著者
西 正孝 山西 敏彦 林 巧
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.115-120, 2004-02-28
参考文献数
36

<p> 核融合炉開発は進展し, 国際熱核融合実験炉ITERの工学設計が完成して建設活動を始めるべく準備が進められている。現在, 開発を進めている核融合炉は重水素とトリチウムを燃料とするが, トリチウムは放射性気体であり, また, 天然には稀少であるため, 核融合炉内で消費量に見合う量の生産を行う。このため, トリチウムの有効利用とその取り扱いに係る安全を確保するトリチウム・システムの開発は核融合炉の実現に必要不可欠である。本稿では, 核融合炉のトリチウム・システムについて, ITERのトリチウム・システムの設計とその技術基盤を中心に紹介するとともに, 今後の課題について述べる。</p>
著者
黒澤 龍平
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.477-482, 1975-09-30 (Released:2010-04-19)
参考文献数
24
著者
天野 治
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.759-765, 2006-10-30
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

<p> 石油は1次エネルギーの40%を占め, われわれの生活を豊かなものにしている。ところが, われわれ人類は, 石油をこの50年で半分使いつつある。それも取り出しやすい, 経済的なものから使っている。残っているものは, 取り出すためにエネルギーがかかるものである。得られるエネルギーを取り出すためのエネルギーで除したものがEPR (energy profit ratio, エネルギー収支比) である。EPR=1はエネルギーを得るのと, 取り出すためのエネルギーが同じことを意味する。これは, 益がない。取り出すためのエネルギーとして, そのためにかかるすべての項目を可能な限り算定する。燃料の採掘, 輸送, 発電所の建設, 運転, 補修, 廃炉, 廃棄物処理・処分までを含む。EPRが高いことは, 石油の代替として有力な候補となる。</p><p> ウラン濃縮に遠心分離法を用いた原子力発電はEPRが高い。従来のガス拡散法はウラン濃縮に莫大なエネルギーが必要となり, 人力エネルギーを大幅に増加させるため, EPRは低くなる。EPRを高めるには, 出力エネルギーを増加させることも有効な方法である。具体的には, 稼働率を向上させること, 定格出力を上げることである。</p><p> 風力発電や太陽光発電のEPRは高くはない。これは, 風の強さ, すなわち出力エネルギーが定格の60%以下と低いことと稼働率が低いことによる (風力は風が吹いている間, 太陽光は日中のみ)。LNGは気体であり, 輸送のために液化するエネルギーを費やすので, 石油火力や石炭に比べてEPRは低い。</p>
著者
山路 昭雄 沼田 茂生 斉藤 鉄夫
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.555-563, 1987

A design method is described for the Fe compensational shield which is located around a straight duct in concrete shield wall against &gamma; radiation to compensate the lowering of shielding efficiency caused by the duct. The method has been applied to the configuration, where the source area is not viewed through the duct from the detector point at the duct exit. The form of the compensational shield was determined depending on the wall thickness, the duct diameter, the incident angle of &gamma;-ray beam to the wall, and the densities of the concrete and Fe. An experiment for the compensational shield was performed in the Dry Shielding Facility at JRR-4. The measured dose rates behind the wall were reduced effectively by the compensational shield, so that the maximum dose rates became only slightly higher than that of the bulk shield wall and the dose rates higher than the maximum dose rate for bulk shield wall were restricted only in the area near the duct exit. The experimental results have been analyzed using a multigroup &gamma;-ray single scattering code G33YSN.
著者
石井 吉徳
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.193-199, 2005-03-30
参考文献数
1
被引用文献数
2

<p> 昨年 (2004年) 9月9日 東京プレスセンターで日本原子力学会再処理リサイクル部会主催の講演会を開催した。前半の講演者米国原子力学会のベネデクト博士が「米国は燃料リサイクル (再処理) の研究開発を本格化すること, さらに輸送に使われる石油 (ガソリン) の1/4を原子力でまかなう計画である」と述べた。米国の方針転換の背景には, 安くて豊かな石油時代が終わることをきちんと認識しているからであろう。後半の石井吉徳氏の講演を同時通訳のイヤホンを耳に当て, しきりにうなづいていた。</p><p> その貴重な講演を文章にしていただいた。</p><p> 「40年前も, 石油資源はあと40年しか持たないといったではないか」, 「国際機関IEAでは, まだまだ大丈夫といっているではないか」, 「メタンハイドレードなど代替資源もあるではないか」との疑問にも適切に答えていただいた。</p><p> 車社会米国では石油の7割以上が輸送に使われている。日本でも石油の4割以上が輸送に使われている。車社会からわれわれはどのように脱皮していくのか。便利なガソリンの代替をどうするのか。現在の農業も大型機械や肥料など石油が支えている。天然ガスも10から20年遅れてピークを迎える。天然ガスは発電の1/3を占める。この影響も大きい。</p><p> リサイクルも熱力学から見れば, 流れが逆であり, その分エネルギーが要る。今の社会は, 安くて豊富な石油で成り立っている。われわれの生活にどのような影響があるか。どのような対策, 研究が必要か。みんなが考える問題である。本稿は皆様に考える原点を与えてくれるものと信じる。</p><p> 石油減耗への対策は, まだ世界的に解が得られていない。このような挑戦的な問題こそ, 大学, 研究機関が競って, 研究すべき課題である。</p>
著者
伊原 義徳
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.266-271, 2004-04-30
参考文献数
20

