著者
市原 慎介 吉田 進悟 小嶋 文 久保田 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_1165-67_I_1172, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究では,住宅街の狭幅員生活道路におけるハンプ設置の有効性の検証を目的とし,複数のハンプを短区間で連続設置することによる効果について検証した.社会実験の結果,短い間隔でハンプを連続設置することで,対象道路を走行する自動車の通過速度が著しく抑制され,道路全体の安全性・快適性の向上を図ることができた.従来影響が心配されてきたハンプ設置に伴う振動・騒音の発生に関しても,本実験のハンプ設置方法によって周辺環境に影響を及ぼさない程度に十分抑制されることが確認できた.また,対象道路の周辺住民の多くは住宅街におけるハンプの設置に関して高い評価をしており,本実験を通し,ハンプの短区間連続設置による交通静穏化に関する有効性を強く確認することができた.
著者
小嶋 文博 刈谷 円 細川 知子 Fumihiro Ojima Madoka Kariya Tomoko Hosokawa
出版者
盛岡大学短期大学部
雑誌
盛岡大学短期大学部紀要 = Bulletin of Morioka Junior College (ISSN:09168079)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.21-30, 2004-05-01

野菜・果実類の酸化還元電位を測定し,加熱したほうが食品の酸化還元電位が低下することが判った。これは(1)食品中のポリフェノラーゼなどが加熱により失活するため,抗酸化成分の酸化・分解が抑制されること,(2)加熱より細胞組織が柔軟化し,細胞内容物が細胞外に浸出しやすくなることなどが主な理由であると考えられた。また酸化還元電位の異なる食品の摂取試験から,人体の酸化還元電位よりも相対的に低い酸化還元電位を有する食品の摂取が人体(尿)の酸化還元電位を低くすることが示唆された。特に野菜・果実類を加熱して摂取することが,生で摂取するよりも,人体の酸化還元電位という指標から体内の酸化還元電位の改善に有効であることが示唆された。
著者
谷本 智 小嶋 文 久保田 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_1135-I_1146, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
14
被引用文献数
2

生活道路に流入する抜け道交通は交通安全上大きな問題である.既存の取り組みとしてハンプや狭さくなど速度抑制デバイスが用いられてきたが,抜け道交通のみを判別して取り除くことは困難であり根本の解決には至っていない.そこで本研究では欧州で普及しているライジングボラードに着目した.ライジングボラードは,抜け道車両の選択的排除が可能なツールであり,公道では未導入である日本における導入の可能性を検討するため埼玉大学構内において運用実験を行い,基礎研究として研究成果の蓄積を行った.被験者を用いた通行実験から,通行抑制効果が明らかになり抜け道対策としての有効性が示された.また車両との接触時の安全性,悪天候などの状況下での正常な作動が確かめられるなど,導入に向けた有益な知見を得ることができた.
著者
小嶋 文 久保田 尚
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.869-879, 2008-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
7
被引用文献数
5 6

本研究では、参加に積極的な住民であれば、自らの手で身近な交通環境を改善することのできる対策として、「抜け道MM」を提案した.車利用者に自発的な交通行動の変化を期待するモビリティ・マネジメント (MM) の手法を援用し、社会心理学の要素を取入れたコミュニケーション技術を用いて、住民から自ら抜け道利用ドライバーに生活道路の通行をやめるよう訴える実験を行った。実験実施後の交通調査からは、実験後1ヶ月に渡って交通量に約1割の削減が見られた。意識調査の結果からは、本実験が抜け道利用者の迷惑の自覚を高めた結果が見られた。また、-参加しない住民からの反対は見られず、意欲のある住民には取組みやすい対策と考えられた。
著者
小嶋 文 瀬下 希奈
出版者
一般社団法人 交通科学研究会
雑誌
交通科学 (ISSN:02881985)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.34-38, 2021

