著者
小川 圭一
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.33-38, 2020

「飛び出し坊や」とは,子供の飛び出しに対する注意喚起をドライバーに促すために設置された,子供などの絵が描かれた看板である.滋賀県内では多数の飛び出し坊やが設置されている.これらは地域住民が中心となって地域内の危険な箇所に設置をしているものであるため,地域住民がどのような箇所を危険と感じているかを把握することができると考えられる.本報告では,滋賀県草津市の玉川小学校区,矢倉小学校区内に設置されている飛び出し坊やについて実態調査をおこない,設置箇所の特徴に関する分析と,設置方法に関する課題点の抽出をおこなったものを紹介する.
著者
中井 宏
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.3-12, 2021 (Released:2021-12-30)
参考文献数
53

近年我が国では「あおり運転」が注目されており,あおり運転の原因の一つに,カーコミュニケーションの齟齬が考えられる.そこで本論文では,著者による簡単な調査の結果も踏まえつつ,カーコミュニケーションやあおり運転に関する先行研究を概観するとともに,国内外の実態を報告し,あおり運転の規程因を整理した.さらに,あおり運転を抑止するための対策について,主に心理学の見地から提案した.
著者
小嶋 文 瀬下 希奈
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.34-38, 2021

「自転車は『車両』であり車道通行が大原則」という観点から施策が進む中,自転車の関わる交通事故を防ぐための効果的な対策を検討するには,自転車の走行位置を踏まえた事故の特徴を理解することが重要である.本研究では,埼玉県内の交通事故データと航空写真により自転車の走行位置を推測し,左折自動車と自転車の事故について検証した.その結果,自転車が歩道通行していた場合には,車道走行の場合よりも,視認性が低く,自動車の前部が自転車と衝突する出会い頭事故のような形態となりやすいことが示唆された.
著者
東 正訓
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.49-57, 2020 (Released:2020-01-31)
参考文献数
14

本研究の目的はドライバーの速度超過運転の習慣強度を質問紙法によって測定する尺度(SHS) を構成することである.種々の習慣に利用可能なVerplanken&Orbel(2003)のSRHIを速度超過運転習慣の強度測定用に修正・変更した.18歳~68歳のドライバーを対象にしたインターネット調査データを分析した結果,非常に高い内的整合性信頼性係数及び中程度の再検査信頼性係数(2カ月間隔)を得た.SHSと関連が予想される変数との相関分析も整合的な結果であった.クラスター分析で得られた最も習慣強度が強い群は,最も違反回数が多かった.SHSは研究用だけでなく,ドライバーのアセスメントツールとしても有用であると考えられる.
著者
葉 健人 土井 健司
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.41-48, 2020 (Released:2020-01-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1

近年,訪日外国人レンタカー利用者の増加に伴い,訪日外国人レンタカー利用者の事故件数が増加している.本研究では,訪日外国人レンタカー利用者の事故特性を把握するために,利用可能な事故統計を用い,日本人および日本の免許証を有する外国人とそれ以外の免許を有する外国人の交通事故の項目別の構成比を統計的に比較した.その結果,日本人と比較した際に訪日外国人レンタカー利用者に共通する事故の特徴,および近年,急激に増加している韓国人,台湾人,香港人レンタカー利用者の事故の特性を明らかにした.
著者
小川 圭一
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.33-38, 2020 (Released:2020-04-15)
参考文献数
3

「飛び出し坊や」とは,子供の飛び出しに対する注意喚起をドライバーに促すために設置された,子供などの絵が描かれた看板である.滋賀県内では多数の飛び出し坊やが設置されている.これらは地域住民が中心となって地域内の危険な箇所に設置をしているものであるため,地域住民がどのような箇所を危険と感じているかを把握することができると考えられる.本報告では,滋賀県草津市の玉川小学校区,矢倉小学校区内に設置されている飛び出し坊やについて実態調査をおこない,設置箇所の特徴に関する分析と,設置方法に関する課題点の抽出をおこなったものを紹介する.
著者
林 幸史
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.18-23, 2020

本稿では,魅力ある観光地域づくりのための調査手法として,観光写真調査法が有益であることを述べた.観光写真調査法(TPM)は,従来の魅力調査では,捉えることが困難であった感性や直観を魅力評価に反映させた手法であり,個人が観光地に対して抱く集合的・個別的イメージ(魅力)および,個々の観光資源に付与された価値を把握することができる.TPMの実施手続きを解説するとともに,奈良をフィールドとしたTPMの実践例を紹介した.最後に,着地型のコミュニティ・ツーリズムでの観光振興におけるTPMの応用可能性について議論した.
著者
蓮花 一己
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.16-20, 2020 (Released:2020-04-15)

有効な交通安全対策を構築するには,地域(現場)での交通状況を十分に理解する必要がある.現場を理解した上でドライバー等の行動を把握し,事故のメカニズムを解明する.研究例として,阪奈道路,名阪国道,香川県での研究の概略と成果を解説した.事故事例研究や行動分析を通じて,多くの事故促進要因を抽出した.事故防止のためには,道路構造の改善のみでは限界があり,情報提供の改善(阪奈道路)や休憩施設の設置(名阪国道)等の新たな対策が必要であった.香川研究では,日本全国からの専門家のサポートを受けることができたが,優れた交通事故情報提供システムが不可欠なツールであった.
著者
林 幸史
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.18-23, 2020 (Released:2020-01-31)
参考文献数
21

本稿では,魅力ある観光地域づくりのための調査手法として,観光写真調査法が有益であることを述べた.観光写真調査法(TPM)は,従来の魅力調査では,捉えることが困難であった感性や直観を魅力評価に反映させた手法であり,個人が観光地に対して抱く集合的・個別的イメージ(魅力)および,個々の観光資源に付与された価値を把握することができる.TPMの実施手続きを解説するとともに,奈良をフィールドとしたTPMの実践例を紹介した.最後に,着地型のコミュニティ・ツーリズムでの観光振興におけるTPMの応用可能性について議論した.