<p> 敗戦後, 禁止されていた我が国の原子力研究開発は,「アトムズ・フォア・ピース」の呼び掛けによる原子力平和利用の波に乗り, 1956年の原子力基本法の制定, 発電炉の導入と活発化した。研究が進むにつれて, 国産動力炉開発の必要性が認められ, 動力炉・核燃料開発事業団が設立された。他方, 原子力船の開発は, 放射線漏れで停滞し, 十数年後にようやく実験航海を達成した。動燃は, 高速炉でナトリウム漏れを起こし, 対応を誤ったため体制見直しとなった。原子力は安全から安心への時代となり, 誤報問題への対応が重要となった。原子力施設の安全実績は十分確立されているが, 日本文化の特殊性により, それが十分理解されていない。我が国では, 原子力発電が基幹エネルギー源として定着し, 原子力技術は世界最高水準である。不祥事により意気が阻喪することのないよう, 関係者の奮起を望む。</p>
著者
大野 勝巳 安藤 将人 小竹 庄司 長沖 吉弘 難波 隆司 加藤 篤志 中井 良大 根岸 仁
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.685-712, 2004-10-30
参考文献数
6
被引用文献数
1

<p> 核燃料サイクル開発機構は, 電気事業者などの参画を得て, オールジャパン体制の下, 1999年からFBR (高速増殖炉) サイクルの実用化戦略調査研究を実施している。本研究のフェーズⅠ (1999~2000年度) に引続き, 2001年度より5ヵ年計画で開始したフェーズⅡ研究の前半部分の終了を受け, 本特集では, これまでに検討されたシステム候補概念の設計研究や要素技術に係わる試験結果などについての進捗状況およびこれまでに得られた成果について解説する。</p>
著者
松下 正 佐々木 茂雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.17-22, 1980-01-30 (Released:2009-03-31)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

1979年3月に本格運転を開始した新型転換炉原型炉「ふげん」発電所は,わが国で初めての重水減速軽水沸騰冷却型原子炉である。減速材系,すなわち重水系より発生する劣化重水を再使用するために重水濃縮を行う重水精製装置を設置した。重水精製装置は,建屋工事を含めると1977年12月より建設に着手し, 79年4月末に良好な結果をもって完成することができた。装置は無隔膜減容電気分解方式を採用し,年間95W/Oの劣化重水5tを濃縮し, 99.8W/Oの重水を4.4t回収する設備能力を有する。本稿では,装置の設計,建設,運転結果について述べる。
著者
田下 昌紀
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.135-144, 1970-03-30 (Released:2011-02-17)

On October 5, 1966, during a slow increase in power, the Enrico Fermi Reactor was shut down in an orderly manner after it was obseryed that the control rods were withdrawn further than normal for 31MWt, that several subassemblies had abnormally high outlet temperatures, and that a small amount of F.P. was detected by the F.P. detector.Subsequently various investigations and analyses were performed to elucidate and to assess this incident. It was established as a result that fuel melting had occurred in two fuel subassemblies, M-098 and M-127.Inspection of the lower plenum and study of the analytical model indicated that one of the two Zr segments originally installed on the conical flow guide had become loose and had partially blocked the inlet nozzles of four subassemblies adjacent to each other. To prevent recurrence of similar trouble, the remaining Zr segments on the conical flow guide were removed, and a malfunction detection analyzer was installed in the instrumentation and safety system.Preoperational tests are now under way, with the Enrico Fermi Atomic Power Plant scheduled to be restored to full power operation in February 1970.This report outlines the fuel melting incident and the subsequent repairs and modifications brought upon the reactor.
著者
山路 昭雄 宮越 淳一 岩男 義明 壺阪 晃 斉藤 鉄夫 藤井 孝良 奥村 芳弘 鈴置 善郎 河北 孝司
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.139-156, 1984
被引用文献数
2

Procedures of shielding analysis are described which were used for the shielding modification design of the Nuclear Ship "MUTSU". The calculations of the radiation distribution on board were made using Sn codes ANISN and TWOTRAN, a point kernel code QAD and a Monte Carlo code MORSE.<BR>The accuracies of these calculations were investigated through the analysis of various shielding experiments: the shield tank experiment of the Nuclear Ship "Otto Hahn", the shielding mock-up experiment for "MUTSU" performed in JRR-4, the shielding benchmark experiment using the <SUP>16</SUP>N radiation facility of AERE Harwell and the shielding effect experiment of the ship structure performed in the training ship "Shintoku-Maru". The values calculated by the ANISN agree with the data measured at "Otto Hahn" within a factor of 2 for fast neutrons and within a factor of 3 for epithermal and thermal neutrons. The &gamma;-ray dose rates calculated by the QAD agree with the measured values within 30% for the analysis of the experiment in JRR-4. The design values for "MUTSU" were determined in consequence of these experimental analyses.
著者
森田 定市
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.12, no.12, pp.725-731, 1970-12-30 (Released:2010-04-19)

It is far from easy to find sites suitable for the construction of nuclear power plants even in a country like Japan surrounded by the sea. On the other hand the rising living standards and the rapid development of our industries necessitate, more than ever the supply of more abundant electric power at less cost. It appears to be the established fact that with the expected development of FBR, the power supply of the future will have to rely largely on nuclear power plants, and that in Japan such plants will have to be constructed, whether we like it or not, under the water near the power consuming areas.