられなかった。今後、他地域でも情報収集を行う必要がしめされた。流行防止対策として、最も重要であるワクチンの効果について解析を行った結果、ワクチンの発症防止効果は2011/2012~2013/2014シーズンでインフルエンザAに対して32%、Bに対して13%と低い防御効果であった。ワクチン効果が低い要因として、毎年、連続してワクチンを接種するとワクチン効果が用量依存的に下がるということを統計学的に示すことが世界で初めてでき、感染症領域で最も権威ある国際誌で発表した。