「自転車は『車両』であり車道通行が大原則」という観点から施策が進む中,自転車の関わる交通事故を防ぐための効果的な対策を検討するには,自転車の走行位置を踏まえた事故の特徴を理解することが重要である.本研究では,埼玉県内の交通事故データと航空写真により自転車の走行位置を推測し,左折自動車と自転車の事故について検証した.その結果,自転車が歩道通行していた場合には,車道走行の場合よりも,視認性が低く,自動車の前部が自転車と衝突する出会い頭事故のような形態となりやすいことが示唆された.
著者
大野 浩史 菊池 雅彦 久保田 尚 小嶋 文 加藤 哲平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00064, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
10

東京一極集中緩和のため,地域との繋がりを構築する取り組みが重視されている.地域との繋がりの構築において注目される「関係人口」は,人々の地縁・血縁との関連があり,その地域との所縁がある住民意識を表す際に「故郷」がよく用いられる.しかし,「故郷」に対する住民意識の実態は十分には明らかになっていない.以上から本研究では,埼玉県在住者を対象にアンケート調査を実施し,居住履歴の分類から,「故郷」に関する意識,「故郷」のまちづくりへの参加意欲等を検証した. その結果,埼玉県で生まれ育った人々は,自身が生まれ育った埼玉県を「故郷」と意識する傾向があり,「明確な「故郷」を持たない」という人は少数であった.また,地方出身の1代目は現住所以外を「故郷」と意識し,まちづくりへの参加意欲が高い傾向が確認できた.
著者
小嶋 文博 刈谷 円 細川 知子 Fumihiro Ojima Madoka Kariya Tomoko Hosokawa
雑誌
盛岡大学短期大学部紀要 = Bulletin of Morioka Junior College (ISSN:09168079)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.21-30, 2004-05-01

野菜・果実類の酸化還元電位を測定し,加熱したほうが食品の酸化還元電位が低下することが判った。これは(1)食品中のポリフェノラーゼなどが加熱により失活するため,抗酸化成分の酸化・分解が抑制されること,(2)加熱より細胞組織が柔軟化し,細胞内容物が細胞外に浸出しやすくなることなどが主な理由であると考えられた。また酸化還元電位の異なる食品の摂取試験から,人体の酸化還元電位よりも相対的に低い酸化還元電位を有する食品の摂取が人体(尿)の酸化還元電位を低くすることが示唆された。特に野菜・果実類を加熱して摂取することが,生で摂取するよりも,人体の酸化還元電位という指標から体内の酸化還元電位の改善に有効であることが示唆された。
著者
坂本 秀樹 森 啓信 小嶋 文博 石黒 幸雄 有元 祥三 今江 祐美子 難波 経篤 小川 睦美 福場 博保
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.93-99, 1994
被引用文献数
1 23

トマトジュースの連続飲用による血清中のカロテノイドの濃度の変化を調べた。また同時に飲用による血清中のコレステロール濃度の変化も調べた。65名の被験者を1日1本, 2本, 3本のトマトジュース飲用区と対照のリンゴジュース1本の飲用区の4区分に分け, 連続4週間の摂取を行った。<BR>1) リコペン濃度は飲用本数の増加に従い有意に増加し, 2本以上の区分では飲用後の飲用前に対する血清中濃度は3倍以上となった。<BR>2) β-カロテンは, トマトジュース中の含有量はリコペン量の約1/30であるにもかかわらず, 血清中において有意な増加を示し, 3本の区分では飲用後の飲用前に対する血清中濃度は約2倍近くとなった。<BR>以上の結果より, トマトジュースの飲用は血清中のリコペンとβ-カロテンの濃度上昇に有効であることが明らかとなった。<BR>3) トマトジュース中のリコペンはall-<I>trans</I>型がほとんどであるのに対して, 飲用後の血清中ではcis型の増加も見られたことから, 体内ではリコペンの異性化起きていることが示唆された。<BR>4) いずれの試験区においても, 血清中のLDL-コステロールをはじめとする脂質の増加は見られず, トマトジュースの飲用によるカロテノイドの血清中の濃度上昇は, 血清脂質濃度の上昇を促さないと考えられた。