著者
奥井 明彦
出版者
The Sedimentological Society of Japan
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.48, pp.95-102, 1998-09-30 (Released:2010-05-27)
参考文献数
21
著者
江藤 哲人 松田 恵里 伊藤 憲和
出版者
The Sedimentological Society of Japan
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.53, pp.17-27, 2001-07-25 (Released:2010-05-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2

房総半島中部西端部の中部更新統長浜砂礫層および三浦半島中部東端部の上部更新統走水礫層の礫は主に中・古生界に由来する古期岩類で構成され, 次いで中新統の緑色凝灰岩類およびそれに随伴する火成岩類で構成される. そのほか, 第三系堆積岩起源の礫が少量含まれる. 中期~後期更新世の古地理などから判断して, 古期岩類の礫は主として関東山地に, 緑色凝灰岩類および火成岩類は主に丹沢山地にそれぞれ由来すると推定される. 両層堆積期に両山地は大量に礫を供給し得る隆起が起こったと推定できる. 両層の礫種組成には明らかな相違が認められ, 走水礫層の古流向と合わせ考えると, 走水礫層の礫を長浜砂礫層に起源するとみなす見解は否定される. 長浜砂礫層の礫種組成には層位的変化が認められ, 一部の層準に目立つ第三系堆積岩起源の礫は嶺岡山地に由来すると推定され, 嶺岡山地の一時的な隆起を示すと考えられる.
著者
金井 豊 井内 美郎 徳岡 隆夫
出版者
日本堆積学会
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.47, pp.55-70, 1998-04-30 (Released:2010-05-27)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

中国大陸の湖から採取した二つのコアにおける放射性核種の分布と化学組成とを調べ, 平均堆積速度の算出を行い堆積環境について予察的に検討した. その結果, 構造盆地湖である Daihai 湖では約0.3cm/y程度の堆積速度が推定され, この値は日本における湖沼の平均堆積速度の範囲内であった. 化学組成からは, 堆積物の供給源が異動してコアの化学組成にわずかな変動をもたらしたことが示唆された. また, 湿地帯の閉鎖湖である Blackspring 湖では約0.1cm/yで, 前者の1/3程度の値であった. 含水比や化学組成に変化がみられた16~18cmあたりは160~180年前と推定され, そのころから以前と異なる堆積物が供給され始めた可能性が高い. また, セシウム-137のインベントリーは, 日本における過剰鉛-210との関係から推定されるものよりも大きく, これは中国におけるセシウム-137の供給量が日本における場合よりも多かったこと, ならびに湖からの流出が少なかったことなどが原因と考えられる.
著者
船引 彩子 納谷 友規 斎藤 広隆 竹村 貴人
出版者
日本堆積学会
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.137-152, 2014-12-26 (Released:2015-02-24)
参考文献数
32
被引用文献数
3

関東平野西部には武蔵野台地に代表される中期更新世後期以降の段丘地形が広がり,段丘堆積物の下位に鮮新世末から中期更新世に堆積した海成層を主体とする上総層群が分布することで知られている.本研究は武蔵野台地のうち,立川面に位置する東京都府中市おいて掘削された,CRE-TAT-1及びCRE-TAT-2コアについて堆積相の観察を行い,含水比,懸濁液のEC·pH,珪藻分析,蛍光X線分析による元素の含有率などの測定を行い,堆積環境を推定した.本研究では,対象地において実験用の熱交換井50m分を掘削する際に同深度のボーリングコア試料を採取し,堆積相の詳細な記載を行い,堆積物の各種物性値を計測し,堆積環境の復元を行った.その結果,対象地の地下50mに分布する地層は複数の堆積サイクルからなることが明らかになった.両コアは主に3枚の礫層とそれに挟まれた砂層および泥層からなり,下位よりユニット1〜7に分けられる.このうちユニット2·4·6は砂礫層からなり,河川堆積物を形成する.ユニット1は主に砂質の河川チャネル堆積物から構成される.ユニット3は主に砂〜シルト層からなり,淡水生の珪藻や生痕が含まれ,氾濫原〜チャネルのような環境を示す.ユニット5は下部で陸域の環境を示すが,中部は青灰色のシルト層で海生の珪藻を産出する.硫黄の含有量,ECともに高い値を示し,海成層と考えられる.このシルト層は上方に向かって砂質のチャネル·氾濫原堆積物へと漸移的に変化し,浅海化の傾向が見られる.各ユニットは大まかにはユニット1〜4が陸成,ユニット5が海成〜陸成,ユニット6·7が陸成の堆積物からなる.ユニット6は立川面を構成する段丘礫層,ユニット7が立川ローム層,またユニット1〜5は上総層群の舎人層である可能性が高い.
著者
安田 佳那子
出版者
日本堆積学会
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.219-222, 2012-12-28 (Released:2013-02-25)
参考文献数
5