- 著者
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安江 明夫
- 出版者
- 日本アーカイブズ学会
- 雑誌
- アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, pp.30-43, 2016
<p>蘭書は江戸時代、西洋文明の受容において格別の役割を果たした。しかし明治維新以降、蘭書は英書等にとって替わられ、かつての蘭書蔵書は軽視されるようになった。浅草文庫所蔵蘭書もその1つである。</p><p>日本最初の官立公共図書館である書籍館を引き継いだ浅草文庫は、9,000冊余の江戸幕府旧蔵蘭書を所蔵していた。浅草文庫停止により同文庫蔵書は博物館に継承されたが、内閣文庫設立(明治17年)に伴う政府機関所蔵図書の移管事務のなかで、浅草文庫旧蔵蘭書の殆どが行方不明となった。</p><p>歴史的に重要な浅草文庫旧蔵蘭書の行方を、東京国立博物館(博物館の後継)及び国立公文書館(内閣文庫蔵書を所管)に現存の蘭書並びに明治期の記録・文書等の調査により、探索した。その経過と結果を報告する。</p>