著者
田上 豊資
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.967-970, 1994-11-25

はじめに 混迷を極める国会情勢の中,平成6年3月22日に国会に提出されていた「地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案」が,3か月後の6月22日に成立した。法成立とともに,地域保健の見直し検討の舞台は本格的に地方に移ったことになるわけだが,高知県では,法を先取りした形で,平成6年4月に保健環境部内に地域保健推進室を設置し,「地域保健先進県」づくりに向けた検討を開始しているので,これまでの経過と本県の課題などについて紹介する。
著者
田中 重男
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.38-42, 1967-12-10

三池炭鉱三川鉱では,昭和38年11月9日坑内の炭じん爆発で458名が死亡して,そのうち20名が爆死,438名が一酸化炭素中毒死であった。生存者941名のうち,意識喪失の状態になったものが435名あり,その大部分が一酸化炭素中毒によるものである。それから4年後の昭和42年9月28日には,同じ三川鉱で坑内火災が発生して,一酸化炭素中毒のため7名が死亡して,多くの被災者を出したが,今度は全般に症状が軽く,後遺症を残すものはないという見通しである。 一酸化炭素(CO)ガスは各種燃料の不完全燃焼によって生じ,無色,無臭,無刺激性で,比重は0.967と空気よりわずかに軽い。COガスは各種の工場のみならず,石油やガソリンを使用する暖房器具や自動車のエンジンなど,また都市ガスを使用する家庭内においても発生する。日常使用しているものでは,微量ではあるが煙草の煙のなかにも含まれている。とくに集団的にCO中毒が発生して,社会的に問題をおこしているのは,炭鉱の坑内爆発やトンネル工事中の事故などによるものである。
著者
斎藤 かよ
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.62-63, 1963-11-10

74名のセツラー 真夏の8月というのに,野にはもう桔梗の花や,萩,女郎花などの秋草が美しく咲き乱れていた. 日本のチベットと称されているこの地方,岩手県下閉伊郡田野畑村で,順天堂大学医学部セツルメント無医地区無料診療班が, 1.無医地区を実際に理解すること 2.無医地区における衛生思想の普及 3.無料医療奉仕の3つの目的を掲げて診療活動を続けること4年である.私たち看護学生は2年め.将来医療に従事し,病める人びとの友となろうという私たち診療班員は,この遠い地の医療に恵まれない人びとのために,少しでもお手伝いできたらという目的で,夏休みの数目を診療に励んできた.
著者
水野 肇
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.53, 1965-04-10

許可基準内なのだが… アンプル入りカゼ薬「強力パブロン」(大正製薬)「強力テルミックス」(大正製薬)「エスピレチン」(エスエス製薬)が,2月27日からいっせいに販売中止となった。厚生省の要請を受け入れて業者側が自シュクしたものである. アンプル入りカゼ薬が販売中止となったいきさつは,新聞紙上に報道されたとおりで,わずか10日間に5人がこの薬を飲んで死に,重大な関係があるとみられたためである.目下,その原因を調査中のため,かるがるしく言うべきではないが,死亡した5人の状態をみると,過敏体質,くすりののみすぎ,体力の衰え,他の薬との併用が,表面的には問題になってくるようだ.そして,昨年はアンプルのカゼ薬で死んだ人は3人,34年から38年の4年間で,ピリン剤で死んだのは11件ある.
著者
佐谷 けい子
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.340-343, 1999-04
被引用文献数
1
著者
神蔵 嘉子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.56, 1967-05-10

あれは昭和25年2月ごろだったろうか。川崎市中央保健所からの依頼で,神奈川県看護指導所に勤務していた私が,保健婦研究会に参加したことがあった。当時の保健所は,現在の市役所地下食堂の位置にあり,非常にせまく,来訪者によって混雑をきわめていた。「神蔵さん,あなたは保健婦に何が1番必要だと思いますか。」 かんたんな挨拶のあと,小宮山所長さんからの突然の質問に,私はちょっととまどってしまった。が,その当時は,戦後の混乱の時期を通りすぎていて,看護新制度切りかえのための諸問題のなかで,保健婦が新しい時代を迎えようとしているときであり,教育が必要であると私自身考えていたので,
著者
渡邊 清綱
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.2-4, 1950-12-15

〔左〕お届が保健断に 來ると保健婦は直 ちに開業醫の先生 をたずねました。〔右〕醫師の指示をうけてから家庭 訪問をいたします。
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.14, no.9, pp.38, 1958-09-10

・解・説・ 子供の世話や,家事の雑用に追われている家庭の婦人達が,手近な集りで16ミリ映画で,明るくたのしい映画や,生活改善,保健衛生等の知識を得られる映画を楽しむ事が出来たら…という目的で全国のお母さん方が株主になつて母親プロが誕生したのは1955年の事であつた. この母親プロ桜映画社は,以来「さよなら蚊とハエさん」「百人の陽気な女房たち」「今どきの嫁」等の映画を作つて教育映画等で最高賞を受ける等のめざましい活躍をして来た.この「お姉さんといつしよ」は,このプロダクシヨンがはじめて作つた本格的な劇映画であり今度ベニス国際児童映画祭グランプリ受賞の栄誉をうけた作品である.
著者
三木田 明美 鳥山 ふみ子 菅崎 弘之
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.49-54, 1997-01
被引用文献数
1
著者
小林 慧子 井上 千栄子 高田 満智子 小池 恵 荒島 真理子 船田 柳子 相馬 ふみ子 松山 セツ 條島 康代 伊沢 栄子 松浦 二枝 長坂 美奈 後藤 義英
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.228-240, 1979-03-10

