著者
星野 力 丸山 勉 HUGO deGaris 徳永 幸彦 佐倉 統 池上 高志 葛岡 英明
出版者
筑波大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

本研究課題でなされた研究をいくつかのカテゴリーに分け、概要を記す。(1)自己複製・自己組織化○マシンによって書き換えられるテープと、テープによって書き換えられるマシンの共進化を研究した。(池上)○自己複製のモデルを観察し、その条件とクラス分けを行なった。(田中、津本)○生物(大腸菌、酵素)による無細胞自己増殖系を実験した。(2)群と生態、進化○魚相互間の運動が創発的に出現する観察を行ない魚群行動を調べた。(三宮、飯間、中峰)○自然界の進化の特徴である進化と共に丸くなる適応度地形を考察した。(徳永)○個体の繁殖と分散のみを仮定した人工生命的シミュレーションを行った(河田)○多重遺伝子族におけるコピー数の増加シミュレーションを行ない、種々の遺伝的冗長性を調べた。(館田)(3)中立進化と頑健性○8つの赤外近接センサーと2つの車輪からなるロボットの行動モデルにおける中立変異の爆発的発現を解析した。(星野)○ロボットの行動進化において、フラクタル性と頑健性との関係を明らかにした。未解決の難問(3階層以上の多段創発の困難)を指摘した。(佐倉)(4)その他○ニューライトネットの進化を10万ニューロンの回路を進化させることで研究した。(deGaris)○細菌の走行性を支える分子機構をシミュレーションによって再現した。(大竹、辻、加藤)○脊椎植物の力学対応進化学を確立した。(西原、松田、森沢)○所要時間最短という利己的な行動を行なうカ-ナビの設計を研究した。(星野、葛岡)○FPGA(適応的に構造を再構成するゲートアレイ)を多数並列に結合しテープとマシンの共進化モデルを長時間計算しようとしている。(丸山)