著者
齋藤 真由 白岩 祐子 唐沢 かおり
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.1704, (Released:2018-01-13)
参考文献数
38
被引用文献数
3

本研究の目的は,市民の司法参加に対する認知構造を,広瀬(1994)の要因関連モデルなどで提出されている3つの評価の枠組みから把握するとともに,それらが参加意欲に与える影響を明らかにすることである。本研究が着目した3つの評価とは,市民における知識や経験の有無に関する「実行可能性評価」,負担感についての「コスト評価」,市民による司法参加の効用についての「ベネフィット評価」である。都内の大学生74名を対象とする予備調査で得られた自由回答をもとに,司法参加に対するさまざまな認知を収集し,上記3つの評価に分類した。本調査は都内の大学生を中心とする206名を対象に実施した。因子分析の結果,実行可能性評価とベネフィット評価に関する因子はそれぞれ4つ,コスト評価に関する因子は1つが得られた。その中でもベネフィット評価に含まれる「親和性の向上」と「透明性の向上」が参加意欲を高め,実行可能性評価に関する「知識・経験の欠如」とコスト評価に関する「責任の重さ」が参加意欲を低下させていることが明らかになった。これらの結果にもとづき,今後研究が進むべき方向性について議論した。
著者
木村 百合香 齋藤 真由
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.41-47, 2021-01-18 (Released:2021-03-15)
参考文献数
5

摂食嚥下障害診療は医師(主治医・リハビリテーション科医・耳鼻咽喉科医),歯科医師,言語聴覚士,理学療法士,作業療法士,看護師,薬剤師,その他多くの医療職が関与し円滑なチーム医療を行うことで初めて成り立つ.チームの構築には「テクニカルスキル」「ノンテクニカルスキル」の両面からのアプローチが求められる.2020年度の診療報酬改定では,摂食機能療法において,摂食嚥下機能に障害のある者に対する多職種チームによる介入を評価する「摂食嚥下支援加算」が新設されたことから,各施設において摂食嚥下障害診療のチーム医療への積極的な参加が望まれる.
著者
齋藤 真由 白岩 祐子 唐沢 かおり
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究
巻号頁・発行日
2018
被引用文献数
3

<p>本研究の目的は,市民の司法参加に対する認知構造を,広瀬(1994)の要因関連モデルなどで提出されている3つの評価の枠組みから把握するとともに,それらが参加意欲に与える影響を明らかにすることである。本研究が着目した3つの評価とは,市民における知識や経験の有無に関する「実行可能性評価」,負担感についての「コスト評価」,市民による司法参加の効用についての「ベネフィット評価」である。都内の大学生74名を対象とする予備調査で得られた自由回答をもとに,司法参加に対するさまざまな認知を収集し,上記3つの評価に分類した。本調査は都内の大学生を中心とする206名を対象に実施した。因子分析の結果,実行可能性評価とベネフィット評価に関する因子はそれぞれ4つ,コスト評価に関する因子は1つが得られた。その中でもベネフィット評価に含まれる「親和性の向上」と「透明性の向上」が参加意欲を高め,実行可能性評価に関する「知識・経験の欠如」とコスト評価に関する「責任の重さ」が参加意欲を低下させていることが明らかになった。これらの結果にもとづき,今後研究が進むべき方向性について議論した。</p>
著者
齋藤 真由美 土屋 直樹 中嶋 宏 江森 泰子 大坪 豊 金澤 亜依 金岡 秀信
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.67-70, 2014 (Released:2015-04-01)

基礎体温は排卵日や妊孕性を推定でき、かつ家庭での測定が簡便なことから、長きに亘り女性の妊娠を支援する生体指標として活用されてきた。近年では、ICTの進化により、簡便に測定し、その記録をネットワークに蓄積できる環境が普及したことで、その活用方法が広がりつつある。我々も月経開始日と基礎体温の記録に基づき、個々の女性の日常生活における健康管理を支援するアプリケーションを開発した。本稿ではこのアプリケーションが提供する、月経開始日および排卵日を予測する技術を示す。この予測技術は、複数の過去の月経周期日数、各々の基礎体温変動から推定された排卵日の実績を用い、次回の月経開始日、排卵日を予測するものである。加えて、本稿はこのアプリケーションで蓄積された膨大な月経周期と基礎体温の記録を用い、月経周期日数と年齢やBMIなどとの関係を示す。今後、このように蓄積されたデータから得る知見を活用することで、予測性能を向上させるだけではなく、女性の健康管理を支援するライフスタイルの提案といった新たな機能の実現が期待される。