はじめに 最近,母乳栄養について医療関係者の関心も高まり,目をむけられるようになった。昭和50年5月の業務研究会で,私達は保健婦として,母乳分泌を高め,母乳栄養を確立させるためにどのような働きかけをすべきか,ケースをとおして具体的な援助の方法を研究し,今後の保健指導に役立たせたいと考えた。 すでに周知のことと思うが,初乳にはラクトフェリン,各種免疫抗体,分泌型IgA,マクロファージ等,新生児の腸管に強力な感染防御機構を与えるという大きなメリットがあることで注目されている。厚生省では50年度から,母乳育児運動に本腰を入れ,2月1日に"母乳育児の効果に関する研究班"を発足させ,あわせて妊産婦への啓発,人工乳の誇大広告規制等,多角的に母乳復権運動が開始された。ちなみに昭和50年5月,当所における3か月健康診査時(200名)の母乳栄養率は20%とかなり低い値を示している。この事実を見極め,母乳栄養を継続し得ない諸因子を探究し,保健婦として援助の方法を研究・考察し,まとめたので報告する。
著者
北井 暁子
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.691, 1990-09-10

いよいよ1990年代を迎え,21世紀まで残すところあと10年となりました。わが国は今や世界一の長寿国となり人生80年時代を迎えておりますが,今後,わが国の人口高齢化は諸外国に例をみない驚くべき速さですすみ,2021年のピーク時には,4人に1人が65齢以上の老人という本格的な高齢社会が到来すると予測されています。 そんななか,今年の6月に発表された1989年の人口動態統計によりますと,出生数は124万6796人,人口千人当たりの出生率も10.2と史上最低を更新。女性が生涯に産む赤ちゃんの平均(合計特殊出生率)は1.57人にまで下がり,空前の「少産少子時代」に突入。高齢化社会対策に並んで少子化対策は,わが国の社会問題として,大きくクローズアップされるに至っております。
著者
當山 冨士子
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.474, 2003-05-01

本書は,私が琉球大学精神衛生学教室で助手をしていたときの主任教授であった佐々木雄司先生が,「メンタルヘルス実践36年間」の集大成として,ようやく世に出した力作であり,地域活動のハンドブックとして活用してほしい一冊である。 二十数年前,保健師活動に行き詰まりを感じていた私は,地域活動における最も基本的な姿勢や考え方を“佐々木メンタルヘルス”に学び,保健師活動の奥深さを認識させられた。迷いに迷った挙げ句の,現場から助手への転職であったが,これまでの疑問が面白いように解かれていくなかで,その迷いは一時で吹っ飛んでしまった。あれから二十年あまり,待ちに待ったこの書は,地域で悪戦苦闘している保健師の疑問にこたえ,ニーズを満たしてくれるものと信じている。
著者
長谷川 泉
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, 1958-01-10

人間は理性を持つた存在であるから,理智が生活を規制する.しかしとぎすまされた理性のみで振舞う冷徹さは,人間の持つ反面である感情と齟齬し相いれない場合も出てくる.そのような場合に,どちらを優位にたてた行動をするかという判定は,極めて難しい問題である.性格や環境によつて,その場合の行動が異ることがあり得る.見方は人によつて違う. 有島武郎の「実験室」(大正6.9「中央公論」)にはこの問題に示唆するテーマが扱われている.主人公は片目の若い医師である.科学者であるから,当然のことながら,理性的に行動しようとする.この作品では,その行動は最後に復讐されている.だが,考えさせられる多くの問題を含んでいよう.
著者
福田 和子 権藤 理恵 古川 由紀子
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.304-309, 1998-04
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, 1962-08-10

福島県信夫村の死亡原因は脳出血が一番多いところから,同村の保健婦荒井園子さんが次のような"高血圧予防数え歌"を作つた.
著者
田中 千穂子
出版者
医学書院
雑誌
保健婦雑誌 (ISSN:00471844)
巻号頁・発行日
vol.46, no.13, pp.1134-1137, 1990-12-10

訴えの背後にあるもの 私の勤務するクリニックには,よく子育てに対する漠然とした不安を抱えた母親が相談にみえます。子どもに何らかの症状があって来院される場合もありますが,一見,子どもにはあまり問題が感じられない場合も多いのです。そしてこのような母親たちは子育てに関し,「何かうまくいっていない」という思いを強くもっていますが,その思いをうまく説明できないという点が共通しています。 一般的に母親自身がひどい抑うつ状態であるとか,重篤な精神病理をもっている場合には,直ちに援助の手がさしのべられます。また,子どもが重い症状を呈している場合にも同様です。しかし問題が表面化していない場合には,このような訴えの受け皿はあまりありません。どこへいっても,「お母さん考えすぎですよ。子どもはちゃんと育っています。心配する必要はありません」と言われがちです。